2018(平成30)年8月に見た 『琥珀』

浅田次郎原作のTVドラマです     制作はTV東京/東宝

昨年2017年9月に放映されました   1時間44分

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西田敏行演じる米田勝巳(60歳)は


                                       さしたる功績を挙げることも無く永年勤めあげてきた初老の刑事で、


定年を間近に控えています


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行きつけの喫茶店で偶然手にした小冊子

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そこに琥珀という喫茶店の記事を見たとたん

米田の表情は強張り

急遽、有給休暇を取り新幹線で富山県魚津市にある琥珀に向かいます

米田の手には

25年前の未解決事件、吉祥寺放火殺人事件の資料が握られていました

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富山県魚津市、富山県東部、富山湾に面した

人口42,000人(富山県7位)の立山連峰を借景にした町です

蜃気楼、ホタルイカ、立山黒部が観光のメインです

我々世代では

1958年(昭和33)夏の第40回大会の徳島商業(優勝)坂東と

延長18回引き分け、翌日再試合となった魚津高校、村椿投手(黒部市)との投げ合いが

魚津市の記憶として残っています

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定年4日前   米田は琥珀を訪ねます

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琥珀のマスター

荒井敏夫(寺尾聰)は、どこか物憂げで哀しそうな眼をした男でした

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ひなびた喫茶店に突如現れた客

そんな雰囲気の店に常連客平井幸子(鈴木京香)が入ってきます

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幸子は初対面の米田に

その席は私の席だと切り出すと、その場の雰囲気も和み

三人でひと時を過ごします

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幸子は港の漁協で働く人妻で琥珀の唯一の常連客でした

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矢継ぎ早な幸子の質問に

いつもは無口な米田ですがついつい

かって訪れた銀座の白馬という喫茶店と荒井に接点があることを知り

懐かしくなってここを訪れたと来店の動機を話しだします

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意気に感じた幸子は

米田の泊まる民宿を手配し

明日もこの店で会う約束をし店を後にします

コーヒー

すれ違いに若いカップルが琥珀に入ってきます

一人は交番勤務の依田悟志(工藤阿須加

小さな町で噂になるのを恐れ、ひなびた琥珀

格好のデートの場でした

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もう一人は町の洋品店に勤める敦美(川島海荷

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二人は地元を愛し、将来の夢を語りあっています

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部屋に戻った荒井は

仏壇の遺影、亡き妻、川俣佳子(須藤温子)に何か語りかけています

何かを悟った様子にも見えます

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コーヒーコーヒー

米田  魚津2日目  定年3日前

米田は幸子のいる漁協を訪ねたり

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衣類等の買い物をし、琥珀に向かいます

洋品店では敦美から、幸子の不遇な生活を聞かされます

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米田が琥珀に入ると幸子は既に来ていました

何が引き寄せるのか三人はカウンターを囲み興じています

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それぞれが訳ありのある大人三人

この日も幸子は旅びと、米田の過去を引き出させます

不器用な米田にも妻と娘がいました

あるとき米田は妻が自分を嫌っていると感じます

妻には男ができ好きな人がいる…と

米田は自分といるよりもと思い祝福し別れる決意をします

最後に妻にかけた言葉は

その男はお前たちをちゃんと食わしてくれるのか…でした

妻は幻滅して去って行った…と

風采のあがらぬ米田の過去でした

田舎町でひっそりと喫茶琥珀を営み何故か影のある店主、荒井

その荒井に心よせ通う人妻の幸子

互いに事情、訳ありの大人三人

傷をなめ合うかの沈黙が続きます

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その場の空気を払しょくするかのごとく

幸子が明日、米田をつれて三人で富山観光をしょうと提案します

琥珀の休業日(水曜)には部屋に籠り外出さえもしない荒井が参加に応じました

米田の出現に荒井は過去の覚悟を決めたのでしょうか

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コーヒーコーヒーコーヒー

米田  富山3日目   定年まであと二日

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童心に帰った3人は

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トロッコ列車に乗ったり

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小遠足の気分です

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甘いもの

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名物のソバ

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憩いのひと時

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こころから解放された一日を送ります

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幸子を自宅まで送った米田は

幸子の悲痛な叫びに振り返ります

そこには刃物を振りかざしている夫の武雄(管原大吉)の姿が

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武雄から刃物を取り上げ

幸子を救出した米田は駆けつけた警官に指図します

武雄は一晩留置所泊まりです

幸子は、米田が刑事であることを知り

琥珀のマスター荒木を追って魚津に来たことを知るのでした

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コーヒーコーヒーコーヒーコーヒー

米田   魚津四日目   定年まで1日

早朝、町を出ていく平井武雄の姿があります

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米田が琥珀に入ると幸子はもう店にいました

幸子が自らの過去を話しだします

平井武雄と幸子はかって恋仲でした

しかし漁師の武雄には新しい女が出来、別れ話の日に

幸子の運転する車が事故を起こし同乗の武雄が腰の骨を折る重傷を負います

負い目を感じた幸子は武雄と一緒になり生活を支えますが

不具者となった武雄は毎日酒に溺れる日々で

幸子に暴行を加えます

以降、武雄の幸子に対する執着心、猜疑心は募るばかりです

普段、明るく振舞う幸子ですが

家に帰ると武雄が何かにつけ幸子に辛く当たり

幸子にとっては地獄の日々の毎日でした

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幸子の話が終わると

今度は私の番ですね…と、マスターの荒井が話し出します

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必至に止めようとする米田

私は警察のものです、あと1日で定年だ

話は明日、聞こう…と

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荒井は、私も米ちゃんや幸ちゃんの友だちになりたい…

友達には聞いて欲しいとポツポツと話しだします

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私は両親を早く亡くし

親戚の家に引き取られました

中学を出ると東京の白馬という喫茶店に就職しました

田舎出の私にはコーヒーは未知の味と香りで

初めてお客にコーヒーを煎れた興奮は今でも覚えています

私は初恋をしました

同じ白馬に働く女性で、綺麗で可愛い人でした

私達は結婚し、子供には恵まれませんでしたが小さな家も持ちました

幸せでした

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しかし白馬が閉店し

私は新たな職を探さねばなりません

ある食品会社に入りましたが中卒での私には皆の目が冷ややかでした

それでも私には帰る家がありました

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しかし、あろうことか妻に好きな人が出来ていました

妻は水曜日に男に会いに出かけます

私は思い出の家を焼き捨てる覚悟をし灯油をまきマッチを擦りました

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燃え上がる火の中に妻の姿が見えました

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いないはずの水曜日に妻はいたのです

私の顔を見て、必死にごめんなさい、ごめんなさいと叫んでいます

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私は、自首すれば妻のことも話さねばなりません

妻とのことは誰にも話したくありません

私はこの現場から立ち去りました

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友達でいたいから

どうぞ私を捕えてくださいと…

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米田も、私は何も持っていませんよと困惑しています

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すると荒井は電話機を手渡し

通報を促すのでした

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米田からの一報を受けた駐在の依田

県警にそのことを伝え、琥珀に急行します

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店内には、訳ありの三人が語らっています

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富山湾の蜃気楼です

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呆気なすぎる幕引きでした


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