魔女見習的徒然裏日記 -2ページ目
ひっくり返されたコップ


注がれた液体が飛び出す


足が濡れる


りんごは好きだが


この時ばかりは眉を顰めた
貴方は言いましたよね。


ずっと、と。


ずっと、を信じない私を、


どうしてなの、と、怒りましたね。


だから私は信じました。


貴方となら、信じても良いのかもしれないと。


ああ、しかし、私は間違ってはいませんでした。


どうしてあんなことを言ったのですか?


結局都合良く突き放すのに。


無責任に作り物を与えて。


挙げ句整理できずに辺りを彷徨う、


ずっと、が、私を苛みます。


夕焼け

「ああ、空が美しいね」
隣の彼女がのんびり言った。
進行方向の空が、夕焼けに染まりかけている。
なるほど。
「おぉ、綺麗だねぇ」
自転車を押しながら、思わず、私ものんびりと言った。
久しぶりだ。
綺麗な空。

「さっむぃー…!」
「寒いなぁ…」
寒い。
風は非情にも冷たく肌に突き刺さる。
私はいちいち悲鳴を上げる。
彼女はいちいち相槌を打つ。

私が話す。
彼女は突っ込む。
彼女が話す。
私は笑う。



あのね、

陽射が暖かくなってこの風が柔らかくなる頃には貴女も遠い所へ行ってしまって、
強く照り付ける太陽とあまりに明々と光る空に眉をしかめる頃には貴女も私のことを忘れてしまうのかな。

それじゃあまるで…


「…寒」
「ねぇ」


夕焼けは刻々と消えて行く。
その空を見ながら歩く私達の帰り道、分岐点まであと少し。

ふと考える。



もっとこう出来たはずだ。

こう言えたはずだし、

こう在れたはずだと。



ふわふわと思考がその辺りを彷徨う。


でも今更だしな、と言って、

ぱちんと弾けて、ここへ帰ってくる。



今更だよな。



でも整理が終わらないんだ。



ふん、と溜息を吐いて、見えない僕に訊いてみる。


終わるの?

整理し終える日は来るの?

いつかは?



僕は質問を受けて目を閉じる。

でも何も解らない。




いつになったら終わるんだろう?

ね?
僕しか知らない君の話をしよう



君は頑張り屋さんで

一所懸命に取り組んで

それについて文句なんか言わなくて

ひたむきに頑張って


でも疲れてもそれすら言いやしないから

僕はそれが少し心配



君は優しい人で

しかも素直な人で

誰かを傷付けないように心を配って

それがとても悲しい事になったとして

そんなのだって受け入れようとして


傷付けたくない誰かに

君自身は 入ってるの?

もしそうなら僕は嬉しいな



そのくせ君は時々凄く不器用で

答えの出た問題に頭を悩ませて

出口の無い迷路に何度も絶望して

持ち切れない荷物を鞄に詰め込もうとして

目を閉じ耳を塞いで 孤独な暗闇に怯えて


どうしたって言うのさ?

ほら手始めに僕でも見てよ

とても目に良いとは言えないけど

僕が呼ぶ声を聞いてよ

お世辞にも耳触りが良いとは言えないけど


寂しくないの?

僕は寂しいよ




僕しか知らない君の話


僕が見た君についての話


まだまだあるけどまだこれだけ


次は君の番だから


君の話を聞かせてね


急ぐ訳じゃないんだ いつだって良いんだ



君について君しか知らない事