ネットワークビジネスとは、別名マルチレベルマーケティングとかMLMとも呼ばれます。
法律では、連鎖販売取引と言います。
このビジネスの特徴は、口コミで商品やサービスを広めていく事にあります。
まずは、ネットワークビジネス以外の商品の販売方法を見てみましょう
通常商品の販売
店頭で売られている商品は、宣伝・広告を行って、その商品の事を消費者に知ってもらうことで、販売につなげます。
宣伝・広告には莫大な費用が掛かりますが、知名度を上げるためには、宣伝・広告をしなければなりません。
でも、宣伝・広告をしたからと言って、売れる保証はないわけです。
つまり起業が宣伝・広告にお金を使い、その後で商品が売れて宣伝・広告に使ったお金を回収する販売方法なんですね。
それが回収できないことが少なくないので、結構リスキーな販売方法だったりします。
あるいは、営業マンを大勢雇って、商品を説明して販売します。
ある程度高額な商品になると、いくら宣伝・広告しても、店頭に置いておくだけでは売れません。
大型家電店に行けば、必ずメーカーや携帯会社の販売員がいますよね。
次々と新しい商品やサービスが登場する現代では、店員がすべての商品やサービスを説明するのは難しいからです。
営業マンを大勢雇うことは、完全歩合制じゃない限り、人件費が発生します。
営業マンを雇っても、すぐには商品の説明ができないので、教育も必要ですが、この期間はこの営業マンからは、売り上げが発生しません。給料は払うけど利益がない状態です。
そしてやっと営業を始めても、すぐには利益が出ません。
給料以上の利益を稼げるようになるには、時間がかかるのです。
この方法も企業にとってはリスクのある方法だったりします。
フルコミッション・完全歩合制販売
完全歩合制では、どうでしょうか。
完全歩合制とは、商品の販売額に応じて給料を支払う制度です。
商品が売れなければ、給料が支払われません。
完全歩合制は、会社と営業マンは、雇用契約を結べません。
業務委託契約になります。
固定給が無いわけですから、社員じゃないのですね。
だから会社の将来よりも目先の契約に走りがちです。
リピートの無い高額商品が多いですね。
人生で1番高い買い物である不動産や2番目に高い保険などです。
起業にとっては、金銭的なリスクは無いのですが、顧客との関係が希薄になったり、営業マンが顧客とトラブルを起こして会社の信用を失ったりといったリスクがあります。
ネットワークビジネス
このように、企業が商品を大量に販売しようとする事には、リスクがあったり、時間とお金がかかったりします。
そこで考え出されたのが、ネットワークビジネスです。
商品を買ってくれたユーザーがそのまま販売員になって、流通を作る。
連鎖されていく事で拡大する。
ユーザーは販売することで収入を得て、商品を購入し続けることができます。
ネットワークビジネスでは、このユーザー兼販売員をインディペンデント・ディストリビューターと呼びます。
ここでは、インディペンデント・ディストリビューターを「メンバー」と呼ぶことにします。
ではネットワークビジネスの仕組みを見ていきましょう
まずAさんは、会社から商品を買うことでメンバーになります。
次にAさんが口コミでBさんに商品を勧め、Bさんがメンバーになって商品を買います。
するとBさんの購入額に応じて、会社からAさんに報酬が支払われます。
続いてBさんが口コミでCさんに商品を勧め、Cさんがメンバーになって商品を買います。
するとCさんの購入額に応じて、会社からBさんに報酬が支払われます。
さらにAさんにもCさんの購入額に応じた報酬が会社から支払われます。
これが繰り返されていきます。
このCさんの購入額に応じた報酬がAさんに支払われるのが、ネットワークビジネスの大きな特徴です。
Aさんは自分が商品を勧めたメンバーだけではなく、BさんやCさんが商品を勧めたメンバーの購入額に応じた報酬も得られるのです。
ダウンラインと組織・グループ
Aさんが集めたメンバーとBさんCさんが集めたメンバー、さらにそれぞれのメンバーが集めたメンバーの総称を組織とかグループと呼びます。
Aさんの口コミから発生していったメンバーは、すべてAさんの組織となります。
(ここでは、すべてと書きましたが、連鎖していく段数には制限があります。その制限は会社によって様々です。それが報酬プランの違いの一つです。)
タイトル
このタイトルによって、売り上げから受け取れる報酬の率が変わります。
組織・グループの売り上げが大きくなるほど、タイトルも上がり、受け取れる報酬の率も上がります。
これがネットワークビジネスで大きな組織・グループを作れると、大きな収入が得られる仕組みです。
またネットワークビジネスでは、メンバーは報酬を受け取る権利を得るために、毎月一定額以上の商品の購入が義務付けられています。
これが会社にとっての安定した売り上げの確保と、売り上げの拡大をもたらすわけです。
ただし、この毎月一定額以上の商品購入義務はメンバーにとっては、まだ誰にも商品を勧めていなくても発生しますので、メンバーにとっては少額ですがリスクとなります。
まだ商品を使って、その商品の良さを実感していない状態で、
またどうやって商品を勧めればよいかもわからない状態で、
定期購入の契約をすることになるので、ネットワークビジネスの契約には、十分慎重に臨まなければいけません。
会社から見たネットワークビジネス
会社にとってネットワークビジネスは、フルコミッション・完全歩合制の営業マンが、自分たちで商品を買いながら、さらに販売活動もするので、理想的な販売方法になります。ただし、メンバーが強引な勧誘をしたり、違法な勧誘をすることで、会社の評判を落としたり、ネットワークビジネス自体の評判を落とすといった事が起きているのは事実です。
このことによって、ネットワークビジネスをすること自体が非常に難しくなってしまったのは、確かでしょう。
まとめ
一般の商品を販売するためには、宣伝広告費が必要高額な商品や複雑な商品・サービスの販売には営業マンや販売員の人件費が必要
これらの販売には宣伝広告費や人件費が、販売する前に発生する。
フルコミッション・完全歩合制は、原則リピートの無い高額商品でないと成り立たない。
ネットワークビジネスは、会社にはどのような商品もフルコミッション・完全歩合制で販売できるメリットがあるが、ユーザー兼販売員であるメンバーには報酬が発生する前に購入が始まるリスクがある。
ネットワークビジネスで成功を目指すには、このリスクへの対策も大事です。
これについては、メルマガでお話ししますね。