受験生のみなさん、特商はお好きですか?
これ受験業界の悪いところなんですが、いまだに「特商がものすごい重要!」みたいな雰囲気ありますよね?でも10年前に比べて、出題可能性がずっと下がってるのが現実。とくに受験生が苦手にしている原価率算定にしたって、そもそも原価率が所与の問題も多いし…
誤解を恐れずに言うと、「特商はもう古い」ってことです。
それでも、簿記を勉強していて最初にぶつかる難解論点であるがゆえに、いまだに「特商神話」が存在するわけです。
でもね、受験生のみなさんの「そうは言っても、特商できないのは不安だよ…」って気持ちもよくわかります。そこで今回は、質問が多い原価率算定について、ちょっとコメント。
原価率算定で最大のポイントは、「原価÷売価=原価率」という式です。あたりまえじゃん!という言葉が聞こえてきそうですが、みなさんこの式の意味本当に理解してますか?
原価率算定が苦手な人は、原価率算定をパターンでやろうとしている場合がほとんどです。よく受験予備校では、「手許商品による方法」と「仕入による方法」といった具合に、原価率算定の2つのパターンを学習しますが、僕の講義ではこれらを明示的に分けて扱うことはしません。
なぜって、これらは同じことをやっているに過ぎないからです。要は両方とも、「原価に対応する売価を探してくる」ってことをやっているだけなんです。つまりこれが、上で示した「原価÷売価=原価率」って式の本質なのです。
「手許商品による方法」は、手許商品という仮想の勘定を設けて、そこに実際の商品の出入りを記録していきます。よく、「手許商品=企業の倉庫」と例えられますよね。この方法は、純粋に商品の動きを追っていけばいいので、非常にイメージしやすいというメリットがあります。
しかし、この方法を使う前提条件として、基本的に当期の外部仕入高が判明している必要があります。問題によっては、たとえば未着品の現品引取高が判明しない、あるいは当期積送高が判明しないといった理由により、一般商品の外部仕入高が判明しないケースがあります。このような場合でも、未着品の現品引取高等をXといった未定数にすれば手許商品で解けるのですが、それも面倒…
ということで、「仕入による方法」が登場します。
「仕入による方法」は、「前T/B仕入の金額に何が含まれているのか」を考えるところから始まります。
例えば、一般商品売買、委託販売および試用販売を行っている企業を想定します。勘定分析の段階で、仕入勘定の借方には一般商品の外部仕入高が記入され、貸方には当期積送高が記入されているとします(図を描いて考えてみましょう!)。このほかに企業は試用販売を行っているわけですから、前T/B仕入は一般売上と試用売上に対応する原価が含まれていることになります。ただし、この原価は厳密には売上原価ではなく仕入原価であるため、前T/B仕入の金額に期首商品をプラスし、期末商品をマイナスすることで、これを売上原価に修正してあげます。あとは、これに対応する一般売上と試用売上の合計で割ってあげれば、みごとに原価率算定!ということになります。
この方法のメリットは、仮に勘定分析の段階で当期積送高が判明しなくても、「前T/B仕入はこれがマイナスされた後の数値である」ということさえわかれば、当期積送高をXと置いて求めたりする必要がないという点です。
しかし、やっていることは「手許商品による方法」となんら変わらず、「原価に対応する売価を探してくる」ということなのです。
これから原価率算定の問題を解く際には、もうパターンは忘れましょう。
あくまで、「原価に対応する売価を探してくる」という視点で問題をとらえることにより、応用力は飛躍的に向上していきます!
たまには真面目な記事を書いてみました…一応講師なもんで(;^_^A