僕と君が見た空。 -2ページ目

僕と君が見た空。

馬鹿馬鹿しいブログだけどよってってねw

第一章 再会

いや、でも俺の記憶も曖昧だ。
なにしろ紫月の顔が女の顔つきで
女にしか見えない。

……あいつ、女だったっけか?

俺の“記憶”の中のあいつは
男の子だった。

まあ、いい。
とにかくじっちゃんのところに連れて帰ろう。
傷の手当てをしなければ
こいつは死ぬかもしれない。


『この子は無事だよ。悠。あと少ししたら目が覚めるよ。』
さっきのじっちゃんの言葉にホッとした。
早く目が覚めてくれないか。
ずっと心の中でつぶやく。

お前は誰だ?女か?男か?
名前は?
何処からきたんだ?
何故怪我をしていた?
何故そんな格好をしている?
何故あんなとこで倒れていた?
……何であの時、俺の前から姿を消したのか?

聞きたいことなど山ほどある。
「おはよー!」

結希の声で我に帰った。
目が覚めたようだ。
あいつは目を泳がし戸惑っているようだ。
「おはようございます。あの……」
「自己紹介。」
俺はこいつの言葉を遮ったようだ。
でも、俺はこいつが誰だか知りたい。
その思い一心でそのことに気がついていなかった。

「一ノ瀬 悠。」
俺は名乗る。
だが、あいつは俺の名前を聞いても想像してた反応とちがった。
いや、反応をしていなかった。
覚えてないのか?
それとも違う奴か?
「私は一ノ瀬 結希。よろしくねっ。」
姉の結希も自己紹介をする。
「呉乃 紫月です。」
名前はピッタリと一致する。
問題は、顔だ。どうみても女の顔。
確かめるため、尋ねる。
「聞きたかったことがあるんだが、」
「お前女か?」
その言葉を言った瞬間、そいつの眉がピクッと動く、そして眉間に皺を寄せ静かに冷静に言う。
「僕はれっきとした男です。」
てっきり怒鳴りつけられるかと思ったのだが、意外にも冷静すぎ。正直わからない。俺だったらかなりキレるかもしれない。
「嘘!?男の子だったの!?」
結希……余計なことを。
「驚きすぎでは?」
結希の言葉に少し怒ったらしく、結構棘のある声だった。
「あ、ごめんね?怒ってる?」
本当にこの姉の空気の読めなさには参る。
「いえ、怒ってません。では僕はこれで失礼します。」
いかにも、怒っているような低い声。キレのある低い声にかなりの寒気が。
「もう行くの?」
「はい、お世話になりました。ありがとうございます。」
「またね。」
だが、はっきりした。俺はこいつを知っている。せっかく会えたのに逃がすわけないだろう?
第一章 再会

俺は一ノ瀬悠。
家計は俺と双子の姉だけだ。
俺達双子は幼い……いや、
赤ん坊の時に狭い路地裏に捨ててあったらしい。
段ボールに入れられた捨て犬や捨て猫のように。
だが、じっちゃんに拾われ、14という歳まで生きている。

じっちゃんには凄く感謝してる。


――俺は1人でじっちゃんに頼まれた
工具を買いに街に来ていた。

この街は品揃えや店はいいのだが
人が悪い。

本当はこの街には来たくないのだが、
女の結希に行かせるには危ない。

「はあ―…」

ドンッ。

「いってーな!!!!!」

面倒なことになった。

「すいません。」

「あ?謝って済むなら察なんかいらねーんだよ!!!!!」

いちいちうるせー男だな。

「何黙ってんだよっ!」

あー、駄目だ。殴りてー。

「おらあああ!!!!」

男は彼、悠に殴り掛かってきた。

いきなりでびっくりしたが、
なんとかよけ、走り出した。

「逃げんじゃねーよ!」

最悪、しつこい男だな
まあ走りには自信ある。

彼が思ったとおりぐんぐん差をつけ、
すぐ傍にあった路地裏に隠れた。

「あいつ、どこ行きやがった!」

「もういいじゃないすか、先輩」

「おお、次見かけたら殴ってやろう」

殴りたい……が、
結希と約束してしまったから
できない。

“殴らない”という約束。

人を殴るのが当たり前だった俺は、
その当たり前のせいで結希を傷つけてしまった。

そしてあいつも……。

バタッ。

バッ!!

何かが倒れた音がして
びっくりして振り返った。

人が倒れていた。

肩には出血でにじんでいる跡があった。

俺は急いでそいつに駆け寄った。

まさか倒れていたのが、あいつだったなんてな。

心臓が飛び出すぐらい驚いた。

らしくない……。

こいつは
―呉乃 紫月だ。
第一章 逃亡





真っ暗な所で僕は突っ立ていた。



―あれ? 此処は何処だろう?



身体が闇に包まれ、彼は思った。



―そうか。 僕は死んだのか。

    あのまま倒れて……



「し……き。」



―誰か僕を呼んでる?



「紫月。」

間違いなく母の声だ。

「おかあ…さん?」

次の瞬間、明るい光が暗闇の
中にブワッと光り放ち
彼の視界が白くなった。

眩しい……。

辺りが丁度いい明るさになった。

きっとまた暗闇に
包まれるのだろう。
だが、辺りはごく普通の
家のなかだった。
どこだろう。此処。

「あ、目覚めたか?」
中年の小柄なおっちゃん
が奥から出てきた。
この家の主か。

「……。」

「おはよー!」

「うわあ!?」
いきなり横から声がした。
驚いてマヌケな声が出てきた。
恥ずかしい…。

僕の隣の人達は年上ぐらい
の女と男がいた。

「おはようございます。あの…」

「あー、自己紹介。」
は?

「一ノ瀬 悠 だ。」

こいつ…人の話聞いてない。
見た目からして愛想のない人だ。
容姿は今までみた男のなかで一番最高の方で、なかなかいないだろうと思わせるような綺麗な容姿だ。髪は黒く、睫毛は長く、目は切れのあって美しい。

「私は一ノ瀬 結希。よろしくねっ。」
男と違って愛想がいいらしい。
少し子供っぽい感じだが、顔つきが男と少し似ている。性格は子供っぽいが顔つきは大人っぽい。容姿も美人だ。髪は茶色でロング、睫毛も長い。目はくりくりとパッチリしている。男を皆虜にしそうだ。

「呉乃 紫月です。」

「聞きたかったことがあるんだが、」
男が口を開いた……が、
とんでもないことを言いやがった。

「お前女か?」
はい?
お前は何を言ってるんだ。

「僕はれっきとした男です。」

「嘘!?男の子だったの!?」
こんな驚きかたされると腹が立つ
んだよ。毎回毎回同じことばかり
だから余計。

「驚きすぎでは?」
思わずきつい口調で言ってしまった。

「あ、ごめんね?怒ってる?」

「いえ、怒ってません。では僕はこれで失礼します。」

「もう行くの?」

「はい、お世話になりました。ありがとうございました。」

「またね。」

何故“またね”なんていうのだろう。
また会うことなんて無いのに。
彼は一ノ瀬の家を出て行こうと
……したのだが……。


第一章 逃亡


――パタパタパタッ

湿気が漂う汚い下水溝で
一人の少年の足音が響いている。

「はあっ…」

―――パタパタパタッ

その後ろから何人かの
足音が響く。

バシャッ、

無意識のまま走りつづけるが後ろから迫ってくる何人かの足音に焦り恐怖を感じはじめた。
そのせいで足を滑らせ、下水溝の中の汚いどぶのなかにはいってしまった。
派手な物音がでてしまう。

ヤバい!

……ッバン!!!

「…ック。」

少年は何者かに銃で打たれた。
身に纏う薄汚い布と服が
真っ赤に染まる。
腕を打たれたようだ。

神経は傷つけられていない。
なんとか動かせる。
だが出血がなかなか止まらない。
なんとかして止めたいが
今はそれどころではいなかった。
"逃げる"
ただそれしか頭にない。


なんとか追っ手から隠れたが、
このままでは大量出血で死ぬ。
痛みも慣れて消えている。
だったらいっそのこと楽に
この場で死んでしまおうか。

いや、痛みは消えない。
楽になど死ねない。
なら僕はどうすればいいのだろう?

下水溝のかび臭さが徐々に消え、
明かりが見えてきた。
その明かりを目指し隠れ場から
離れ足を動かした。

そのあとの記憶がない。
大量出血の原因で貧血を
おこし、倒れてしまった。
初めての更新デス◇゚。

あ、ほとんど小説載せたいと思っていますwww


つまらないと思いますが、
読んで頂けたら嬉しいデス(´ω`*)


今、載せようとしている
小説は《僕と君が見た空。》です!!

ぜひぜひ読んでください!