2015(平成27)年2月9日(月)
 
高麗の始祖、父王建の後を継いだ兄、二人が若くして病に倒れ
 
思いもかけず三男ワンソが高麗第4代王につきます
 
光宗(クァン、ジョン)の誕生です
 
949年、ワンソ25歳、若き王です
 
イメージ 1
 
テモク王妃
 
イメージ 2
 
光宗は新朝廷の人事に取り掛かります
 
政権の軸、持中には豪族の中でも最大の勢力を誇り
 
光宗擁立に尽力した平洲のパク、スギョンを任命します
 
イメージ 3
 
また持中の息子、長男パク、スンフィには内奉省令として朝廷の一員に
 
イメージ 4
 
次男スンギョンと三男スンレには徇軍部(王都軍)の将軍&副将として厚遇するのでした
 
イメージ 5
 
しかし光宗は太子時代から仕えていた
 
チャン、ダンソルとイ、モンユさらには友ユ、シンソンを
 
官位は低いながらも手元に呼び戻しています
 
左よりチャン、ダンソル   中央ユ、シンソン   右イ、モンユ
 
イメージ 6
 
さらにテモク妃の兄ワン、ウクも朝廷の一員として招き入れています
 
テモク王妃の母、シンジョン王妃とその子ワン、ウク
 
イメージ 7
 
新国王となった光宗は周囲の期待に反し
 
旧臣の豪族に媚を売り機嫌取りに奔走します
 
新たに功臣殿を建立し、かっての偉業を労いたいとの王の申し出です
 
また王自身は
 
気心の知れたユ、シンソンやチャン、ダンソルを招いては酒宴を開き
 
趣味の撃毬(キョック=乗馬してのホッケー競技)に興じています
 
このような状況に不安を抱いた僧、キュニョは王に拝謁しその真意をただします
 
イメージ 8
 
光宗の本意は王権国家でした
 
だが今の現状では旧臣の豪族たちの勢力が強すぎ
 
自身は力のない王を演じているのだとのことです
 
しかし光宗の思惑は水面下で進行しています
 
功臣殿利用のための2000人とも3000人ともにのぼる功臣の
 
序列を定め、名簿を作り今までの徴収逃れの税負担の基礎を準備しています
 
また、西京の執政ワン、シンニョムの弟ワン、ユク(ミン、ウク)を
 
兵部令(全国の地方軍)として軍の中心に据え置き
 
豪族からの軍権画策を任せています
 
撃毬(キョック)は勇壮なる戦士の発掘でした
 
イメージ 9
 
王の真意を質した僧キュニョは
 
民の暮らしぶりを自身の目で確かめられたらと直言するのでした
 
身を隠しわずかな伴を従え
 
お忍びの視察に繰り出します
 
イメージ 10
 
ある日、高麗一の港町、礼成江(イエソンガン)に出かけた一行は
 
多くの高麗の民が奴隷として中国に売られてゆく様にくぎ付けになります
 
イメージ 11
 
光宗はその実態を知ろうと執拗に探りますが
 
密貿易の一味から怪しまれ襲撃を受けます
 
逃れ着いた先が礼成江でも一番の妓楼でした
 
そこで光宗は妓房の女主人チョ、ソンと接主に会います
 
イメージ 12
 
どうやらこの二人は元は百済の豪族であったらしく
 
今では高麗一の商団(松都)を率いています
 
光宗はこれを機に身分を偽りこの妓楼に出入りし
 
二人から中国や地方豪族の情勢、市中の民の暮らしなどを聞きただします
 
一方、僧キュニョはタンムン和尚の山寺で飢えた人々に
 
炊き出しの振舞いをし救済の手を差し伸べています
 
妓楼の大夫人チョ、ソンは世間から行き仏と崇められている
 
キュニョに対面し資金の提供を約束するのでした
 
王宮内では
 
テモク妃が中心となり光宗の第二夫人となった
 
キョンファグン妃とその弟フンファ君と
 
先大王の子、キョンチュンウォン君を宮殿に迎え入れました
 
イメージ 13
 
またテモク王妃が待望のご懐妊です
 
イメージ 14
 
王位を継承して5年
 
光宗の改革は水面下で徐々に浸透してきています
 
この年、高麗国では雨の続く日が多く
 
僧キュニョが光宗王を招き祈晴祭が執り行われました
 
イメージ 15
 
渾身の力でお祈りするキュニョの心が
 
天に届いたのか仏の願いが通じたのか不思議なことに雨雲が去り
 
太陽が現れます
 
この場面にたまたま山寺を訪れた
 
妓楼のチョ、ソン主従はワン大公が国王であることを知ります
 
翌、955年
 
大望の男子の誕生です(ワンユ、後の5代国王景宗、キョンジョンです)
 
イメージ 16
 
7年目、遂に光宗(クァンジョン)は正体を現します
 
長い年月をかけ内軍(朝廷内の身辺の軍)を王の忠臣で固め
 
兵部令(地方軍)のワン、ユクは各地で志願兵を募り豪族たちの軍力を低下させ
 
内軍と王都軍の統一を宣言します
 
(豪族が王都を守るため出軍していた王都軍を廃止し内軍に統合してしまいます)
 
更に追い討ちをかけるかのように豪族たちの
 
自己申告の納税を徴税に切り替えです
 
今までの媚びへつらう王とは様変わりです
 
ただ用意周到であったため、どの豪族もき気づくのが遅れました
 
イメージ 17
 
憤りを抑えきれず豪族たちの間では不満も勃発です
 
中でも最大の豪族平洲の
 
持中パク、スギョンは朝廷に出仕しません
 
イメージ 18
 
三人の息子は国王すげ替えの策を練ります
 
イメージ 19
 
彼ら平洲出のパク一族にとって
 
担ぎ出すのは平洲出のヒョウン太子でした
 
イメージ 20
 
956年、折しもこの年、中国後周から船が着き
 
後周建国の礎を築いたサンギなる人物が乗っていました
 
サンギは知恵者でしたが
 
今の後周では干された存在で彼自身も躍動の場を求め
 
光宗にとっても追い求めた人物との遭遇です
 
イメージ 21
 
相対した二人の巨頭は
 
相通じるものを感じたのかサンギは帰国の途を閉ざし
 
高麗国に身を捧げる決心をします
 
帰化したサンギが光宗に進言した策は奴婢開放でした
 
光宗が宣言します  956年
 
天地開闢の妙案、奴婢按検法の発布です
 
これには朝廷内の大臣(殆どが豪族)が、こぞって反対です
 
当時この国の奴婢の数はおおよそ国民の半数
 
半島統一の後、捕虜になった新羅、百済の民を各豪族に奴婢として
 
配分されたのが素となり豪族が私有財産化されていたのが現状でした
 
民を開放し
 
豪族の力をそぐまさに一挙両得の妙案です
 
イメージ 22
 
出仕しない持中パク、スギョンを更迭し
 
新持中にワン、ハムミンを任命
 
風見鶏で能力のないことを光宗は見抜いています
 
イメージ 38
 
内装省令パク、スンウィ(持中のパク、スギョンの長男)の後釜に
 
直臣のユ、シンソンを任じ
 
イメージ 23
 
忠臣のダンソルには軍部卿を任じるのでした
 
イメージ 24
 
同じく忠臣のイ、モンユはダンソルの直属の将として軍をにないます
 
イメージ 25
 
遂に光宗は政権の中枢、軍部までも手中に収め
 
王権国家のスタートを切ります
 
帰化したサンギも朝廷内の大臣待遇で任じ
 
光宗王のブレインが勢ぞろいしました
 
イメージ 26
 
ついに平洲パク三兄弟はかねてからの陛下討伐に兵を動かします
 
老臣を率いての光宗の狩猟日をターゲットにクーデターを画策します
 
光宗側もパク三兄弟の動きをキャッチしています
 
反乱途上、この計画が漏れていることに気付いた
 
平洲パク三兄弟は狩猟の護衛に来たと言い逃れを図ります
 
王の許可もなく兵を動員し
 
確たる反逆の証拠があるのに光宗は三兄弟の追求を止め
 
彼らに追従した平洲の豪族(朝廷内の大臣)二人を見せしめに
 
捕らえ自白を強要するため拷問を強行します
 
イメージ 27
 
かってないほどの残虐な拷問ですが二人は罪は認めたものの
 
主犯者の名は口を閉ざしたまま死にます
 
イメージ 28
 
王のブレインが揃って反乱の罪を問うべきだと
 
進言するのですが光宗は動きません
 
平洲のパク一族には王都追放
 
弟のヒョウン太子にはお咎めなしの情けある措置でした
 
王都を去り、故郷平洲に帰るパク一族です
 
イメージ 29
 
またヒョウン太子も
 
政争に巻き込まれる不安から母の里である平洲に身を置きます
 
(この太子はこの辺りが一本抜けているように思います)
 
さて次のサンギの打った手は
 
朝鮮史上、燦燦たる輝きを放つ科挙制度の導入です
 
官僚になるための試験で
 
中国では598年~1905年まで(随~清)おこなわれ制度で
 
この科挙の導入を958年に
 
光宗は実施しています
 
今までは、豪族、王族であればその家柄、血筋だけで
 
官僚にも武官にも成れたのですが
 
廃止し、試験に通ったものだけを採用するという画期的な制度です
 
民には門戸が拡がり
 
豪族の既得権が無くなります
 
これも光宗にとっては一挙両得の施行です
 
ふれを見て国王陛下、万歳と叫び出す人もいました
 
イメージ 30
 
さて帰化したサンギですが
 
彼と妓楼の大夫人はかって親同士が決めたいい許嫁でした
 
このことを知った国王光宗は
 
二人を祝福し王妃と共に仲立ち人として二人を祝します
 
イメージ 31
 
958年
 
初の科挙が実施されました
 
光宗在位9年  34歳です
 
イメージ 32
 
宮廷も落ち着きを取り戻しています
 
左より後姿がテモク王妃
 
テモクの母、シンジョン王妃ファンボ氏
 
水色の衣装がヒョウン太子の母トンヤンウォン夫人
 
第3国王、ワンヨの第2夫人ムンソン妃
 
右が光宗の第2夫人、キョンファグン妃です
 
イメージ 33
 
そうそう今回のはまり役は
 
ワン、ユク兵部令ですね、あの西京の将軍、執政にまで上り詰め
 
兄のワンヨを苦しめたワン、シンニョムの弟ですが
 
兄と違い私心を捨て
 
国王に忠実に仕えています
 
兄弟でもこんなに違う者なんですねー
 
そして重なりますがソ、ピル公ですね
 
光宗が功臣、大臣のご機嫌取りに王宮に招き
 
酒宴でもてなしお土産に
 
金の盃を手渡しますが、ソピル公のみ受けとりません
 
光宗もこのソ、ピルのような臣下こそ
 
我が高麗の宝であると肝に銘じるのでした
 
              チェ、ジモン    ソ、ピル       ワン、ユク
 
イメージ 34
 
老臣となってしまいました
 
イメージ 35
 
こちらは王妃の実家、黄州ファンボ家ですね
 
イメージ 36
 
中央は大殿内官
 
イメージ 37
 
それとバックに流れるメロディーは
 
『マンガン』でもよく使われ聞きなれた音色ですね
 
 
続きます