「鍛える」      

私が子どもの頃は、「学校は休まずに行くもの。」「いい学校に入り大きな会社に入る」事が多くの日本人が持っていた価値観だったように感じます。良くも悪くも目指す方向性が全体的に一つだったという言い方もできるでしょうか。
時代は令和となり、「全体」から「個」に重きを置く風潮が主流になり、「自由」を手に入れた反面、「迷う」という悩ましさを感じるようにもなったのではないでしょうか。
時に「個」を殺して生きることを迫られた昭和時代の我々が令和の時代を生き抜くためには、「個」の力を鍛える必要があるのかもしれませんね。
とは言え、「個」の力はどうしたら鍛えられるのでしょうか。今日はそのヒントを得るために鍛えるの「鍛」の文字を分析してみたいと思います。

「鍛」
「のぼかん」六つの形分けでは「受け入れの形」といい、常にテーマ、相手を求める姿勢があり、何度でも受け入れては流す事を繰り返し、それが吟味する力ともなると観ます。

次に字の理論で観ていきます。
一画目の「ノ」でたくさんの情報の中より瞬時に自分に必要なものを選び取り、続いて「ノ」の書き始めより少し下の位置から「ヽ」を書き「∧」のような形を構築します。
「ノ」を「ヽ」で支える、バランスを取ると同時に上から情報として来る不要なものを左右から流し「∧」の内を守ると観ます。
「∧」の内「ノ」の書き終わりより少し上辺りから短い「一」を書き「∧」で選び取ったものをしっかりと受け止め整理します。さらに「一」の下に先の「一」よりも少し長目の「一」を書き再度情報をチェックします。上の「一」で整理し不要としたものの中より取りこぼしがないかをチェックする慎重さや粘り強さ、タフさがあるとも観ます。
次に、先に書いた二本の横線「二」の中心を通るように「丨」を垂直に下ろし、瞬時に左右に情報を仕分けると同時に宙に浮いた「二」を固定し考えをまとめます。
「二」の左下に「、」右下に「ノ」を書き、まとめた考えを左右両側からも確認し、さらに「丨」の下部をすくい上げるように「/」を勢いよく書き、「金」を構築し、ここまでの流れをまとめ、保守の質の方向へ展開していくと観ます。
「金」の右横に「′」を書き、新しい情報も取り入れながら「金」を要約すると観ます。
続いて「′」の書き終わり部分より「丨」を書き明快な意思とします。次に「丨」の書き始めよし少し下辺りより、保守の方向に向かって「一」を二本書き、自分の価値観に沿って何度もチェック検証する姿勢を観ます。さらに二本の「一」の下に「/」を勢いよくクロスさせます。自分の価値観を徹底する強い意思と観ます。
その右隣に「ノ」を書き、ここまでの流れを勝気にまとめます。「ノ」の書き始めより「乁」を書き新たな情報も受け止めながら表現・行動の範囲を定めると観ます。書き終わりが跳ね上がっている所に、堂々とした誇り高さを観ます。「几」の下の守られた空間に「フ」を書き、自分の意思とした事をしっかりと受け止め見つめ、続いて「乀」を「フ」にクロスさせる事で左右のバランスを取りながらデリカシーを持って表現・行動していくと観ます。

まとめますと「鍛」は、自分が選び取った事柄に対して粘り強くタフな姿勢で検証し考えをまとめ、さらに価値観と照らし合わせながら確認を繰り返すことで本心とし、自身が決めた範囲内で誰もが納得する形を目指しながら表現・行動し続けていく様と理解しました。
つまり、「鍛」とは自分の価値観を何度も何度も検証する事で確固たる価値観、信念とし、その価値観、信念に基づいて行動し続ける事と言えそうですね。

どうしたら「個」が鍛えられるのか。
日頃から自身の考えを明確にし、日々直面する出来事を通して自身の考えを確認、検証する事を地道に繰り返していく事で自身の考えが確固たる価値観、信念として鍛え上げられていくのかもしれませんね。
日頃わかったつもりで使っている文字を分析することにより、その意味が明快になりますね。
令和の時代を、一度しかない自分の人生を自分らしく納得したものとするために、「個」の力を鍛えていきたいと思います。
今月もありがとうございました。