2015(平成27)年11月9日(月) くもり

不毛地帯、原作は

1973(昭和48)年から1978(昭和53)年にかけサンデー毎日に連載された

山崎豊子氏の小説です

連載中に偶然ロッキード、ダグラス.グラマン事件があり

話題となりましたが、この作品はフィクションです

主人公の壹岐正(いきただし)、帝国陸軍中佐は

伊藤忠商事の元会長、瀬島龍三氏がモデルと言われますが

作家、山崎氏によれば、複数のイメージ上の人物であるとのことです

1976(昭和51)年、前半部分が映画化   山本薩男監督、主演仲代達也

1979(昭和54)年に毎日放送、TBSにて連続TVドラマ化、主演は平幹次郎

今回のTV連続ドラマ化は

2009(平成21)年フジTV開局50周年として唐沢寿明を主演とし

この不毛地帯3度目の映画、ドラマ化です

陸軍士官学校を首席で卒業した壹岐正(いきただし)=唐沢寿明

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第二次世界大戦では軍の最高総統機関大本営の参謀として

作戦に当たってきた壹岐(いき)陸軍中佐でしたが

昭和20年(1945)年8月15日  終戦を迎えました

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日ソ中立条約を無視し8/9侵攻してきたソ連軍に対し

あくまでも徹底抗戦を主張する関東軍を説得するため、壹岐は満州に向かいました

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新京の満州関東軍総司令部です

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そこで関東軍の幕僚、谷川正治(橋爪功)らと共に拘束され

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ソ連軍の軍事裁判にかけられ

強制労働25年を言い渡されシベリア極北の収容所、ハバロフスクへ送られ

ハバロフスク~ダイセット~ラゾへと収容先を変わるのでした

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生死をさまよう過酷な捕虜生活を11年間耐え壹岐は

昭和31年(1956)日本の土を踏みます

それからの2年間、壹岐は

強制労働で蝕まれた体の回復と、シベリヤ帰還の

かっての部下たちの就職に奔走し

家計を支えたのは妻の佳子(和久井映見)でした

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長女、直子(多部未華子)、長男(高橋平)

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そんなある日、士官学校での親友

今は防衛庁の空将補、川又伊佐雄(柳葉敏郎)が訪ねてきました

川又は防衛庁に誘うのでしたが

壹岐は、自らかかわった作戦で多くの兵士や人々を死なせてしまった責任から

もはや自分には国防に関わる資格はないと答えるのでした

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壹岐は部下の就職先もめどがつき

かねてから誘われていた近畿商事に入ることを決意します

近畿商事は繊維が主な商社ですが

日本経済の重工業化、国際化に目を見据え人材を欲していました

社長の大門一三(原田芳雄)と会った壹岐は

軍人時代のコネや肩書を利用しないことを条件に入社し

社長室嘱託として繊維部に配置されるのでした

(伊藤忠商事の越後正一氏がモデルか)

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ある日、壹岐の許に秋津千里(小雪)という女性から手紙が届きます

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千里は、大陸鉄道司令官、秋津紀武(中村敦夫)の娘でした

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秋津や壹岐はシベリア抑留中、ソ連側の証人として

天皇に戦争責任があったと証言させられようとしていました

秋津は断固それを拒み、裁判前夜自決した人物でした

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父の話がききたいという千里に会うため壹岐は京都に向かいます

千里は父の大切にしていた青砥の香炉に魅せられ

陶芸を志していました

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その際、千里から兄の清輝(佐々木蔵之介)が

ルソン島で多くの部下を死なせてしまった責任をとり

仏門に入り厳しい修行を続けていると聞かされるのでした

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そのころ日本の有力商社は

防衛庁の第二次防FX、次期主力戦闘機の受注を巡り

水面下で激しい戦いを繰り広げていました

航空機部を置く、近畿商事東京支社、支社長里井達也常務(岸部一徳)は

劣勢を跳ね返すには切り札として

川又ら防衛庁空爆中枢部に強いパイプを持つ

壹岐が必要だと大門社長に迫るのでした

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次期主力戦闘機の受注が官僚と政治家の利権に利用されていること知った壹岐は

自ら東京支社航空機部への移動を申し出るのでした

次期主力戦闘機の有力候補は

近畿商事の推すラッキード社のラッキードF104と

東京商事が推すグラント社のスーパードラゴンF11の二社でした

ところが東京商事航空機部の鮫島辰三(遠藤憲一)の裏工作により

グラント社のスーパードラゴンが優位な状況下にありました

(日商岩井、現在の双日…海部八郎氏がモデルか)

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どうやら鮫島は防衛庁内官房長の貝塚道生(段田安則)を懐柔し

ラッキード社製の優秀性が記載された自衛隊の報告書を貝塚の手により

握りつぶされていることを知るのでした

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防衛庁内でも実践派の川又らはラッキードを推すのですが

貝塚官房長は川又を西部航空方面隊に左遷するという手段をとるのでした

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政治家も絡んできます

自由党総務会長、反総理派  大川一郎(佐々木敏)  (河野一郎氏か?)

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総理側近、経済企画庁長官  久松清蔵(伊東四朗)   (迫水久常氏か?)

金と利権の絡み合いです

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それを報道する側の人間として

毎朝新聞政治部記者、田原秀雄(阿部サダヲ)も絡んできます

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東京商事鮫島=防衛庁貝塚官房長➟総理への金の流れです

この賄賂(G資金)の流れを暴露するため

壹岐は防衛庁の機密文書である

スーパードラゴンの価格見積表を手に入れることを画策します

壹岐の部下、元防衛庁出の小出宏(松重豊)は

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壱岐の親友、川又の部下である芦田国雄(古田新太)から

情報を盗み出します

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これにより一発逆転かと思われた矢先

米国内において試乗中のラッキードF104が墜落事故を起こしてしまいました

この情報をキャッチした東京商事の鮫島は

毎朝新聞の田原に情報をもらします

明日のトップニュースと張り切る田原に上層部から待ったがかかります

事故原因の時間を稼ぐために、政治家久松を動かしたのは壹岐でした

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壱岐はこうなれば米ラッキード社の社長

直々の訪日が必要だと説き

日本において事故の報告を記者会見の場で披露しました

代表直々の事故解明報告により

ラッキード社に世論は後押しです

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防衛庁内の機密漏えい事件で芦田が捕まり、自供により

近畿商事の小出も捕まりました

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小出はトカゲの尻尾切りを否定、この事件の真相は

全て壹岐の指揮の許に動いたと自供します

壹岐も任意出頭で取り調べられますが

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あくまでも会社を守り通すため機密文書の所在等を否定するのですが

近畿商事内では社長の大門と常務の里井が

機密文書の捜査局への提出

事件のもみ消しへと政治家との闇取引に乗り出し…

防衛庁内の機密漏えいで事を済まし

次期主力戦闘機はラッキードF104に決定しました

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防衛官房長の貝塚は煮え湯を飲まされたものの

政治決着で次期次官への内諾を得、悪は滅びません

機密文書を部下に盗まれた川又はまたしても左遷です

川又が壹岐の自宅を訪ねてきました

壱岐は自分の取った行動により川又の窮地を謝るのでしたが

川又は、自衛隊の希望する機種が選ばれたことに

感謝している、痛快な思いだと二人で酒を酌み交わすのでした

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その夜、自宅に向かうはずの川又は列車自殺をしました

壹岐は商談と引き換えに大切な友人を殺してしまったと思うのでした

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大門社長に呼ばれました

今回の次期戦闘機納入の件での最大の功労者は壹岐君だ

何でも望みの物を言ってみなさい、かなえてあげる…。と

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壹岐は辞職させてくださいと申し出るのでした

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(1~4話迄です)