方程式の文章題が苦手な人は多いと思います(特に立式)。

式を立てるコツは「は」や「が」を「=」に読み替えることです。

例えば、「竹内涼真はイケメンです」という文章があったとします。
ここで「は」を「=」に言い換えると(「です」は省略して)、
「竹内涼真=イケメン」という「式」ができるはずです。「が」も同じような感じですね。

なので、文章題を読むときは「は」や「が」を探しながら読むと式が立てやすくなるかもしれません。


【例題】
1000円で、牛乳パック2個と3円のレジ袋を買うと、おつりが581円でした。
牛乳パック1個の値段はいくらでしょうか。


【解答】
牛乳パック1個の値段をx円とすると、
1000-(2x+3)=581
x=208

答え 208円


【解説】
「なんでおつりがいくらか覚えてるのに牛乳パックの値段忘れてんだよ!!!」とか「レシート見ろよ!」とか思うところは色々ありますが、問題を解いていきましょう。
まず求めるもの、つまり牛乳パック1個の値段をx円とします。

問題文を読むと、「おつり『が』581円」と書いてありますね。そうすると、

(おつり)=581

という式ができます。では、おつりはどうやって決まるかというと、

(おつり)=(出したお金)-(代金)

になるはずです(注1)。
出したお金は1000円、代金は牛乳の2x円(注2)とレジ袋の3円を合わせて2x+3円なので、

1000-(2x+3)=581
1000-2x-3=581
-2x=581-1000+3
-2x=581-1000+3
-2x=-416
x=208

よって答えは208円です。

(注1)どうしてこういう式になるかがピンとこない人もいるかもしれませんね。ピンとこないというより「なんとなくで計算できるから、式にしようと思わない」という方が正確かもしれません。
そういうときは「何算で計算するか(足し算・引き算・掛け算・割り算)」を意識しましょう。
例えば100円のものを1000円で買ったとしましょう。おつりは900円ですね。ではどうして900円になったのか。何算をしたのか。
それは無意識に「引き算」をしているからですね。さらに「『何』『引く』『何』」かというと「1000ー100」つまり「(出したお金)-(代金)」になります。

(注2)例えば100円のものを3個買ったとします。代金は300円(3×100)ですね。掛け算、つまり「(個数)×(単価)」で代金が計算できます。
今は「3個」ではなく「2個」、「100円」ではなく「x円」なので牛乳の代金は2×x=2x円となるわけです。



【まとめ】
・「は」や「が」を「=」に直す

また、「合わせて」や「合計」は「足し算」に言い換えられます。
このように「日本語」を「数式」に「翻訳」できる言葉を増やすと数学が得意になるかもしれませんね。

方程式の文章題でよくあるパターンとして「~個余り」とか「~個足りない」というフレーズが出てくるものがあります。
正直「ちょうどいい数を準備しておけよ!!!」と思いますが、このような問題を「過不足(かふそく)の問題」と呼ぶことにします(過不足とは「多すぎることと足りないこと」という意味です)。

このパターンの問題にはポイントが2つあります。

まず1つ目は「わからないことが2つある」ということです(ただし、求めるものは1つであることがあります)
わからないものが2つあることは厄介ですが、どちらの数量が大きい(多い)かはなんとなくわかると思います
わからないものは文字で置くということが鉄則なので、どちらかを文字で表すことになります(注1)。
原理的にはどちらを文字に置いてもよいのですが、数量が小さいものを文字で置いたほうが上手くいくことが多いです
大きいほうは式で表します(これはなんのこっちゃだと思うので、例題を解くときに理解出来ればOKです)。

で、この問題の厄介な点は「数量が小さいものが求めるものとは限らない」
つまり、「求めるものを文字で置くとは限らない」という点です。
この点についても例題を解く時に確認していきましょう。

2つ目のポイントは「エピソードが2つある」ということです。
ヒントが2つあるということですね(やったね)。
その2つのエピソードから「わからない2つのうちの大きいほう」を式で表し、「=」で繋ぎます。

(注1)中2で連立方程式を習った人は「わかないものが2つあるなら、2つとも文字で置けばよいのでは?」と思うかも知れません。
別にやることは対して変わらないので、わかりやすいほうで考えていただいて大丈夫です。

では、例題です。


【例題】
りんごを生徒に配る。1人に5個ずつ配ると12個余り、7個ずつ配ると4個足りない。
このときりんごの個数を求めてください。


【解答】
生徒の人数をx人と置く。

1人に5個ずつ配ると12個余るから、
(りんごの個数)=5x+12…①
7個ずつ配ると4個足りないから、
(りんごの個数)=7x-4…②

①、②より、
5x+12=7x-4
x=8
①にx=8を代入して、
5x+12=52

よって、52個


【解説】
求めるものはりんごの個数なので、これを文字で置きたくなります。
しかし、それは悪手です
ポイントを確認しつついきましょう。
(1)今回のわからないものは以下の2つです。
・りんごの個数
・生徒の人数
求めるもの(聞かれているもの)はりんごの個数だけですが、問題を解くためには、聞かれていない「生徒の人数」にも目を向けなければなりません。ここがこの問題の難しい所ですね。

りんごの個数と生徒の人数はどちらが多いかというと、りんごの個数の方が多いはずですね(注2)。
なので、少ない方の生徒の数を文字で置き(x人)、多い方のりんごの個数を式で表します
これが、「求めるものを文字で置くとは限らない」ということです(求めるものはりんごの個数ですが文字で置いていません)。

(注2)具体的な数字で考えてみましょう。
例えば、りんごの個数が10個(少ない)、生徒の人数が30個(多い)だとしましょう。りんごをカットしないと配れませんね。
なので、りんごの個数の方がが多く、生徒の人数の方が少ないと考えられます。

(2)2つのエピソードからりんごの個数を式で表していきましょう。
・1人に5個ずつ配ると12個余る
1人に5個ずつ配ったので、配ったりんごの数は5x個。それに12個余ったので足しますと、元々あったりんごの個数になります。
(りんごの個数)=5x+12…①
・7個ずつ配ると4個足りない
1人に7個ずつ配ったとすると、配ったりんごの個数は7x個。元々あったりんごの個数は7x個から4個足りないので引きます
(りんごの個数)=7x-4…②
この足すのか引くのか判断するのも地味に難しいかもしれません。

あとは①と②を=で繋いで、
5x+12=7x-4
これを解いて、
x=8(生徒の人数は8人ということ)
この解を式①か②に代入します。
5x+12=7x-4=52

よって、りんごの個数は52個です。


【まとめ】
・「~個余り」や「~個足りない」というフレーズが出てくる問題を「過不足の問題」と呼ぶ。
・わからないものは2つあり、小さい方を文字で置く。
・大きい方は2つのエピソードから式で表す。

求めるものを愚直に追うよりも、もっと大きな視点で見たほうが簡単に捕まえられる。
これはそんな問題な気がします。

◎関数
⇒xの値を決めると、それに対応してyの値がただ1つに決まる。
このとき、yはxの関数だと言える。

これだけ言われてもピンと来る人は少ないと思うので、例え話をしてみます。

ジュースの自動販売機があったとします。
自分の好きなジュースを思い浮かべてください(ちなみに私はカルピスウォーターが好きです)。
お金を入れて、カルピスウォーターのボタンを押します。
当然、カルピスウォーターが出てきますね。
「ボタン」を決めると「ジュース」がただ1つに決まる。
これが関数の例です。
もしカルピスウォーターのボタンを押して、カルピスソーダが出てきたらおこですね(炭酸苦手)。

もう1つ例え話をしてみましょう。

皆さん、「イケメン芸能人」と聞いて誰を思い浮かべますか?
「Mツジュン}という人もいるかもしれませんし、「TK内涼真」と答える人もいるかもしれません(ちなみに私は高橋一生が好きです)。
このように「イケメン芸能人」は一対一で対応していない、関数でない例です。

では、実際に例題を解いてみましょう。

例 次のうち、yがxの関数であるものを選んでください。
(1)たかしくん家から3km離れたコンビニに向かう。このとき、進んだ道のりx kmと残りの道のりy km。
(2)x歳の人と体重y kg

<解答>
(1)

<解説>
☆彡ポイント
関数かどうか判断するときは、
式で表してみる!

可能なものは極力式で表しましょう。式で表せれば(基本的に)関数です。

(1)残りの道のりは、3 kmから進んだ道のりを引くと出るので、
y=3-x
xの値を決めると、それに対応してyの値がただ1つに決まります。
よって、これは関数だと言えます。

(2)年齢が決まったからと言って体重が決まる訳ではないですよね。
よって、これは関数であるとは言えません。


まとめると、
・関数とは、片方を決めると、もう片方もただ1つに決まるもの。
・関数かどうか判断するときは、式に表してみるとよい。
です。