長いことご無沙汰してしまっています。月刊誌並みの頻度。反省。


さて先日、米国comScore社より日本におけるSNSのトラフィックランキングが発表され、
各所でにわかに話題となっています(リンク:発表資料 )。

日本のFacebook訪問者数が1年で3倍に

ネット調査会社のcomScoreは8月7日、日本市場でのSNSサイトの調査結果を発表した。調査によれば、2008年の6月にmixiを訪問したユーザー数は1270万で最大。これは同期間に同社が把握しているインターネットの利用者数5371万6000人の23.6%に当たる。


Facebookも2007年6月の17万2000人から2008年6月には58万8000人と約3倍に伸ばしている。すでに老舗のGreeを上回っている。Greeは過去1年間で訪問者数を14%減らし、45万5000人となった。このほかの結果はMySpace.comが124万5000人、Orkutが63万8000人。


一方、1ユーザー当たりの1カ月間での総滞在時間で見るとOrkutが454分で最長。mixi(134分)やGree(130分)、Facebook(40.5分)などを圧倒した。調査は15歳以上のユーザーを対象として、自宅や勤め先からのアクセスを集計した。ケータイからのアクセスは数字に含まれていない。


Facebookは2008年5月に日本語サービスを正式にスタートしている。


@IT, 2008年8月8日(リンク:記事 ).



個人的な備忘録にはメモをしておいたのですが、
SNSというのはその性質上、他のサービスをアットするユーザーを多く集めると、
コミュニケーションの単なる「ツール」ではなく「インフラストラクチャー」と化します。


言語的に特殊な事情のある日本では海外サービスの参入障壁もあったせいもあり、
mixiというドメスティックなSNSが早くからデファクトスタンダードとなり、
コミュニケーションの「インフラ」となっているわけです。


comScore社の発表資料自体が、
「米国起源のFacebookが日本で利用者を伸ばしている」というスタンスで書かれたもので、
それゆえ前掲記事も「Facebook訪問者数が1年で3倍に」なんて見出しになっていますが、
それよりもmixiのひとり勝ち状況の方が、当然ながら見るべきポイントです。


では、「mixiひとり勝ち」という状況は他のサービスがことごとく負けに等しい、
かというと、そうではないと私は思います。
Orkutのユーザーあたりの総滞在時間が非常に長いことにも現れているように、
全体規模は到底mixiに及ばずとも、
そこでは非常に密なコミュニケーションが行われていると考えられるからです。


私は、いままで「SNS」として一緒くたにされていた諸サービスは、いまや
  コミュニケーションの土台として普遍化した「インフラストラクチャー」と、
  密度の濃い、あるいは特化型のコミュニケーションを図る「ツール」というふうに
審級が分かれたのではないかと思っています。


さてこうしたとき、両者には自ずと今後とるべき戦略が決まってくることでしょう。
「インフラストラクチャー」側はその規模を活かしオープン化を図るべきであり、
「ツール」はその独自の利便性を伸ばすべきです。


もちろん前者であるmixiはオープン化戦略をとることが大事で、その一方、
後者ではGreeならばモバイルに注力、Facebookなら海外の友人とのやりとりに特化、
といったように。


これは、あるいは東大情報学環の水越伸先生が言っている「メディア・ビオトープ」の
考え方に近いかもしれません。


全体として相補性をもって、各メディアがつながりあい(共生し)、
コミュニケーションスペースが構築されることは、ユーザーにもメリットが大きいと思います。


( 新井俊悟 trg

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