2016(平成28)年12月

12月4日(日)松阪市飯高町で

第22回オーヅ会があり 『秋刀魚の味』 が、上映され

観賞してきました   上映時間113分

映画 『 秋刀魚の味 』 は、昭和37年(1961)に

松竹が制作、配給した日本映画で

小津安二郎監督は,この翌年の昭和38年12月12日

自身、満60歳の誕生日に亡くなり、この作品が遺作となりました

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この作品は、妻に先立たれた初老の父親が

婚期を迎えた娘との関わりを細かに描いた作品です

サラリーマンの父親、平山周平を演じるのは笠智衆

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長男の幸一(佐田啓二)は既に所帯を持ち

妻、秋子(岡田茉利子)と共稼ぎで団地住まいです

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今年24歳になる娘の路子(岩下志麻)

勤めに出ながら

父と学生の弟の身の回りの世話を焼いています

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末っ子の和夫(三上真一郎)は、まだ学生です

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中学校の同窓会のあった二次会

周平は日頃から、気の合った河合、堀江と共に

なじみの小料理屋に寄ります

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河合秀三(中村伸郎)

周平の娘、路子の勤める会社の上司で

周平に、早く娘を嫁にやれとおせっかい忠告をします

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堀江晋(北竜二)

最近、若い奥さんをもらったばかりです

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同窓会で機嫌よく酒を飲み

二次会にも顔を出したヒョータンこと佐久間清太郎(東野英治郎)先生

それにしても底なしの呑兵衛ですね

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堀江には奥さん、タマ子(環三千世)がお迎えです

もうデレデレですね

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しこたま飲んだヒョータンを周平と河合が自宅まで送ります

君たちが羨ましいと言ってはクダ巻いた先生の家は

場末の歓楽街の中華屋さんでした

出向かえたのは一人娘の伴子(杉村春子)

父の世話をしているうちに婚期を逸し独り身で老いた父と暮らしています

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この当時の恩給は低かったのでしょうか

先生を送り届けた後

3人はいつもの小料理屋に集まります

おや、今日は堀さんはどうされたの…顔なじみの若松の女将(高橋とよ)が尋ねます

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周平は

堀君は若い細君をもらって張り切りすぎぽっくり逝ってしまったよ

今夜はその段取りで来たんだョ…と

そこに遅れた堀が入ってきました


3人は記念品にと言って先生にカンパすることで話がまとまり

周平が届ける役目となりました

周平が佐久間先生のソバ屋を訪ねると

奇しくも戦時中、同じ駆逐艦に乗っていた男と出合いました

男は坂本芳太郎(加東大介)といい

今は中古自動車の会社をやっています

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坂本に誘われるまゝ周平は

坂本の行きつけのバーに入ります

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周平も酒がグイグイ進みます

ママ(岸田今日子)も出勤してきました

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坂ちゃん、いつものアレょねとママからのリクエスト

艦長に敬礼

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嬉しそうに応える周平

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軍艦マーチの曲に合わせ闊歩する坂本

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応えるママ

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気持ちよく飲んだ酒で

周平の頭の中にはうつろながら

あのママは死んだ女房に雰囲気が似ていたなーと思うのでした

カチンコ

娘の結婚のことも

考えたことはあっても、積極的に動こうとしなかった周平でしたが

佐久間先生父娘の現況を見て

重い腰も動き出しました

周平が路子の結婚のことを切り出すと

路子は周平が真剣であることが分かると、妙に腹が立ってき

今までほおっておいて急に言い出すなんて勝手すぎるというのでした

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長男の幸一に相談し

路子の思う人はいないのかと聞きますが、幸一には分かりません

末っ子の和夫が、姉さんなら

兄さんの後輩の三浦豊(吉田輝雄)さんに好意を持っていそうだというのです

幸一は吉田を呼び、直に話を切り出しました

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吉田は、先輩今になってそれはないでしょう

路子さんの結婚はまだまだだと思っていたので

僕は諦め、会社の女の子にプロポーズしたばかりですよ

酷な話ですよと…言われるのでした

周平と幸一は二人で路子を呼び

吉田との経緯を話しました

二人は吉田のことは諦め、河合の勧めてきたお見合いに

路子が出向くように説得するのでした

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気丈な路子は分かりましたと答え

二階に上がります

二人は路子が納得したと安堵しますが

二階から降りてきた和夫が

姉さんが泣いていたよと告げるのでした

カチンコ  カチンコ

この縁談は河合の家内のぶ子(三宅邦子)が持ってきた話でした

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周平は河合の家に向かいます

先客に堀江が来ていました    二人で囲碁を打っています

周平は路子の縁談を進めてほしいと言いたいのですが…

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堀江は周平がぐずぐずしているので

先方とは自分の助手の妹と先週見合いをさせたというのです

一瞬、青ざめる周平ですが

奥さんが助け舟を出しました

マァマァ二人とも、事前に相談してそんなお芝居を打ってと、とりなすと

堀江は、お前だって俺を殺したじゃないか

お弔いの花の相談までしてと、笑い飛ばすのでした


結婚当日です

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きれいな花嫁さんですね

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言葉はいりません

ウン、そう、アァ…笠智衆節で充分ですねー

秋刀魚の味、どこにも秋刀魚は画面に出てきませんでした

周平の、初老の父親の

人生の秋を描いた作品でした