僕は40代にして腎臓結石を患ってしまった。立ってよし、寝てよしで通してきた僕だか、その日だけは、立ってだめ、寝てもだめ、中腰でもだめ。とにかくその痛みは世界三大痛の一つに数えられており、出産以上と表現するウェブサイトもあるくらいだ。


 五月のとある朝、僕は柔術のクラスに向かい汗を流し、自宅で軽い韓国式朝食を済ました後、いつものように巨大なソファに横たわっていた。人気マン画「人妻の味ぐあい」にかじりつき、KINDLEアンリミテッドってホントありがたいなあなんて呑気なことを考えていたら、突然右のタマ●●が万力で挟まれたかのような激痛に襲われた。

 ぬっ、ぬわっ、ぬわんだこれは!!!「人妻の味ぐあい」は、漫画という次元を超え、ときより身体が疼いてしまうほどの描写の連続で、中高年を中心にホットな名作だ。さすがにタマ●●も反応したかなと頭をよぎったが、そういう類の感覚ではなかった。痛みはなんとも表現しづらいアップダウンのある鈍痛で、真夏の台風のように左右に揺れながら徐々に北上していくのだが、台風と違ってどんどんと勢力が増していく。1時間におよそ5センチの速さで、ちょうど二時間が過ぎた時、これこそが盲腸に違いない、そう思った。

 午後に目ちゃんこ重要なミーティングを控えていたこともあって二時間も我慢してしまった。救急病院に向かい、兎に角痛いこと、緊急であることを看護婦に伝えた。それでもドクターが来たのは30分後くらいで、痛みの場所からして胆石だろう、入院だと言い残して去っていった。合計二時間半も我慢したせいか、痛みは一旦おさまりつつあった。僕は看護婦に帰る旨を伝え、帰ろうとしたところ、それまでにはない激痛に襲われた。まじヤバイ。。。胆石ってこんなに痛いのか。ドクターを待つ間に可能な限り胆石をネットで調べた。コレステロールの高い食生活が良くないらしいく、内視鏡を三本ぶち込む見た目大掛かりな手術をせねばならいらしいことがわかった。ちょっと面倒くさいそうだな、、、。

 緊急だったので最寄りの病院に来たが、手術となればよそに転院したい。その間も痛みは増していき、すぐに痛みどめをお願いしたが、CT検査をしないと詳しい症状がわからないこと、さらに入院手続きをしないと痛み止めを打つことは出来ないことを伝えられた。香港の病院の時間の流れからして軽く二時間はかかりそうな内容だ。すぐにCTの部屋に向かい胆石ではなく、尿管結石だと告げられ、およそ5ページはある入院手続きの書類に書き込み、ようやく痛み止めを打ってもらったが、やはり軽く一時間半かかってしまった。

 専門医によれば、治療・手術は、薬で溶かす、外部衝撃波で砕く、内視鏡を使いレーザーで砕くの三通り。薬はいつ石が出てくるかわからない、衝撃波は一般的だが石の場所からしてオススメしない、また硬い石だった場合砕けないということで、正確性に加え痛みがすぐ消え翌日に退院出来る内視鏡を躊躇なく選んだ。内視鏡はオリンパス製だとドクターは自慢げに話した。すぐさま米系証券で長年医薬品をカバーする🅼先輩ににLINE、専門家のコメントが欲しかったが、○△◇☆ク〜〜〜〜〜ン、僕もやったよ〜〜〜グッドラック!!!っと先輩らしいいつもの返しが来た。つかの間だが、中高年のありとあらゆる疾病を経験済みの温かい先輩のコメントに癒された。

 手術は、病室を出て戻ってくるまで一時間弱。麻酔で寝ている間に終わっていた。回診に来た執刀医によると、明日くらいまで排尿時に鈍痛を感じる、尿の通りを良くするためにステントが入っていてそれを二週間後に抜く、その抜くための措置は簡単であることが説明された。ドクターの言う通り、その日は排尿時に強烈な痛みがあり、尿は血が混じったような色だった。しかし翌日にはその痛みも消え、なんら変わりない日常生活に戻ることができた。退院時、ドクターは水不足が原因であり、毎日二リットルの水を飲むことを何度も何度も説明した。

 僕は二週間後、颯爽と病院に向かった。世界三大痛にも数えられる痛みは消えた。ステントさえ抜けば完全に解放される、清々しい気分でいた。しかし、ステントを抜く措置は生々しかった。前回と違い部分麻酔。僕は手術台に横たわると、ドクターは左手を筒状にし、バナナを硬く握りしめた。部分麻酔なので全て見えるだ。内視鏡挿入前に、バナナの先端からにジェル状の麻酔を注入。内視鏡の重たい部分を二人の看護婦が支え、ドクターがカメラの部分を尿管へスルスルヌルヌル入れて行く。手慣れた流れ作業のように見えた。ここからはモニターの出番だ。感覚的には2メートルは入ったかなと感じるところで一旦しんどいポイントがある、ドクターはそこで僕を鼓舞した。尿意、射〇意、鈍痛が混じった激しい感覚となり、抜けると一気に腎臓近辺に達する。この道30年、1000回の執刀歴を誇るドクターにとって、ステントの除去など朝飯前だ。ステントを発見すると、瞬く間に内視鏡の先についたクリップに引っ掛け、看護婦達と呼吸を合わせて内視鏡ごと引き抜く、ものの数秒で手術は終了した。

 僕は術前と変わらず、朝食後は人気マン画にかじりついたふしだらな生活を送っている。KINDLEアンリミテッド様様だが、アマゾンに完全に支配された格好だ。KINDLEアンリミテッドには、オススメタイトルという機能がある。過去の検索履歴、同一カテゴリーを検索した他の方の検索履歴などから、オススメを列挙する機能だ。きっと、エロ漫画の購読後、ふと我に返って相場が気になる投資家がいるのだろう。僕のオススメタイトルには、みずほの菊地ストラテジストの本がよく出てくる。