自分には平凡な魅力しかない、あるいは、口下手で
自分の魅力をうまく表現できないのに、やたらと異性に
顔やお金を求める人がいるが、そういう人はいつまで
たっても相手が見つからず困っているものだ。しかも
かなり深刻に。
僕も中高生のころ、かわいくて性格もいい彼女が欲
しいなあ、特に顔は譲れないなあと思っていたもの
だが、そうやって相手を限定してしまうと、そもそも
異性とお近づきになる出会い自体なかなかないのに、
せっかく出会ってもフラれてしまっては意味がない。
相手が理想の高くない人ならば、なんとかなるかも
しれないが、それはつまり、相手が理想の高くない
人でない限り、平凡な自分では無理であるというこ
とだ。
そんなわけで、僕は中高生の間、かわいいなと思っ
た人を好きになってはフラれ、特に気にしてない人
からは告白されても断るということを続けた結果、
かわいい人を愛したいという気持ちを、好きな芸能人
にぶつけるようになっていった。身の周りでは恋が手
に入らなかったからだ。
芸能人に愛をぶつけていると、少なくとも拒否される
機会がないので、その愛があたかも受け入れられてる
ような錯覚に陥る。しかし、どうがんばったって芸能人
など自分のものになりはしない。でも芸能人と恋を
したいという性欲が日に日に高ぶってきて気が変に
なりそうだった。生活や勉学に支障をきたすほどに。
結局、僕は精神科の門をたたいて、性欲をつかさどる
ホルモンの量を調節する薬をもらった。薬の効果は
絶大で、効いてる間は性欲のことは一切気にしなくて
済んだ。ほどなくして受験に失敗し、自殺をして(大ケ
ガしただけで終わったけど)、恋どころではなくなった
ので、薬を飲まなくても落ち着くようになった。
確かに、顔は良いに越したことはないのだが、別に
そこまで相手の顔が良くなくとも、性欲は満たすこと
ができる。親しい異性とデートするのは楽しいものだし、
性行為なんてものは視覚より触覚と気持ちを満たす
ためにするものだから、視覚に頼らずとも触覚が満た
されれば気持ちも十分満たされるし、視覚の性欲を
満足させたいなら、エロ本でも見てたほうが手っ取り
早い。
多くの人はそうやって性欲に折り合いをつけているから
社会は回ってるんだと思う。