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日経BP『会社に大事なのは誰と問う』へのコメント

テーマ:「会社に大事なのは誰と問う」 

執筆者:村岡正雄

データソース: http://nvc.nikkeibp.co.jp/column/speech/20071016_000798.html



執筆者の村岡氏は、友人のスーパー銭湯経営者が「私にとって何より大事なのはあなた方従業員です」ということを社員旅行で従業員に語った話を引き合いに出し、こう述べている。


「私は、お客様、従業員、役員などを並べて、どれが一番大切だとか、順位はこうだとか言うつもりはありません。順位など、とても付けられない。順位を付ければ分かりやすいのかも知れませんが、それはかえって嘘になりかねません。

        ~中略~

 曖昧さを潔癖に拒否、否定するのではなく、認め、受け入れるという態度もまた必要でしょう。そこで立ち止まって考え込むスタイルです。私は「現実は・大人としては」とかの断りを置いて「なあなあ」で済まそうという、ずるい気持ちで逃げているのではありません。曖昧さも、積極的な決断だと言いたいのです。」


簡単にまとめると、「企業にとってどのステークホルダー(株主、経営者、従業員、顧客など)が重要かを予め決めることは自分にはできない」ということである。


曖昧さも積極的な決断だと語っているが、経営者がそれを語ることは許されない場合もあるだろう。

平時の時は、友人のスーパー銭湯の経営者が言っているように八方美人的な対応も許されるだろうが、リストラや買収などの重大な決断をする時は、何かを優先して、何かは切り捨てられることを明確にしないといけなくなる。


リストラをする時に、「利益を上げることを求める株主も大事だが、コストとなっている従業員は切れない」などとは言ってられないだろう。この場合、村岡氏はどのように「積極的な決断」を下すのだろうか。


村岡氏は、その都度考えて決断すると言っているが、経営者の仕事は、少ない情報から迅速な決断を迫られることを日々行うものである。その都度考えているような時間はない場合もあるし、そもそも何を基準に決めるのかを明確に持っていなければ、毎回軸のブレた決断をすることになってしまい、方向性が定まらなくなる。

サラリーマンを経て著述家になった村岡氏は、リストラや乗るか反るかの事業拡大など、リスクの伴う崖っぷちの決断をしたことがないから、「曖昧さも、積極的な決断」などといった悠長なことが言えるのであろう。


所有と経営が分離している株式会社という存在は、そもそも解決し得ない矛盾をはらんでいると考えていた方が良い。特に上場企業は、利害関係者が多いのでそれが顕著である。


これは人間で言えば、肉体と魂が別々の意思を持っているような状態である。

現実では、さらに顧客や従業員といったステークホルダーが関わってくるので、全員の利益を最大化するようなWINWINな関係にすることは難しいだろう。


経営者の重大な役割は、企業がどのステークホルダーを重要視し、どの優先度を落とすべきなのか、そのバランスを見張ることである。


企業が健全に存在するためには、先に挙げた四つのステークホルダー(株主、経営者、顧客、従業員)の存在を全く無視することは出来ないし、かと言って一つに傾倒することも出来ない(イチゼロでは語れない)。


しかし、最終的に何が重要なのかを、根底の理念として持つことこそが、その会社の社会的存在意義と繫がるのだと思う。


スーパー銭湯経営者は、それがわかっているのであろう。

順調な時は、、客には「お客様第一」、従業員には「従業員第一」と言っておいてもいいが、いざ事業を拡大するときや、事業を縮小する時に、何を切り捨て、何を死守するのかを明確にしておくような一貫した理念を持つ企業であれば、少々辛い時も社員はついて来るし、顧客も見捨てないでおいてくれるであろう。