2015(平成27)年9月24日(木) 雨

9月に見たDVDです

宮城みゆき氏原作、長編推理小説(新潮社)の映画化で

学校内で発生した同級生の転落死を

生徒のみの校内裁判で追及しようとする中学生たちを描いています

映画は前編、後編の二部作からなり

前編事件は2015年(平成27)3月7日、後編は同年4月11日に

松竹にて公開されました

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この作品で主要な役となる

生徒役の出演者(33名)は

10,000人にも及ぶオーディションにより選ばれました

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物語は38歳の女教師中原涼子(旧姓藤野)=(小野真知子)が

母校の中学校に赴任することが決まり母校に挨拶に伺ったところから始まります

新任校長、上野素子=(余貴美子)の求めに応じ

同校で今でも伝説となっている

23年前、涼子が中心となって行った校内裁判の顛末を語り始めるのでした

舞台は東京の城東区(実際は江東区がモデルです)

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バブル崩壊直前の1990(平成2)年

大雪が降ったクリスマスの朝、2年A組の涼子と野田健一=前田航基は

校舎脇で雪に埋もれた同級生の柏木卓也=望月歩の遺体を発見します

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藤野涼子=藤野涼子役で初デビュー、芸名も役名と同じ藤野涼子としました

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野田健一  小説では野田健一が国語の教師として母校に赴任してきています

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卓也の死は屋上からの飛び降り自殺と断定されました

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ところが刑事を父に持つ涼子と学校あてに

卓也は自殺ではなく大出俊次ら3人の不良グループに

殺されたという告発状が届きます

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大井俊次=清水壽也

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当時の津崎校長=小日向文世は

担当刑事の佐々木礼子と話し合い

カウンセリングと称して差出人を特定しようとします

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佐々木礼子=田畑智子

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告発状の送り主は同級生の

三宅樹里=石井杏奈と 浅井松子=富田望生でした

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樹里はそのニキビ顔から大出達にいじめを受け

その恨みを根に持つ子でした

松子は樹里の大の親友で常に樹里の行動に付き従う心優しい子でした

涼子もこの二人が大出グループに暴力を受けているところを

目撃したことがあります

怖くて見て見ぬふりをしていましたがそれを亡くなった卓也に見つかり

学級委員として日頃いじめ廃絶を訴えながら

行動しない今の態度は口先だけの偽善者だと罵倒され

今でもその言葉が気に病むのでした

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ところがこの告発状は担任の森内恵美子=黒木華の許にも送られ

担任の教師がもみ消すため破り捨て、その証拠としてTV局に持ち込まれたと

大々的に報道されてしまいました

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犯人と名指しされた大出俊次らは不登校となり

担任の森内は告発状の受け取りを否定するものの

マスコミや職員室での追及に耐え切れず退職

佐々木刑事のアドバイスで調査会社に依頼し

同じマンションの住人が郵便物を盗んだことを突き止めるのでした

学校側でも調査を進め

保護者会で告発状が虚偽のものであることを警察と共に発表するのでした

母親からこのことを聞いた松子は

慌てて家を飛び出し、樹里の家に向かう途中

運悪く車にはねられ死亡してしまいます

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樹里はショックで声がでなくなり津崎校長は一連の出来事の責任を取り辞任

問題が大人たちの思惑でうやむやになっていく中で

涼子たちは3年生に進級するのでした

しかしマスコミの興味本位の報道に振り回され

一向に明らかにされない真実に業を煮やした涼子は

自分たちの力で真相を追及しようと決意するのでした

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涼子は漠然たる自分の気持ちを親にぶつけます

当初は反対だった父母もようやく応援するようになってきます

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涼子の父、刑事

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涼子の母

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涼子は卒業制作として、あの事件の学校内裁判をやろうと決意し

皆の賛同を得ますが

反対する教師の多い中、一人賛成する北尾教師の力を得て

学校内裁判の準備に取り掛かります

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北尾教師=松重豊

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大出俊次らは柏木君を殺していないのは明白であったものの

疑う者も多く、その汚名を晴らそうと

涼子は大出の弁護人に名乗り出ました

裁判は陪審員制となり、裁判官、弁護人、陪審員が次々と生徒間で決まり

唯一、検察官のみが決まりません

そこに城東中学校ではないものの

亡くなった柏木君とは小学校時代の友人だったという

神原和彦が現れ、弁護人を志願したため

涼子はしぶしぶ検察官の任に就くのでした

弁護人の神原和彦=板垣瑞生

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裁判官はクラス一の秀才、井上康夫=西村成忠が担当

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人物相関図です

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学校内裁判は

夏休みを利用しての8月15日に決まりました

それまでに証言や資料、記録、参考人招致等、全て生徒たちの力で集めます

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主演はスーパー中学生

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生徒たちを取り巻く

大人たちです

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裁判開廷は8月15日から5日間に渡り行われます

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体育館内は慣れぬ場面に

騒然となりますが亡くなった浅井和子の父親の一言で落ち着きます

俺は松子の真相を知りたいのだよ

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ここにたどり着くまでのいきさつは大変でした

特に被告人となる大出君を出廷させるための弁護人神原君

暗い自分の過去をさらけ出し

大出君に出廷を促す正義感には共鳴を覚えました

神原君の父は酒を飲むと人が変わり、誤って母を殺してしまい

それを後悔して自殺した父…

今は養父母の許で暮らしていると自身の生い立ちを隠しもせず話す神原君

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そして、告発状を書いたとされる樹里

樹里の母親は娘の行動をうすうす気づき

娘にこの裁判への出廷を止めるように諭すのでした

母親役の永作博美

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元担任教師であった森内は

自分を陥れたマンション隣人の逆恨みを受け

傷を負っての出廷です

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裁判は続きます

証人として出廷した樹里はこの場でも嘘の証言をします

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出廷してきた大出君

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皆が見守る中、校内裁判は進みます

元校長

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松子の御両親です

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樹里の母も傍聴しています

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検察官の涼子は亡くなった

柏木君の行動を洗い出しています

柏木君とその親友、神原君の関係も…

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結論を急ぎます

どうやらこの事件の真相は

亡くなった柏木君の性格が起因していそうです

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柏木君の性格は難しいですが

涼子にも指摘したように正義感にあふれるかと思うと

動物の気持ちを察したり

唯一の親友、神原君に対しても

親友の度合いを確かめるという強迫じみた行いをする

正義感と優しさ狡猾さを持ち合わせた

感受性が異常に高い少年でした

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この事件の真相は

柏木君の自愛が引き起こした

自作自演の自殺であり

それに便乗し、大出グループにいじめの仕返しをと告発状を送った

樹里の行動が事件を複雑にしたものでした

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それに巻き込まれた

当時の校長、担任の森内教師

最大の元凶はいじめ問題かもしれません

また成長、思春期の若者の不安定な心

社会問題への提起です

一番、罪のない心やさしい松子が帰らぬ人となってしまいました

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裁判では松子に罪を擦り付けようとし

真相が暴かれ松子の良心に泣いて詫びを入れる樹里

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熱演でした

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映画の公開に向けレセプションも開催されました

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成島出監督

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原作者の宮部みゆき氏

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これからの作品が楽しみな

主演の藤野涼子さん

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それと担任教師役の黒木華さん

応援したいですね

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有難うございました