2018(平成30)年2月17日(土)

昨年前代未聞の公式戦

デビュー29連勝を成し遂げた藤井聡太五段が

今日、またしても歴史的快挙を成し遂げました

イメージ 10

朝日杯将棋オープン戦は

全プロ棋士160人アマチュア10人女流棋士3人の合計173人の棋士が

優勝を争うトーナメント方式です

持ち時間は各40分

持ち時間を使い切ると1手1分以内で指します

基本的に1日に2局対局します

本戦シードには8人、二次予選シードに16人と24名がシードされています

①前回ベスト4  ②タイトル保持者  ③永世称号者

④全棋士参加棋戦優勝者  ⑤前回の本戦出場者の順でシード棋士が決まります

1     一次予選

藤井聡太君は初出場ですから一次予選からのスタートです

16ブロックに分かれ二次予選進出16名を決めます

場所は関東は朝日新聞東京本社

関西は朝日新聞大阪本社と関西将棋会館で開催され

公開対局で行われます   昨年の2017年(平成29)6月17日が初戦でした

イメージ 1

4組には元名人谷川浩二九段が一次予選決勝まで

5組では加藤女王も3回戦まで進んでいましたが敗れています

イメージ 2

8組には藤井聡太五段の師匠

杉本昌隆七段も3回戦で敗れました

イメージ 3

11組には聡太君の30連勝を阻止した佐々木勇気6段が勝ち上がりました

この組の細川アマも2勝挙げています

12組は藤井聡太五段のゾーンで

初戦藤岡アマ、2回戦大石6段、3回戦竹内4段、決勝宮本5段を退ぞけ

二次予選進出を決めました

イメージ 4

一次予選には149名が参加し

各組1名、16名の棋士が二次リーグに進出します

イメージ 5

イメージ 6

2    二次予選です

シードされていた16名と一次予選を勝挙がってきた16名の棋士32名が

8ブロックに分かれトーナメントで8名の本戦出場者を決めます

イメージ 7

藤井聡太五段を含め一次予選突破者が

5名本戦出場を決めました  シード権者は3名が本戦進出です

イメージ 8

3  本戦シード者8名と勝ち上がってきた8名のトーナメントです

会場は東京と名古屋(東桜会館)に

2月17日(土)の準決勝、決勝の対局は

東京有楽町マリオン内有楽町朝日ホールにて公開対局されます

本戦シードの8名です

現役の8大タイトル保持者が多く錚々たるメンバーです

イメージ 9

8大タイトル保持者

竜王戦  読売新聞主催で優勝賞金4320万円と最も高額なタイトル戦で

 1986年まで行われていた十段戦を引き継いだ形で

1986(昭和62)に創設され

プロ棋士の他、女流棋士、アマチュアにも門戸が開かれている

唯一のタイトル戦です

現在の竜王は羽生善治九段(47歳)です  本戦シードされています

羽生善治9段は棋聖戦も制し現在2冠です

名人戦  朝日新聞、毎日新聞が主催で大和証券Gが協賛です

名人位は江戸時代から存在している歴史ある称号で

名人戦に挑戦するには全プロ棋士中、最上位にあるA級10名の

総当たり戦で優勝者が名人に挑戦します

現在の名人は佐藤天彦九段(30歳)です  本戦シードされています

王位戦  主催は中日(東京)、北海道、西日本、神戸、徳島の新聞社で

主催各地の購買エリア内のホテル、旅館を転戦します

現在の王位は菅井竜也7段(25歳)で

一次リーグから勝ち上がり本戦入り果たしています

王座戦  主催日本経済新聞

現在の王座は中村太地7段(29歳)今回一次リーグ決勝で敗れています

棋王戦  共同通信社主催

現在の棋王は渡辺明九段(33歳)本戦シードされています

王将戦  全棋士で争う棋戦です

現在の王将は久保利明九段(42歳)本戦シード者です

今年度新たにタイトルに加わった叡王戦

今年の5月に新叡王が誕生します

この錚々たるメンバーから4名の棋士が勝ち上がりました

イメージ 11

何と藤井聡太五段の名もあります

本戦2戦目で佐藤天彦名人を降してのベスト4です

順決勝戦2組  同時刻開始です

世紀の注目は羽生善治(47歳) VS 藤井聡(15歳)戦でしょう

夢の対決がこれほど早く実現するとは思いもよらなかったです

イメージ 12

羽生善治

今までの8大タイトル戦のタイトル保持歴です

竜王  7期(歴代2位)で 永世竜王の称号をもらっています

名人  9期(歴代3位)  永世名人

王位  18期(歴代1位)  永世王位

王座  24期(歴代1位)  名誉王座

棋王  13期(歴代1位)  永世棋王

王将  12期(歴代2位)  永世王将

棋聖  16期(歴代1位タイ)  永世棋聖

もう一つのタイトル戦、叡王戦は今年度新たに創設されたタイトルです

将棋界初の七冠、初の永世七冠

そしてタイトル通算99期歴代1位)とは稀有の天才将棋棋士です

今年の2月13日(火)には

囲碁界の井山裕太七冠と共に国民栄誉賞を授与しました
 
イメージ 35

先手番は藤井聡太五段

公式戦は初対局ですが既に非公式戦で2戦し1勝1敗の五分の戦績です

王を囲った羽生竜王に聡太君が攻勢をかけ

両者持ち時間を使い切った場面でコンピューターでは互角の表示です

イメージ 13

公開対局で双方の顔も近いですね

観戦料SS席9800円 S席8300円 A席6600円 B席4000円の指定席全て完売

対局解説会観覧席(自由席)3000円も完売です

イメージ 14

藤井聡太五段が119手で勝利しました   12:30分

イメージ 15

感想戦に応じるお二人と

今日の解説者山口恵梨子女流2段と佐藤天彦名人

イメージ 16

まさかまさかの大波乱

イメージ 17

将棋の天才羽生善治神の子藤井聡太が破りました

イメージ 18

もう一つの準決勝戦は

104手で広瀬8段(31歳)が久保王将(42歳)を破り決勝に進出しました

イメージ 19

決勝戦は14:30分

振り駒の結果、またしても藤井聡太五段先手番です

イメージ 20

解説席にはゲストが頻繁に登場します

午前の羽生、藤井戦では聡太君の師匠杉本7段や加藤一二三さんも招かれていました

イメージ 21

的確な佐藤名人の局面解説

豪華なゲストの来場で解説場は盛り上がります

準決勝で広瀬8段と対戦した久保王将も顔を見せました

イメージ 22

ハプニングです

デジタル時計が正確に機能していません

イメージ 23

アナログ時計に替わりました

イメージ 24

羽生さんも登場です

イメージ 25

今回も仕掛けたのは聡太君

イメージ 26

大駒を捨て果敢に攻めますが

相手に駒を渡し、攻めが途切れれば墓穴を掘ります

イメージ 27

ゲストが将棋連盟の佐藤公康会長です

持ち駒はありませんが広瀬8段の王様は裸です

CP上では聡太君優勢です

イメージ 28

藤井聡太五段大優勢です

イメージ 29

藤井聡太五段117手で勝利の瞬間です  16時28分

藤井聡太5段プロ入り初優勝です

イメージ 30

感想戦

イメージ 31

初対局の広瀬8段にとって

藤井聡太五段の意表とも思える早めの仕掛けに防戦の一方でした

イメージ 32

この勝利、初優勝で

全棋士参加の棋戦においての優勝者は昇段という規定にのっとり

※(朝日杯将棋オープン戦、銀河戦、NHKの3つ)一段昇段です

既に2月1日に順位戦C2級9戦全勝でC1級に昇級を確定し

4段から5段に昇段

その5段も僅か16日間で6段に昇段です

イメージ 33

棋戦での最年少優勝記録は

昭和30年(1955年)の加藤一二三さんが 『六、五、四段戦』 で

優勝した15歳10か月でしたが

聡太君が15歳6か月で優勝し実に63年ぶりに記録を更新しました

また6段昇段も加藤一二三さんの記録を

62年ぶりに更新し初の中学生6段棋士の誕生です

ちなみにこの朝日将棋トーナメントの優勝賞金額は750万円です

会場は600名のファンで超満員です

イメージ 34

これで藤井聡太君の通算成績は66勝11敗(勝率8割5分7厘)

今期の成績は55勝11敗(8割3分3厘)

神の子としか表現のしようがありません

凄いことです

イメージ 36

この日は平昌(ピヨンチャン)冬季五輪でも

羽生結弦選手が男子フィギュアスケート個人の部で

ソチ大会に引き続き連覇しました

今大会、日本勢初の金メダルです

イメージ 37



神の子の一日でした