今日の1冊です。前田和男著「冤罪を晴らす」(ビジネス社)
本書の帯に「食肉業界の異端児の激闘20年」って走っている。なんか凄そう!興味津々。読みやすい文体と数字の裏付けでふむふむと納得。ずっと言われていた日本の食肉業界の闇の部分がすっきりわかる。闇といわれながらすべてを明らかにできない不文律。特に日米をめぐる食肉関税の裏側と日本国内の政官業癒着の実態を現実のビジネスシーンでお披露目して行く。何が問題なのか。政治家と農水省官僚、食肉加工業者(ハムソーセージメーカーっていうのかな)の間に立って切り盛りした田邊正明さんっていう人。こんな人知らなかったなあ。この人が頑張ってやりくりしていたのか。牛丼屋さんも牛肉が品薄になって豚丼?なるものが出まわるようになった数年前。田邊さんの牛から豚への切り替えの仕込みと彼が東奔西走していたから潰れなくて済んだのか。随分お世話になっていた吉牛も松屋も田邊さんの暗躍、活躍のお陰か。「豚肉差額関税」とは「従量税」と「従価税」の組み合わせという日本政府の偽装工作。挙句、差額関税をめぐって脱税容疑を掛けられる本書の『冤罪を晴らす』ところまで突き進む。知らないことばかり。そして田邊さんとともに『冤罪を晴らす』孤独な闘いはあらゆる『冤罪を晴らす』全方位外交に発展の道筋を求めて行く。ここがいつもの業界の闇を暴く暴きものと一味違うところ。国民市民が仕掛けられ被害を被る他の冤罪関係者をネットワークして「国家の不都合な権力行使を暴き法の正義を知らしめる高みを目指す」と。いいねえ、こういうの。国民と消費者を欺く国家権力、農水省の諸悪を許してはならない。つい頑張れ田邊さんと叫んでしまう。本書一読の価値あり。