戻ろうと思えば、戻れる。いつでも。



私の心は、いつも、綱渡りのようだった。

私達の愛は、綱渡りのようでした



二人で手を取り合いながら進み始めたら、

気が付けば、

綱の上にいました



バランス感覚の悪い私が

綱から落ちそうになると、彼が手を引いてくれ、


ピンと張った綱が緩むときは、彼が、綱を引いてくれる。



どこに繋がっているのかが、全く見えない綱渡りを彼と続けているうちに、


大きな不安感、

寂しさ、

孤独感が、


私を襲ってきました。





綱を渡ること自体が、良いのか悪いのか、


悩み、答えを求め、一喜一憂していた日々


綱を渡る先に、何があるのかが、不安で、


そもそも、綱を渡ること自体、正しいのか、間違っているのか



葛藤しながらも、彼を愛する日々




彼は、

綱を渡ることが、正しいの正しくないのかよりも、


綱を渡りたいのか否か、

愛があるのなら渡るべきだ、

綱の先は見えるわけがない。

今二人で手を取り合いながら、
一歩一歩進めていることがすべてなんだ




と。これが彼の考え方でした。



私は、やはり、ふと綱の先を見てしまう。


先を見る私の視線をそらそうとする彼


それでも先を見ようとする私。




私は、綱渡りが怖くなり、



ごく普通に、普通の道を進むことに決めました。
ひょんなきっかけで、私はいわゆる「大人の恋愛」に仲間入りしてしまいました。


彼は、16歳年上。


すごく素敵な男性でした。



ただ、彼には、家族がありました。



付き合おう、という話をする前に、私達は既に愛に落ちていました。



家族のある男性と付き合うなんて、まさか私が?


なんて考える暇もなく、彼に染まっていきました。



会社帰りに食事に行ったり、休日はドライブをしたり、旅行へ行ったり。


一緒に思い出を重ねるたびに、愛が深まるのを感じていました。


新しい「彼」は、



今まで、何度か、お断りをしてきた人でした。


お断りの、一番大きかった理由は、タイミングでした。

あとは…彼の気持ちの深さがわからなくて、一歩進めずにいました。


「彼」が私に最初に告白してくれた時、私には、長く付き合っていた彼氏がいました。


当時の彼氏には、精神的にかなり支えてもらっていたので、そんな彼氏を手放すことは考えられず、お断りしてしまいました。



それから、私は彼氏と別れることになりました。


そのあとまもなく、「彼」に彼女が出来ました。


そして、ほどなく「彼」は彼女と別れましたが、その直後、「彼」の転勤が決定。



引っ越しの前日、泥酔していた「彼」は、私に電話をくれました。



泣いていました。



私を傷つけた、すまなかった、と。


遠距離だけど、付き合ってほしい、と。




私は、彼の申し出に、応えず、新しいスタートをお互いがんばろうね、と、答えました。




それから、約一年、


しばらくフリーでいた私に、


「大人の恋愛」がやってきました。