HUNTER×HUNTER34巻から37巻までの展開から、

念能力

「”11人いる!”(サイレントマジョリティ)」

の術者が誰なのか予想してみたい。

 

結論から先に言うと

スラッカ(第2王妃所属兵)

ではないだろうか。

 

なぜそう思ったのか。

 

①術者と思われる台詞

「――っていうイキリ面してるんだろうな・・・顔見なくてもこれみよがしのオーラでわかる」(35巻187ページ)

この台詞は描写からしてベンジャミン私設兵ヒュリコフに対する心の声。術者の位置からはヒュリコフの表情は確認できないがオーラの量は見て分かるのだから、これは術者がヒュリコフよりも後方に位置しているわけである。そうなると、この台詞の場面の念講習参加者の立ち位置より、スラッカ、第3王子私設兵サカタ、第3王子私設兵ハシトウの3名になる。

この内、第3王子チョウライの私設兵であるサカタとハシトウは念能力の存在すら知らなかった可能性がある。

サカタ「念能力・・・・・通常視えないものが視えると言っていたな・・・・・・」(35巻129ページ)

ハシトウ「テントフリを最後にする代わりオレが先に水見式を受けようと思う」(37巻159ページ)

これらの台詞から、恐らく2人は念能力者ではない。

 

②隠れ念能力者の存在とヒュリコフのミスリード

相手の能力を探るスキルに長けているフィリコフは念講習参加者16人の中に隠れ念能力者が4人いることを見抜いている。1人目は第10王子従事者ロベリー、第9王子私設兵ユヒライ、第9王子私設兵シェジュール、他1名。

1人目ロベリー・・・術者によって座敷人形(黒ぼっこ)が視える状態になっていたが、これを念能力者と勘違い。

2人目ユヒライ3人目シェジュール・・・クラピカとの会話から自身が念能力者という自覚がないことが判明。おそらく第9王子ハンゲンブルクの念獣に関係がある。

4人目・・・不明。37巻の時点では特定されていない。ヒュリコフはこの4人目の隠れ念能力者を暗殺者と断言しているが、ロベリー、ユヒライ、シェジュールの3人を「使えないフリをしている奴等」と当初思っていたことから、仮に4人目の隠れ念能力者が本当に使えないフリをしていたとしても、その人物が暗殺者だと断定するには、ややヒュリコフの見立てを100%信用するに至る自信を持てなかった。

また、スラッカがヒュリコフが隠れ念能力者4人に気付いているこを利用していることも考えられる。そうでなければ、これまでと違い、この大衆の中で能力を発動するのはかなりリスキー。

 

③スラッカは第2王妃(ドゥアズル)所属兵

ドゥアズル王妃と子である第2王子カミーラ2人の食事シーン。カミーラはドゥアズルにこう言う。

「これは確認じゃなくて指示なの!」

(35巻123ページ)

このやりとりからカミーラは母親であるドゥアズル王妃に対して重要な場面で軍事的な指示を出せる地位にあり、警護兵の選定から配置に至る戦略は実質カミーラの支配下にあるのではないだろうか。例えば、カミーラが正規国王軍の中から念能力者であるスラッカを見つけ出しスカウトしたのだろう。そう思ったのはこのスラッカの発言

「任務が失敗したらオレクビかもなァァ」

(35巻121ページ)

「任務」が具体的に何を指しているかは分からないが、カミーラによる「第3王子チョウライ暗殺指示」ならば、サカタとハシトウのサポートに命じられて第14王子の住居へ配置転換させられた時に見せた残念な表情は腑に落ちる。

 

また、第2王子カミーラの私設兵は呪詛担当で占められている。サイレントマジョリティの座敷人形と呪唇白蛇(ツチボッコ)による呪いと呪詛の戦術が全く似ていなくもない。カミーラが暗殺者としてのスラッカの呪術能力を買ったか、スラッカが自ら志願してドゥアズル王妃に接近したとすれば、念能力の戦術が似ていることも頷ける。念講習の場で、暗殺者としての胸が騒ぎ、ヒュリコフの挑発に乗って、あえて場の混乱を謀ったとしても不思議ではい。

 

④クラピカはスラッカを警戒している

第3王子チョウライに念についての情報を求められ住居に招かれたクラピカは、チョウライ王子に同席しているベンジャミン私設兵コベントバと第2王妃所属兵スラッカを警戒している素振りを見せている。35巻107ページではクラピカがチョウライ王子を見つめ「ここで話すのは危険」というメッセージを表情で送っているように見える場面があった。119ページに、クラピカのメッセージを感じ取ったチョウライはまた別の機会に話を聞く流れに誘導する。このあとに、第14王子居住区にやってきたスラッカを「第2王妃所属兵の方はトラブルメーカーになりかねないから注意してくれ」とビルに伝えている。

 

 

以下、妄想

 

以上の4点から個人的にはスラッカが怪しいのではないかと思った。ただ、どうも分からなかったのは、ではなぜスラッカは第14王子居住区の警護兵ばかりを狙うのか?という疑問である。

 

そこで閃いたのは、スラッカとシマヌ共謀説。実はスラッカはシマヌの息子だった!!というストーリーである。そう閃いたのはシマヌとスラッカの顔が似ていると思ったから。

第14王子従事者のシマヌは代々王族に仕える家柄の生まれであった。シマヌがそれぞれの王子に抱いている印象や洞察力はクラピカを凌ぐものであり、今回の王位継承戦に何らかの思いを抱いているような雰囲気を感じる。他の警護兵が次々と犠牲になっているのにも関わらず物応じない姿勢が際立っている。周りの従事者が辞めていく中で頑なに残ろうとする特別な理由が何かあるとみていいのではないだろうか。

一番最初に引っかかったのは第1王子、第3王子、第5王子から同時に電話が来たときに、クラピカは第1王子に繋げるようシマヌに指示をだしたにも関わらず、交換手に繋がせたのは第3王子チョウライだった。シマヌはなぜ第3王子に繋げたのか理由を語っているが、第3王子を敵に回したくはなかったからだろう。第3王子の警護には息子のスラッカがいる。スラッカの念能力サイレントマジョリティはターゲット以外の誰かが座敷人形に憑かれなければならない。第14王子居住区で起きた一連の暗殺にも憑かれた者がいなければ成り立たなかったはずだ。しかし、他の警護兵や従事者が座敷人形を見たという描写はどこにも出てこない。これはシマヌが取り憑かれていたからに他ならない。スラッカは念講習1日目の前日、つまりB・W号出発当日搭乗する前に母親であるシマヌに念能力について打ち明かす。これから起きる出来事と座敷人形の正体について説明していたのではないだろうか。サイレントマジョリティが具体的にどんな能力なのかは教えず、「座敷人形が視えることがあるが驚かずに視たことを誰かに公言しないように」と伝えておく。バリケンが襲われた後にクラピカのダウジングチェーンでシマヌを問いただす場面で、クラピカ「念能力は使えるか?」の質問に「とんでもない!!「念」って言葉すら昨日初めて聞いたのに!!」「なんであたしが・・・・・!!」「あたしだってこんな事になるなら・・・・・!!」(36巻13ページ)

と答えている。座敷人形の正体が「念」であることを知り、自分も暗殺に加担してしまったことに罪の意識を抱きつつも、第3王子チョウライを国王とするために必要悪であると自制しているのではないだろうか。

 

 

という無茶苦茶な話を展開してしまった。

 

 

38巻以降で暗殺者の正体が明らかになることを期待しつつ、このあたりで終わりにしたい。