巷では、紅茶に似た華やかな香り、と形容されている。
が、東方美人の味わいは実に多様で、
収穫時期や栽培法、製茶の加減が品質と味わいを左右する。
これまでに私が試したのは7銘柄。
そのうち、品評会入賞茶は3銘柄。
安価な東方美人は、手摘みではなく機械刈りがほとんど。
新芽以外の葉や茎も混入するため、そのまま製茶しても、
エグ味や雑味が出てしまうのだろう。
比較的深めに熟成させて紅茶に似た味と香りに仕上げている。
製茶に失敗したものは、中国ウーロン茶のような仕上がりになる。
一方、入賞茶は、上質な茶葉の性格を最大限に引き出すためなのか、
一様に熟成が軽めで、抽出液の色も薄い。
味は、蜂蜜と紅茶のような甘い香りだけではなく、
花や果実の香が匂いたつものから、
緑茶のような青さを感じさせるものまで、どれも個性的。
お湯の温度や抽出時間を調整して、香りや味の変化を楽しむのも乙。
高級な東方美人は、抽出時間を長めにとることをオススメする。
90度くらいのお湯でOK。沸騰させる必要はない。
最低でも5分。できれば10分は待ってほしい。
味と香りのバランスが良いのは、湯温が60度くらいに冷めたとき。
自販機の缶コーヒーくらいの温度で、かなりぬるめ。
アイスティーにすると、香りとのど越しが良くなる。
ホットとは違い、とろっとしたトロみが出てくるのが不思議だ。
香りに、外国のフレーバーティーのような華やかさはないが、
香りと味のギャップが無く、香りそのものが味になっている。
