長いことご無沙汰してしまっています。月刊誌並みの頻度。反省。
さて先日、米国comScore社より日本におけるSNSのトラフィックランキングが発表され、
各所でにわかに話題となっています(リンク:発表資料 )。
個人的な備忘録にはメモをしておいたのですが、
SNSというのはその性質上、他のサービスをアットするユーザーを多く集めると、
コミュニケーションの単なる「ツール」ではなく「インフラストラクチャー」と化します。
言語的に特殊な事情のある日本では海外サービスの参入障壁もあったせいもあり、
mixiというドメスティックなSNSが早くからデファクトスタンダードとなり、
コミュニケーションの「インフラ」となっているわけです。
comScore社の発表資料自体が、
「米国起源のFacebookが日本で利用者を伸ばしている」というスタンスで書かれたもので、
それゆえ前掲記事も「Facebook訪問者数が1年で3倍に」なんて見出しになっていますが、
それよりもmixiのひとり勝ち状況の方が、当然ながら見るべきポイントです。
では、「mixiひとり勝ち」という状況は他のサービスがことごとく負けに等しい、
かというと、そうではないと私は思います。
Orkutのユーザーあたりの総滞在時間が非常に長いことにも現れているように、
全体規模は到底mixiに及ばずとも、
そこでは非常に密なコミュニケーションが行われていると考えられるからです。
私は、いままで「SNS」として一緒くたにされていた諸サービスは、いまや
コミュニケーションの土台として普遍化した「インフラストラクチャー」と、
密度の濃い、あるいは特化型のコミュニケーションを図る「ツール」というふうに
審級が分かれたのではないかと思っています。
さてこうしたとき、両者には自ずと今後とるべき戦略が決まってくることでしょう。
「インフラストラクチャー」側はその規模を活かしオープン化を図るべきであり、
「ツール」はその独自の利便性を伸ばすべきです。
もちろん前者であるmixiはオープン化戦略をとることが大事で、その一方、
後者ではGreeならばモバイルに注力、Facebookなら海外の友人とのやりとりに特化、
といったように。
これは、あるいは東大情報学環の水越伸先生が言っている「メディア・ビオトープ」の
考え方に近いかもしれません。
全体として相補性をもって、各メディアがつながりあい(共生し)、
コミュニケーションスペースが構築されることは、ユーザーにもメリットが大きいと思います。
( 新井俊悟
)
さて先日、米国comScore社より日本におけるSNSのトラフィックランキングが発表され、
各所でにわかに話題となっています(リンク:発表資料 )。
日本のFacebook訪問者数が1年で3倍に
ネット調査会社のcomScoreは8月7日、日本市場でのSNSサイトの調査結果を発表した。調査によれば、2008年の6月にmixiを訪問したユーザー数は1270万で最大。これは同期間に同社が把握しているインターネットの利用者数5371万6000人の23.6%に当たる。
Facebookも2007年6月の17万2000人から2008年6月には58万8000人と約3倍に伸ばしている。すでに老舗のGreeを上回っている。Greeは過去1年間で訪問者数を14%減らし、45万5000人となった。このほかの結果はMySpace.comが124万5000人、Orkutが63万8000人。
一方、1ユーザー当たりの1カ月間での総滞在時間で見るとOrkutが454分で最長。mixi(134分)やGree(130分)、Facebook(40.5分)などを圧倒した。調査は15歳以上のユーザーを対象として、自宅や勤め先からのアクセスを集計した。ケータイからのアクセスは数字に含まれていない。
Facebookは2008年5月に日本語サービスを正式にスタートしている。
@IT, 2008年8月8日(リンク:記事 ).
個人的な備忘録にはメモをしておいたのですが、
SNSというのはその性質上、他のサービスをアットするユーザーを多く集めると、
コミュニケーションの単なる「ツール」ではなく「インフラストラクチャー」と化します。
言語的に特殊な事情のある日本では海外サービスの参入障壁もあったせいもあり、
mixiというドメスティックなSNSが早くからデファクトスタンダードとなり、
コミュニケーションの「インフラ」となっているわけです。
comScore社の発表資料自体が、
「米国起源のFacebookが日本で利用者を伸ばしている」というスタンスで書かれたもので、
それゆえ前掲記事も「Facebook訪問者数が1年で3倍に」なんて見出しになっていますが、
それよりもmixiのひとり勝ち状況の方が、当然ながら見るべきポイントです。
では、「mixiひとり勝ち」という状況は他のサービスがことごとく負けに等しい、
かというと、そうではないと私は思います。
Orkutのユーザーあたりの総滞在時間が非常に長いことにも現れているように、
全体規模は到底mixiに及ばずとも、
そこでは非常に密なコミュニケーションが行われていると考えられるからです。
私は、いままで「SNS」として一緒くたにされていた諸サービスは、いまや
コミュニケーションの土台として普遍化した「インフラストラクチャー」と、
密度の濃い、あるいは特化型のコミュニケーションを図る「ツール」というふうに
審級が分かれたのではないかと思っています。
さてこうしたとき、両者には自ずと今後とるべき戦略が決まってくることでしょう。
「インフラストラクチャー」側はその規模を活かしオープン化を図るべきであり、
「ツール」はその独自の利便性を伸ばすべきです。
もちろん前者であるmixiはオープン化戦略をとることが大事で、その一方、
後者ではGreeならばモバイルに注力、Facebookなら海外の友人とのやりとりに特化、
といったように。
これは、あるいは東大情報学環の水越伸先生が言っている「メディア・ビオトープ」の
考え方に近いかもしれません。
全体として相補性をもって、各メディアがつながりあい(共生し)、
コミュニケーションスペースが構築されることは、ユーザーにもメリットが大きいと思います。
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