Sweet world -2ページ目

Sweet world

恋愛ゲーム・少女漫画だいすきな20代女
基本自己満でかいてまーす

、 

はいーー!

甘め要素多いの期待してレポいきまーす(^^)/

 

 

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 

 

人は「睡眠中に記憶の整理をする」という説がある。

 

眠ることで、新しい記憶を遮断し、今ある情報を整理整頓する。

 

そして記憶として定着させる。

 

その情報の整理整頓の過程で、人は「夢を見る」のだという。

 


(だとしたら…) 


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サービスショット(///∇//)


(遅すぎ。整理整頓するの)

(だってこれ、たぶん「初めての夜」を終えたときの…)

 


カーテンの隙間から、朝の日差しがこぼれ落ちている。

 


腕のなかに囲い込んだ身体は、ほのかな熱を放っていたはずだ。

 


(そうだ、あの子はよく眠っていて…)

(しかも「爆睡」って感じで、目覚める気配がなくて…)

 


だから、鼻先を近付けたのだ。 

汗ばんだ首筋に。

甘いにおいのする耳裏に。

 



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(もう、オレだけのものだ)

(オレのものにしてしまった、オレだけのにおい…)

長かったね…(:_;)​​​​​​​♡

 


けれども、それだけでは物足りなくて…

今度は唇で味わってみる。

まぶたを、こめかみを、頬を…

そして、寝息のこぼれる唇を。

 


(甘…)


 

こんなことを何度も繰り返せば、さすがにこの子も目を覚ましてしまう。

 


理性はそう警告してくるのに、どうしても味わうことをやめられない。

 


(悪いのは、この子だ)

(この子の唇が甘すぎるから、オレは…)

(オレ……は……)

 



 

バタン、とドアが閉まる音で目が覚めた。

 


東雲

「ん…」

 

(…今、出て行ったの、あの子?)

 


確かめたかったけれど、身体が怠くて動かない。

 


たぶん、まだ睡眠を欲しているせいだ。

 


東雲

「…ふわぁ」

 


ソファに横たわったまま、軽くあくびをする。

 


まだ覚醒していない頭が、先ほどの夢を思い浮かべた。



(あれ…「翌朝」の一幕だった…)

(初めて、あの子と……したときの……)

あゆむん√でこの言葉聞ける幸せ…♡w

 


しかも、あの夢のせいで思い出してしまった。

 


真っ昼間だというのに、「あの夜」のことを。

 


 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 


 

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あのときのことを、細かく覚えているか、といえばそうでもない。

 


むしろ、覚えていることのほうが少ない気がする。

 


(髪から、甘い香りがして…)

(「勝負シャンプー」がどうのって話を聞いて…)


 

そのくせ、下着は見慣れた「薄紫」で…

 


そのことに、心のどこかでホッとしている自分がいて…


 

(ああ、いつものだ)


 

いつもの下着。

いつもの彼女。


 

(なのに、今から「いつも」じゃないことをしようとしている…)

見てるこっちも緊張したよ!!!


 

緊張していないといったら嘘になる。

けれど、それ以上に高揚感を覚えていた。

だから、案外正直に伝えられたのかもしれない。



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東雲

「緊張してる。それなりに」

「だからごめん」

「優しくできなかったら」

 


彼女は、軽く目を見開いた。


 

それから、照れくさそうにこくんと頷いた。


 

(ああ…)


 

初めて見る顔だった。

 


2年も一緒にいて、こんな顔をすることもあるなんて全然知らなかった。



あらわになった肌に、確かめるように口づける。



そのたびに、びく、と動く身体が驚くほど艶めかしい。

 


「…っ」

 


(ああ、ほら…)


 

「あ…っ」


 

(また、そんな顔をして…)


 

自分の身体に、熱がともっていくのがわかる。

 


身につけていたTシャツすら邪魔に感じて、オレは乱暴に脱ぎ捨てた。


 

(欲しい。この子が)

(この子の全部を、オレのものにしたい)


 

すり切れそうな理性のかわりに、欲がどんどん顔を出そうとする。


 

その強さに、自分でも驚く。


 

自分にこんな一面があるとは思ってもみなかったから。


 

(やば…これ…)

(たぶん、そんなにもたない…)

 


それでも止められない。 

止めたくない。

熱病にうなされるかのように、熱い息が唇からこぼれた…

 


そんなときだった。


 

「教官!」

 

(え?)

 

「教官、あの…っ」

 

東雲

「なに?」

 

「…」

 

東雲

「なに」

 

「あ…その…ちゃんと…」

 

東雲

「……」

 

「ちゃんとムラムラしてますか……なんて…」

 

状況に水を差すような、おどけた口調。

 

けれども、その目にはわずかな不安が揺れていた。

 


(…ああ、そうか)

 


これまで、何度も彼女を不安にさせてきた。

 

よけいなことは言うくせに、大事なことは言葉を惜しんできた。

 


(でも、ちゃんと卒業しないと)

 

彼女の右手に、指をからめた。

そして、想いを伝えるようにギュッと握りしめた。

 

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東雲

「してる」

「欲情してる。すごく」

「キミが欲しい」

「ぜんぶオレのものにしたい」

「キミのことを」

 


彼女の目から、ぽろりと涙がこぼれ落ちた。

 

「喜び」というより、「安堵」したような表情だった。

 


(ああ、こんなに…)

(不安にさせていた…)

 

 

だから、丁寧に抱いた。

逸る気持ちより、大切な想いを優先した。

 


「教官…っ」

 


最後の最後で、泣きそうな声で呼ばれたこと。

しがみつくように腕をまわされたこと。


 

(そういうのも全部…)

(記憶のなかに残って…)

 


ちょ!!

これ改めて見ても破壊力ありすぎる!!

食い入るように見てしまったよ!!w

 

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 

 

東雲

「……」

 

(…けっこう覚えているな、オレ)

(そんなに覚えていないつもりでいたけど)


 

気恥ずかしくなって、ソファから身体を起こす。

 

ふと、テーブルの上のスマホが点滅していることに気が付いた。

 

(メール…颯馬さんから?)

(ああ、資料のこと…)

 

どうやらオレが作成した資料を、千葉がピックアップしに来るらしい。

 

(1本目の資料は寝室だっけ)

(たしか、寝る前に読むつもりでベッドの脇に…)

 

 

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 

 

 

東雲

「……」

 

(…なに、この散らかり具合)

(はさみ…のり…マスキングテープ…サインペン…それと…)

 


東雲

「…アルバム?」

 


怪訝に思いながら、表紙をめくってみた。

 


東雲

「…ふーん」


 

サインペンで書かれたメッセージ。


 

それによると、どうやらこのアルバムは「オレへのプレゼント」らしい。


 

(…ベタすぎ)

(どうせ、これまでのデートの写真とかを貼って…)

 


東雲

「…なにこれ、入学式?」

 

(けど、1ショット写真じゃん)

(オレ、どこにもいないんだけど)

 

そんな意図の分からない謎のページがしばらく続いて…

 

東雲

「…出た、初デート」

 

2人で恐竜展に行ったときの写真。 

もっとも、これも付き合う前の出来事だったはずだ。

 


(そうだ…たしか、さちへの諸々があの子にバレて…)

(そうしたら、あの子が急に真剣な顔つきになって…)

 

*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~

 

「立候補します」

 

東雲

「え?」

 

「私が教官の特定の相手になります!」

 

*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~

 

(…間違いない)

(それで「じゃあ、デートを」ってことになったはず)

 


今、思えば無茶苦茶な流れだ。

誘ったオレも、応じたあの子もどうにかしている。

 


(それが、本当に付き合うことになるとか…)

(ほんと、謎すぎ)

(灬ºωº灬)​​​​​​​フフ

 

とはいえ、このあたりから「恋人っぽい写真」が増え始める。

 

盛りだくさんだったバレンタインデーの贈り物。

やけどしながら作った、ホワイトデーのお返し。

 

(これは…体育祭?)

 

東雲

「…ぷっ」

 

(そうだ、借り物競走で前転してゴールインしたときの…)

 

そして…

 

東雲

「出た、ブラックタイガー」

 

なぜか、エビフライだけは失敗するうちの彼女。

 

焦げた黒い衣を、何度剥がしたことか。

 


(あのとき…)

(「コチ電業」絡みで、警視庁に何度も呼びだされたときだって…)

 


透に託した伝言を受けて、彼女はエビフライを作りに来てくれた。

「作りに来た」わけじゃな

「作りに来てくれた

この来てくれたって表現が重要だよね~♡


 

結果、見事な「ブラックタイガー」ができあがったわけだけど。

 

(あれは、あれでもういいっていうか…)

(正直、ふつうのエビフライだと物足りなくなっているし)

 


そのことに気付いたのは、数時間前…

 

初めて成功したエビフライを食べたときだった。

 

(ほんと、毒されてる)

(あんなマズいものが恋しいとか)

 

けれども、それ以上にいたたまれないのは、このアルバムのなかの自分だ。

 

(…なにこれ。別人?)

 

付き合いたてのころの、まだ少しぎこちない表情。

 

それが、アルバムが進むにつれて、どんどん緩んでいって…

その過程の写真が見たいです!!w

 

(…無理。恥ずかしすぎ)

(直視できないから、こんな自分)

 

なのに、うちの彼女は、これを渡そうとしているのだ。

 

オレへの「プレゼント」として。

 

(バカ。あり得ない)

(なに、この羞恥プレイ)

 

一周まわって腹が立ってきた。

 

こうなったら、もう逆サプライズを仕かけるしかなさそうだ。

 

(たしか、あの「最高傑作」は、アルバムにはなかったはず…)

(ってことで、写真は決定)

(あとは、付せんにメッセージでも…)

 

東雲

「『この写真、必須でしょ』…」

「…よし」

 

写真と付せんを奥付に貼りつけて、アルバムを元の位置に戻した。

 

これに気付いたとき、あの子がどう反応するか…

 

今からとても楽しみだ。

 

(そもそも100年早いから)

(オレに、まともなサプライズを仕掛けるとか)

 

 

ピンポーン!

 


東雲

「…うん?」

 

(もしかして、あの子?)

(鍵を持たないで、出ていったとか?)

 

面倒くさ、と思いながらオレはインターフォンのモニターを覗き込んだ。

 

ところが、そこに映っていたのは「うちの彼女」ではなくて…

 


東雲

「は?宮山?」

 

(なんで、あいつがここに?)

 

無視することも考えたが、千葉のように誰かのお遣いで来た可能性もある。

 

なにせ、ヤツはうちの彼女とは違い、正真正銘の「首席」だ。

 

他の教官たちからの信頼もかなりあつい。

 

(…まぁ、さすがに、それなりの理由がなければうちには来ないか)

(なんだかんだ言って、わきまえたヤツだろうし)

 


仕方なく、オレはインターフォンの「通話ボタン」を押した。

 


東雲

「…はい」

 

宮山

『おつかれさまです』

『来週提出のレポートで、聞きたいことがあるんですけど』

 

東雲

「……」

 

宮山

『あー、べつに東雲教官じゃなくてもいいんですけどね』

『たとえば、元指導係の先輩がいらっしゃるなら、そっちのほうが大歓迎なんですけど』

 


(ふ・ざ・け・る・な!)

 


誰だ、あいつを「わきまえている」なんて言ったのは!

ププ━(〃>З<)━ッッ!!!​​​​​​​

 



 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 

 

 

そんなわけで…

 

当初は、マンションのエントランスでヤツを追い返すつもりだった。

 

ところが、タイミング悪く、うちの彼女と千葉が合流してしまった。

 

(こうなったら、いっそ…)

(もう卒業したんだし、すでに宮山にはバレているわけだし)

 

東雲

「せっかくだからお茶くらい出そうか」

 

 

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 

 

 

けれども、彼女はオレと同意見ではなかったらしい。

 

遅れて部屋に戻ると、リビングから彼女の私物がきれいさっぱり消えていた。

えー付き合ってるの知った千葉さんの反応が見たかった…w

 

(…へぇ、そうくるわけ)

 


ちょっと意地の悪い気持ちになった。

だから、あえて彼女を焦らせてやろうと思った。

 


東雲

「そう言えば、少し前の話だけど」

「稲葉さん、学校で居眠りしているとき、寝言を言ってたよね」

「『ダメーっ、千葉さん』って」

 

「!!」


とか。

 


東雲

「千葉に預かってほしい資料、2通あるんだけど」

「1通目はそこにある封筒だから」

 

千葉

「ああ、これですね」

 

「!!!」

 

とか。

 


千葉

「へぇ、資料、けっこうありますね」

 

のん気な千葉とは対照的に、うちの彼女は焦りまくっている。

 

当然だ。

 

洗面所にあった彼女のペンダントを、わざと封筒の下に仕込んだのだから。

 


(とはいえ焦りすぎ)

 


あのペンダントが、彼女のものだという証拠はどこにもない。 

つまり、この状況ならいくらでも誤魔化しがきく。

 


(ペンダントが見つかっても「誰のですか?」ってとぼければいいだけだし)

(千葉が、キミのだって知らないかぎりは、どうとでも…)

 


東雲

「……」

 

(……え、まさか知ってるパターン?)

(いつ?どこで?)

(たしか、普段は見えないようにつけてたはずだけど…)

うん…

わたしも「あれ?どのタイミングだっけ?」って思ったー!

 

さらに悶々としたのは、そのペンダントを宮山が隠したことだ。

 


(なに、こいつ)

(知ってるわけ?それが誰のものなのか…)

 


内心イラッとしたところで、ヤツと目が合った。

 


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宮山

「……」

 


(みーやーやーまー!!!)

 


結局、オレを悶々とさせたまま、来客2人は帰っていき…

 

 

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 

 

 

「はぁぁ…」

 

東雲

「…なに、その態度」

「陸にあげられたかっぱ?」

 

「もうなんとでも言ってください」

「残りのライフ値ほぼ『0』ですから」

 


そんな彼女の胸もとには、いつのまにか例のペンダントが輝いていた。

 


(なにそれ、いつ返してもらったの?)

(どうやって?)

 


聞きたい。

 


けど、聞いたら、さらにイラッとしそうな気がする。

 


(ほんと面倒くさ…)

(自分で仕掛けて、自爆するとか…)

(*>ω<*)カワイイ

 


「あっ!」

 

東雲

「…なに?」

 

「教官、ちょっとそこにいてください!」

 

彼女は、ソファから飛び起きると、寝室へと駆けていった。

 


(あーハイハイ…)

(いよいよ、例の…)

 


案の定、彼女が持ってきたのは、あの「手作りアルバム」だ。

しかも、どうやら1枚1枚について解説をしたいらしく…

 


「まずはこれ!入学式の写真です」

 

東雲

「…キミしか写ってないんだけど」

 

「大丈夫です。ほら、ここ!」

「この隅っこに小さく教官が写っています!」

「なんと、これが初の2ショット写真です」

 


(………バカ)

(なに、そのムリヤリ感)

 


それでも、最初のうちはまだ良かった。

 


問題は、アルバムの10ページ目を過ぎたころ…

 


彼女と付き合いはじめてからの写真たちだ。

 


「これ、覚えてますか?」

「研修旅行の帰りに、ウォータースライダーに乗ったときの!」

 

東雲

「……」

 

「これは『コチ電業』に潜入したときですよね」

「教官が、私のこと、会長に紹介してくれて…」

「すごく嬉しかったなぁ」

 


(…もう無理)

(正視できないし)

 


浮かれる彼女とは対照的に、こっちは羞恥心のあまり倒れる寸前だ。

 


(顔!緩みすぎだし!)

(今度から、写真を撮られるときは気をつけないと…)

ああ!見たい!見たいよ!!

 


「あっ、これ!この写真が一番のお気に入りなんです」

「まさに天使な『泥酔教官』!」

結局そのままのメッセージにしたのか…

 

東雲

「!!!」

 


(透!いつのまに横流しして…)

 


「良かったなぁ。写真、いっぱい撮っておいて」

「教官との思い出を、一緒に振り返ることができますもんね」

 

東雲

「……」

 


(…まぁ、確かに…)

 


それについて、否定するつもりはない。

実際、このアルバムが嬉しくないわけではないのだ。

あゆむんらしい言い方w

素直にうれしいとは言わないのねw

 


特に、最後の「ガーベラ畑」のページを開いたとき、

 

「この写真が最後で『つづく』だと…」

「次のアルバムも『希望』に満ちたものになるかなぁ、なんて」

 


照れくさそうに笑う彼女を見て、思わず素直に返してしまったくらいには。

 


東雲

「いいんじゃない」

「キミらしくて」

 

「ホントですか!?『恥ずかしい』とか思いませんか!?」

 

東雲

「べつに」

「嫌いじゃないし。こういうの」

 


(…うわ、恥ずかしすぎ)

(なに言ってんの、オレ)

 


ついにいたたまれなさが限界値を超えて、オレはキッチンへと逃げ出した。

その際「奥付」のことを伝えたのは、ちょっとした意趣返しのつもりだ。

 


「もう…もう…」

 

 

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 

 

 

「もう――っ」

 


(…ざまーみろ)

(オレにサプライズなんて、1000年早い…)

 


「教官ーっ」

 

東雲

「ぐっ…」

 


(ちょ…)

(抱きつくにしても、勢いつけすぎ…)

 


「ズルいです!」

「こんなサプライズ、聞いてないです!」

「最後の最後で『共同作業』だなんて」

やっぱりヒロインちゃんは斜め上の人だ(*つ▽`)っ)))

 


(…は?)

 


「でも、そういう教官が好きです!大好きです!」

「次のアルバムは一緒に作りましょうね!」

 


(…なるほど、そうきたか)

(ほんと、うちの彼女は…)

 


仕方がないから、体勢を変えて彼女と向き合う。

彼女は嬉しそうに笑うと、今度は真正面から抱きついてきた。

 


東雲

「重…」

 

「知ってます」

「でも、教官限定です!」

 

東雲

「………あ、そう」

 


脳裏をよぎったのは、さっきのアルバムの最初のページ──

 


サインペンで綴られた、手書きのメッセージだ。

 

 

――『東雲教官、2年間お世話になりました。このアルバムはちょっと重いです。私からの愛と感謝をいっぱい詰め込んだせいです。こんな重たい私を、いつも受けとめてくれてありがとうございます。これからも、どうかいっぱい受けとめてください。 稲葉綾』

 

 

(ほんと、重たすぎ)

 


でも、その重さが嫌いじゃないオレも大概で…


 

それこそが、「愛の奇跡」なのかもしれなかった。

 

 

 

~ Fin ~

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 

 

………。

 

すごくよかった!!!!

カレ目線期待して良かったよー!!

やっぱりいつまで経ってもあゆむん√は、カレ目線必須だね( ̄▽ ̄)♡w

『初めての夜』の目線…

欲望丸出しな感じ…

見てるこっちが興奮するーーー!!www

長かったもんねぇ!?

ここまでくるのが…

 

次の楽しみは近々配信の「勘違いBABY」と配信がまだまだまだ先のSeason3「最愛の敵」編だね(・∀・)/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2話目もレポいきまーす(^^)/

 

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 

 

(な、なんで宮山君まで来てるの!?)

 

あ然とする私の隣で、千葉さんはにこやかにふたりに声をかけた。

 

千葉

「おつかれさまです」

 

宮山

「千葉先輩?それに稲葉先輩も…」

「もしかしてデートですか?」

 

(ちょ…っ)

 

千葉

「違うよ。偶然そこで会ったんだ」

「で、東雲教官の家まで案内してもらっただけ」

 

宮山

「へぇ、案内…」

「稲葉先輩、東雲教官の家をご存知だったんですね」

 

「そそそ、それはもともと補佐官だったからで…」

 

宮山

「ああ、そういえば先輩、前に言ってましたもんね」

「非番の日に夜中0時過ぎに、教官と同じ空気を吸いたくて、近所をウロウロ…」

 

「ああああっ」

 

(言ったけど!言った気がするけど!)

(あれは、非番日に教官の家に行ったのを誤魔化すためで…)

 

東雲

「キミたち、もう少し静かにしてもらえるかな」

「ここ、エントランスなんだけど」

 

宮山

「それもそうですね。じゃあ…」

「東雲教官の家で話すのはどうですか?」

「それならご近所迷惑にもならないでしょうし」

 

(なっ…それは…)

 

東雲

「そうだね。せっかくだからお茶くらい出そうか」

 

(ええっ!?)

 

東雲

「千葉は、資料のピックアップだったよね」

「用意するのにもう少し時間がかかるから、キミもあがっていけば?」

 

千葉

「ありがとうございます」

 

(マズい…このままじゃ、絶対千葉さんにバレる!)

(こうなったら…)

 

「教官!稲葉も部屋に上がりたいです!」

 

東雲

「え、べつにキミは…」

 

「ぜひあがらせてください!」

「ていうか、お手洗い!お手洗いをお借りしてもいいですか!」

 

宮山

「なんですか、その悪徳セールスマンみたいなやり口…」

 

(よけいなお世話!)

(こっちは必死なんだから!)

 

東雲

「…ま、いいけど」

「はい、鍵。部屋番号、覚えてる?」

 

「はい!」

 

東雲

「じゃあ、お先にどうぞ」

 

「失礼します!」

 

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 

 

 

(とりあえず私物…全部片付けないと!)

(雑誌、化粧ポーチ…バッグも寝室の隅っこに隠しておいて…)

(あと、床の上の「髪の毛チェック」もしないと…)

 

宮山

「へぇ、ここが教官のご自宅ですか」

 

千葉

「さすがにきれいに片づいてますね」

 

(もう来た!早すぎ!)

 

宮山

「…あれ、どうしたんですか、先輩」

「床に這いつくばって」

 

「え、ええと…その…」

「床がつるつるして気持ちいいなぁって」

 

宮山

「そうですか?」

「そのわりに、ずいぶん汗をかいているようですけど」

 

千葉

「ああ、稲葉、暑いんだって」

 

宮山

「暑い?外の気温5度なのに?」

 

(うう、もう嫌だ、この状況…)

(緊張しすぎて胃が痙攣しそう…)

 

東雲

「みんな、てきとうに座って」

「今、コーヒーを用意するから」

 

(…きた!これだ!)

 

「教官、コーヒーなら私が…」

 

(よし、これでキッチンに逃げられる!)

 

宮山

「稲葉先輩、この家のキッチンを把握しているんですか?」

 

(ぎゃーっ!)

 

「し、ししし知らないけど!」

「コーヒー淹れるのは補佐官の役目かなって…」

 

宮山

「『元』ですよね?」

 

「だったら『後輩』!」

「後輩として、先輩にコーヒーを淹れさせるわけには…」

 

千葉

「それなら俺が淹れようか」

 

(千葉さん!?!?)

 

宮山

「…なんで千葉先輩が?」

 

千葉

「え、だって『先輩・後輩』ってことなら俺も該当するし…」

 

宮山

「該当しても、コーヒーがどこにあるのか知らないでしょう?」

 

千葉

「そうだけど、それな稲葉も同じだよな?」

 

「同じだよ、同じ!」

「私、なにも知らないから!」

「コーヒー豆の置き場所も、コーヒーメーカーの使い方も…」

「マグカップがどこにあるのかも、ぜんっぜん知らない…」

もう知ってるって言ってるようなもん( •ө• )w


東雲

「はい、お待たせ。アイスコーヒー」

 

ドンドンドンドンッ、とそれぞれの前にグラスが置かれた。

 

「…すみません…」

 

千葉

「ありがとうございます」

 

宮山

「……」

 

東雲

「…なに、宮山」

 

宮山

「俺のだけ、どう見てもアイスコーヒーじゃないんですけど」

 

東雲

「ああ、キミのは特別だから」

「『幻のネクター限定ファジーネーブル風味』」

 

宮山

「!」

 

東雲

「好きでしょ、キミ。そういうの」

 

宮山

「…すみません、俺。『オレンジジュース』一択なんで」

「ということで交換してください、稲葉先輩」

 

東雲

「!!」

 

「えっ、どうして?」

 

宮山

「先輩、おいしいって言ってたじゃないですか。ファジーネーブル味」

 

「言ったけど、今日はダメだよ」

「アイスコーヒー、口つけちゃったし」

 

宮山

「いいです。俺、そういうの気にしないんで…」

 

千葉

「だったら俺と交換する?」

 

宮山

「えっ」

 

千葉

「一度、飲んでみたかったんだ、それ」

「俺もアイスコーヒー1口飲んじゃったけど、気にしないんだよね?」

 

宮山

「そ、それは、まぁ…」

 

千葉

「じゃあ、俺のをどうぞ」

 

宮山

「は、はぁ…」

 

東雲

「…ぷっ」

 

宮山

「!」

 

(なんか、おかしな雰囲気になってきた気が…)

(怖いから、あまり関わらないように…)

 

東雲

「そう言えば、少し前の話だけど」

「稲葉さん、学校で居眠りしているとき、寝言を言ってたよね」

「『ダメーっ、千葉さん』って」

意地悪(・∀・)


千葉

「えっ」

 

「!!!」

 

(それ、たぶん今日の寝言…!)

 

東雲

「あれさー、なんの夢みてたの」

 

「そ、そそそそんな大層な夢ってわけじゃ…」

 

宮山

「でも、ずいぶん意味深ですよね」

「『ダメぇっ、千葉さぁん』って」

 

(宮山くんまで!?)

(ていうか、そんな色っぽい言い方してないし!)

 

「……ごめん、覚えてない」

 

2人

「「嘘だ」」

 

「嘘じゃないです!」

「本当にその…覚えてない…」

 

(ってことにしてほしいんですけど…!)

 

千葉

「…そう言えば、俺も最近稲葉の夢を見たよ」

 

「えっ」

 

千葉

「まぁ、正確には『稲葉と佐々木』の夢なんだけど」

「2人が失恋して号泣して、俺がごはんをおごらされるって夢」

 

宮山

「へぇ、案外『正夢』だったりして」

 

千葉

「つまり、稲葉と佐々木が失恋するってこと?」

 

宮山

「ええ」

 

(なっ…)

 

「そ、そんな縁起の悪いこと言わないでよ」

 

宮山

「そうですか?むしろ、いいことかもしれませんよ?」

「失恋って、新しい恋の可能性が広まるわけですし」

ないよ!

あゆむん一筋なんだから(°_°)♡


千葉

「ああ、なるほど」

 

東雲

「…あいにく、夢は他人に話した時点で正夢にならなくなるらしいけどね」

 

「ほんとですか!?」

 

東雲

「少なくとも、オレはそう聞いているけど」

 

宮山

「へぇ、東雲教官って案外迷信とか信じているんですね」

 

東雲

「べつに。オレは聞いた話を伝えただけ」

 

宮山

「じゃあ、千葉先輩が見た夢は正夢で決定ですね」

 

東雲

「オレは逆夢だと思うけど」

 

「あの、2人とも落ち着いて…」

 

千葉

「なんか悪いことしちゃったかな。俺が夢の話をしたせいで…」

 

「そんなことないよ!」

「夢の話をしはじめたのは東雲教官だし」

 

(このふたりが言い合ってるのは、アレがアレで、アレだからで…)

 

東雲

「…そう言えば、千葉に預かってほしい資料、2通あるんだけど」

「1通目はそこにある封筒だから」

 

千葉

「ああ、これですね」

 

千葉さんが、テーブルの上にあった茶封筒を手に取った。

 

すると、その下に現れたのは…

 

「!!!」

 

(ガーベラのペンダント!?)

(なんで、アレが封筒の下敷きに!?)

 

千葉

「へぇ…資料、けっこうありますね」

 

(…よかった、千葉さんはまだ気付いてない)

(今のうちに、ペンダントを回収しないと)

(さり気なく、手をのばして…)

あれ?

千葉さんってこれがヒロインちゃんのだって知ってるんだっけ…??

 

千葉

「あ、稲葉…」

 

「…っ、ななな、なに!?」

 

千葉

「先月借りた本、まだ借りていてもいいかな」

「時間がなくて読み終わってなくて…」

 

「いいよ!好きなだけ借りちゃって!」

 

(それよりペンダント!どうにかしないと…)

 

焦る私の目の前で、宮山くんが素早く右手をテーブルの上に滑らせた。

 

(あっ!)

 

宮山

「……」

 

(宮山くんが、ペンダントを…!)

(ありがとう!隠してくれてありがとう!)

(それにしても、どうして封筒の下にあったんだろう)

(昨日、洗面所で外した気がするんだけどな)

 

 

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 

 

 

そんなこんながありながらも、なんとか「自宅訪問」は終了して…

 

千葉

「それじゃ、資料、たしかにお預かりしました」

 

宮山

「コーヒー、ごちそうさまでした」

 

「え、ええと…」

「おじゃま、しました」

 

東雲

「3人とも気をつけて帰ってね」

 

 

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 

 

 

(とりあえず、駅までは一緒に行こう)

(そのあとは、適当に理由をつけて離脱して…)

 

千葉

「そういえば、宮山はなんで東雲教官の家に来ていたの?」

 

宮山

「レポートのアドバイスをもらいにです」

「最初は、この近くの図書館を利用していたんですけど、どうしても腑に落ちないところがあって」

「それで、ふと『東雲教官の自宅、この近所だったなぁ』と思って」

 

(なるほど、そういうこと…)

 

宮山

「でも、よかったです。カノジョと一緒のときじゃなくて」

 

「ゲホッ」

 

千葉

「ああ、たしかにそれは気まずいよなぁ」

 

宮山

「でしょう?」

「まぁ、いたらいたで面白かった気もしますけど」

 

(ちょ…!)

 

千葉

「ハハ…たしかに」

「案外、寝室とかに隠れていたりして」

 

「!」

 

宮山

「いやぁ、むしろ『木を隠すなら森の中』じゃないんですか?」

 

「!!」

 

千葉

「…うん?『森の中』って…」

 

「あああ、あの!」

「私、寄るところがあるから、これで!」

 

千葉

「そう?じゃあ、また…」

 

宮山

「待ってください、稲葉先輩」

 

宮山くんは、私の右手をとると、握手するようにギュッと握ってきた。

 

宮山

「今日は面白かったです。それじゃ」

 

「う、うん…おつかれ…」

 

ふたりを見送ったあと、そっと右手を開いてみた。

手のなかにあったのは、例のガーベラのペンダントだった。

 

 

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 

 

 

その日の夜…

 

「はぁぁ…」

 

ソファでぐったりしていると、教官にしょっぱい顔をされた。

 

東雲

「…なに、その態度」

「陸にあげられたかっぱ?」

 

「もうなんとでも言ってください」

「残りのライフ値、ほぼ『0』ですから」

 

(でも、千葉さんにバレずに済んでよかったな)

(そういう意味では、外出中に会えたのは不幸中の幸い…)

 

「あっ!」

 

東雲

「…なに?」

 

「教官、ちょっとそこにいてください!」

 

 

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 

 

 

(ええと、作りかけのアルバムは、さっきベッドの下に隠したはず…)

 

「あった!」

 

(空いているページに、印刷してきた写真を貼って…コメントをつけて…)

(…完成!)

 

「よし、あとは…」

 

 

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 

 

 

「教官~!」

 

東雲

「…なに」

 

「私たち、出会ってからもうすぐ2年ですよね?」

「そーこーで…」

「どうぞ!」

 

東雲

「…………なにこれ」

 

「2人の『愛の軌跡』を綴ったアルバムです!」

 

東雲

「奇跡?ミラクル?」

 

「違います!」

「そりゃ、教官と付き合えたのは、ある意味『奇跡』ですけど!」

「今回言いたいのは、『道筋』とか、そういう意味の『軌跡』です!」

 

東雲

「……」

 

「というわけで、一緒に見ていきましょう」

「まずはこれ!入学式の写真です」

小さく写ってるとかってパターン??w

 

東雲

「…キミしか写ってないんだけど」

 

「大丈夫です!ほら、ここ!」

「この隅っこに小さく教官が写っています!」

「なんと、これが初の2ショット写真です」

やっぱり~!w

 

東雲

「……」

 

「2ページ目。じゃじゃんっ!」

「温泉旅館で行われた研修のとき!」

 

東雲

「ああ、キミが池に落ちて、生臭くなったときの…」

 

「そ、そのことは忘れてください」

「それより大事なのは、この1枚です!」

 

東雲

「…なにこれ」

 

「わかりませんか?」

「私と教官、離れた場所にいるのに同じポーズを取っているんです!」

「シンクロです!奇跡です!」

「そんなわけで3ページ目…」

 

東雲

「…ねぇ、まともな写真はどのページから?」

 

「うっ、それは…」

「この7ページ目くらいからで…」

 

東雲

「遅っ」

 

「仕方ないじゃないですか!」

「その…私の片思い期間が、長かったわけですから…」

 

東雲

「ていうか、この7ページ目の、恐竜展のときのだよね」

「だったら、まだ付き合ってないじゃん」

 

(うっ、痛いところを…)

 

「と、とにかく!」

「ここから徐々にラブラブ愛の軌跡が始まるんです!」

「『ジルマ・ワンダーランド』とか、『さちさんの結婚式』とか…」

 

東雲

「……」

 

「スクーターで流星群を見たこともあったし」

言葉足らず事件ね(。・ω・)ノ゙w


「あと、お花見に行ったことも…」

 

ちゅっ、といきなり唇にキスされた。

 

「!?」

 

(な、なな…な…)

 

東雲

「キスとか控えてたよね、この花見の時期って」

「『泊まり』も禁止してたし」

 

「!!」

「そうです!」

「教官、いきなり『卒業するまでキスしない』って言いだして」

 

東雲

「撤回したけどね。わりとすぐに」

撤回って聞いて、本当に全てを撤回すると早とちりしたアホがここにおります\( ˙▿︎˙ )/w

 

「『すぐ』じゃないです。けっこう続きました!」

 

東雲

「…そうだっけ?」

「泊まり禁止は、そこそこ続いた気がするけど」

 

「お泊まり保育のお手伝いに行くまで、でしたよね」

「この写真のときの…」

 

東雲

「ああ、キミがオレの背中に抱きついて寝てた…」

 

「…っ!よ、よく覚えてますね、そんなこと」

 

東雲

「記憶力いいから。キミと違って」

 

「!!」

「わ、私だって、教官とのことはいろいろ覚えてます!」

「クリスマスとかバレンタインデーとか…」

「七夕のこととか!」

 

ページをめくるたびに、お互いの思い出を披露しあう。

 

たったそれだけのことが、ただただ楽しい。

 

東雲

「…で、この写真が最後?」

 

「はい。ガーベラ畑に行ったときの」

「絶対これを最後のページにしようと思って」

 

ガーベラの花言葉のひとつは「希望」だ。

 

「この写真が最後で『つづく』だと…」

「次のアルバムも『希望』に満ちたものになるかなぁ、なんて」

 

(って、ちょっと恥ずかしすぎるかな)

(『少女趣味』って笑われたりして…)

 

東雲

「いいんじゃない」

「キミらしくて」

 

(え…)

 

「ホントですか!?『恥ずかしい』とか思いませんか!?」

 

東雲

「べつに」

「嫌いじゃないし。こういうの」

 

(教官…)

 

「教官-っ」

 

東雲

「…あ、コーヒー忘れてた」

 

(な…っ)

(教官の胸にダイブしたかったのに!)

 

東雲

「それと、写真追加しておいたから」

「奥付のところに」

 

「…奥付?」

 

(奥付って、最後のページのことかな)

(日付とか制作者の名前をいれる…)

 

「!!!」

 

(こ、この写真は…!)

(教官と初めて「恐竜展」に行ったときの…!)

 

「教官、なんでこの『白目写真』がここに…っ」

 

(ていうか、アルバムを作ってたの、バレてたってこと?)

(いつのまに!?)

 

「もう…もう…」

「もう--っ」

 

私は、アルバムを閉じると、キッチンへ駆け込んだ。

 

いつも私の一歩前を行く教官に、抱きつくために。

 

そして、抱きしめかえしてもらうために。

 

 

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 

 

えっと…

あの!!!!!!

甘さ少なくない!?

卒業したあとだから期待してたのに…!!


とりあえず、カレ目線に期待します…

あゆむんのカレ目線だから、きっと甘め要素多いよね!?

レポするまで読まないで我慢します…




 



 

 

 

 

 

 

千早サンのレポ終わってないんだけど…

あゆむんのこれ出てたの知らなくて!!

リアルタイムでレポいきまーす(^^)/w

もう…

早くやりたくてしょうがなくて!!w

 

では早速レポいきまーす(^^)/

 

 

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 

 


それは、私が教官と『2度目の夜』を迎えた翌朝のこと。

初っ端がもう…♡

 

「う…ん…」

 

(あれ、ここ…ベッドじゃない?)

(ソファ…?)

 

「!?」

 

(なに、この添い寝状態)

(なんで私、教官と一緒にソファで寝て…)

 

「…あ、思い出した」

 

(久しぶりのデートで「セクシー大作戦」を決行したけど、全部失敗して…)

(そうしたら、教官が…)

 

 

東雲

「どうする?」

「開催してもいいけど。『ハニトラ』の特別補習」

「日にちは今日」

「場所はオレの家」

「まぁ…泊まりってことで」

 

(そんな「特別補習」のあと、夜中に目が覚めて…)

(リビングに来たら、教官がソファでうたた寝してて…)

(メガネを外してあげたら、そのまま抱きしめられて…)

 

--『おやすみ』

 

(…そっか、あのあと一緒に寝ちゃったんだ)

(そっか…そっか…)

 

少し体勢を変えて、教官の顔を覗き込んでみる。

 

長いまつげをこんな間近で見るのは、「初めての夜」以来だ。

 

(あの日も、こんなふうに教官の寝顔を眺めたよね)

(そうしたら、途中で教官が目を覚まして…)

今回も同じパターン(・∀・)??

 

(慌てて起きようとしたら、ぎゅうって強く抱きしめられて…)

 

 

東雲

「やだ…」

「いて…ここに…」

ぎゃーーーー(灬ºωº灬)


「○■×△×■※~~~!!!」

 

(もう…もう…)

(もう--っ!!)

 

(寝ぼけている教官って、どうしてあんなに可愛いんだろう)

(思えば、初めて寝起きの教官を見たときだって…)

 



{4A9125DF-641D-4638-887A-96381701B667}

東雲

「ホットケーキ…」

「ふわふわ…の…」

か、可愛い―――――♡

ほんとこれ好き♡←

 

「■○×※×■△~~~!!!」

 

(ダメだ、思い出しただけで心臓が…)

(今日は、どんな寝起きの教官が見られるのかな)

(早く見たいなぁ)

 

東雲

「う…ん…」

 

(きた!?)

(ついに、目覚めのときが…)

 

東雲

「んーん…」

「……すぅ…すぅ…」

 

(…あれ、違った?)

 

東雲

「すぅ…すぅ…」

 

(…ダメだ、寝ちゃった)

(寝起きの教官、早く見たかったのになぁ)

 

「…ま、いっか」

 

(私も二度寝しようっと)

(でもその前に…ちょっと移動して…)

 

チュッ!

 

(…しちゃった!唇、奪っちゃった!)

(教官には、ナイショにしておこうっと)

起きてたりして…(´∀`)w

 

「おやすみなさい」

 

(なんか、いい夢がみられそう…)

 

 

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 

 

「う…ん…」

 

(あれ…ここって教場?)

 

???

「嬉しいよ、俺のこと受け入れてくれて」

 

(…うん?)

 

???

「ずっと好きだったんだ、稲葉のことが。だから…」

 

千葉

「お互い、同じ気持ちだってわかって、すごく嬉しい」

 

「!?!?」

 

(なんで千葉さん!?)

(ていうか『同じ気持ち』??)

 

千葉

「稲葉…顔をあげて…」

 

(えっ、ちょ…)

(待って…待って待って!)

(きゃああああっ)

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 

 

 

「ダメ―っ、千葉さん…っ」

 

思わず叫んで、私は飛び起きた。

 

「はぁ…はぁ…」

 

(あれ…夢…?)

(なんだ、よかった…)

 

東雲

「誰が『千葉』だって?」

 

(ぎゃっ!)

 

「お、おはようございます」

 

東雲

「は?『おそよう』だけど」

「もう昼過ぎだし」

 

(うっ…)

 

東雲

「お昼どうする?」

 

「ええと…よければ何か作ります」

 

東雲

「あっそう」

 

眠たそうにあくびをしながら、教官はキッチンへと消えていった。

 

(ああ、びっくりした。へんな夢みちゃったな)

(千葉さんが私を好きとか、あり得ないのに)

(ほんとごめん、千葉さん!)

千葉さん…かわいそうw

 

東雲

「ちょっと。まだ?」

 

「はい、今行きます!」

「冷蔵庫、なにがありますか?」

 

東雲

「食パン、たまご、冷凍野菜…」

「あと、これ」

 

(エビ!しかも、すでに衣付き!?)

 

東雲

「…昼からブラックタイガーか」

とか言ってブラックタイガー好きなんじゃないの(・∀・)??

 

「そ、そうとは限らないじゃないですか!」

「大丈夫です!今日こそ、おいしいエビフライにしますから」

 

東雲

「どうだか」

 

肩をすくめる教官を尻目に、私は揚げ物の準備をする。

 

ちなみに教官は、冷凍野菜とたまごで「ココット」を作るようだ。

 

(それにしても、どうしてあんな夢を見たんだろう)

(二度寝の前に、こっそり教官にキッスしたから?)

(だったら、相手は教官でもいいはずなのに…)

 

東雲

「そろそろじゃない、油」

 

「あ、はい…」

 

(…じゃあ、深層心理的ななにか?)

(実は私、「千葉さんを好き」とか?)

(いやいや、それはさすがに…)

 

東雲

「エビ、ひっくり返したら?」

 

「あ、はい…」

 

(だとしたら、何かの暗示?)

(千葉さんの身に、なにか起きるとか?)

(それか、千葉さんがトラブルを運んでくるとか…)

ヒロインちゃんじゃあるまいし…w

 

東雲

「もういいんじゃない、それ」

 

「あ、はい…」

 

教官に言われるまま、私はエビフライを揚げ油から取りだした。

 

東雲

「……」

 

「……」

 

(ええっ!?)


「きょ、教官!」

「見てください!エビが…エビフライがついに!!」

 

東雲

「当然」

「オレが指導し…」

 

「教官-っ!」


東雲

「ぐっ」

「ちょ…抱きつくな!離れろ!」

 

「だって、教官!」

「卒業です!ブラックタイガーも卒業ですよ!?」

 

東雲

「どうだか」

「仮免じゃないの。せいぜい」

 

「だとしても嬉しいです!」

「食べる前に、記念撮影しましょう!」

 

東雲

「…バカ」

照れてるあゆむん…♡(〃∇〃)​​​​​​​カワイイ

 

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 

 

 

初めて上手に揚げられたエビフライは、サクサクですごく美味しかった。

 

けど、教官はなんだか微妙な様子で…

ほらねー!

 

東雲

「ヘンな感じ」

「ブラックタイガーじゃないとか」

 

「…っ、ブラックはもう卒業です!」

 

東雲

「(仮)ね」

 

「そんなことないですってば!」

 

こうして、昼食も無事に食べ終えて…

 

 

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 

 

 

「うーんっ」

 

(これで片付けもおしまい…っと)

 

「教官、このあと…」

 

(…あれ?)

 

東雲

「すぅ…すぅ…」

 

(…また寝ちゃってる)

(よっぽど疲れてるんだろうな。昨日も真夜中に仕事してたくらいだし)

 

教官に毛布をかけて、私は床にぺたりと座り込む。

 

(さっきのエビフライの写真、見ようっと)

 

「…ふふふ」

 

(いい揚がり具合だよね)

(うんうん、どの写真も美味しそう…)

 

シャッ!

 

「あっ!」

 

勢いよく、スワイプしたせいだろう。

 

スマホに画面に、少し前に撮った写真が表示された。

 

(これ、教官と行ったガーベラ畑の…!)

(きれいだったな。一面が色とりどりの花だらけで…)

 

シャッ!

 

「うっ」

 

(こ、これは卒業式の夜の写真…)

 

シャッ!

 

(この泣き顔は…卒業式後かぁ)

 

シャッ!

 

(で、これは…)

 


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(海…)

(そうだ、あのとき、教官…)

 

 

――「好きだよ、綾」

――「ああ…意外と悪くないね」

――「キミのこと、名前で呼ぶの」

 

(…あれ、すごく嬉しかったなぁ)

破壊力すごかったよ、わたし的には\( ˙▿︎˙ )/

(で、次の写真は…)



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(あ、恐竜展!)

(教官、恐竜の「VR」で大はしゃぎしてたっけ)

(それと、ようやくカップルっぽい写真が撮れて…)

 

――「…へぇ、悪くないじゃん」

――「1年越しで目標達成」

 

(…うんうん、1年越しだった。長かったなぁ)

(で、他には…)

 


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(クリスマスのときのスケートリンク!教官めっちゃふれくされてる)

 

――「これをどう見たら大丈夫に見えるの?」

――「自分の方が珍しく優位だからってドヤ顔しないでくれる?」

 

(最初滑れなくて、ずっと震えて手すりにしがみついてて…)

(あ、でも写真は撮るなって怒られたから隠しておかなきゃ)

 

 

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(これは…「サバイバル訓練」のときのだ)

(最後の最後にやらかして、教官に怒られたっけ)

 

――「公安だって言うなら盾になんかなるな」

――「庇うならせめて押し倒せ。間違っても撃たれるな」

 

(って…)

 

 

 

順番にさかのぼっていくたびに、思い出が鮮明によみがえってくる。

 

どれもこれも、私にとってはかけがえのない大切な思い出だ。

 

(教官は、どこまで覚えてくれているのかな)

(案外けっこう忘れていたりして)

 

「…ありえる」

 

(もともと私の片思いから始まったんだもんね)

(教官を好きになって、必死に追い掛けて…)

(これからも、ずーっと私が教官を追い掛けるんだろうなぁ)

そうでもないよ――(///∇//)​​​​​​​

 

「…ま、いっかー」

 

今は、追い掛けた先で、教官が待ってくれていることを知っている。

 

追いついて抱きつけば、ちゃんと受けとめてくれることも。

 

(だって大事にされてきたもん、私)

 

(その証拠に、どの写真も素敵な思い出が…)

 

「…そうだ!」

 

(この写真で「アルバム」を作ろう!)

(2年間のお礼と、「これからもよろしく」的な気持ちを込めて)

 

ちらりと振り返ると、教官はまだ爆睡している。

 

この様子だと、当分起きることはなさそうだ。

 

(よーし!)

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 

 

(まずはアルバムの台紙…駅前の百貨店に行けばあるよね)

(あとは、マスキングテープとサインペンを買って…)

(コンビニで、スマホの写真を現像して…)

 

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 

 

 

「ただいま…」

 

(教官は…)

 

東雲

「すぅ…すぅ…」

 

(…よし、寝てる!)

(今のうちに、寝室に行って…)

 

(一番古い2ショットは「公安学校★秋の大感謝祭」の写真だっけ?)

ちょー懐かしいね!


(でも、できればもっと前の写真も入れたいし)

(クリスマスも、お花見も外せない…)

(っと、ホワイトデー!これ、絶対にいれないと!)

 

レイアウトを決めて、写真を貼りつける。

 

さらにコメントを書いて、マスキングテープでデコレーションをしてみた。

 

(うんうん、いい感じ)

(これなら最高のアルバムができそう…)

 

「!!!」

 

(しまった…絶対に外せない1枚を忘れてた!)

 

(室長主催の飲み会で、教官が泥酔してしまったときの…)

 

 

{086EA1C8-5194-4445-83D2-B4E187D8C5AD}

ぎゃーーー(°▽°)♡
超絶かわいかったやつ!!
これは…ヒロインちゃんの代わりに電気ブラン飲んでくれた時の( °◡͐︎°)✧︎
もう…このあと家帰った時のあゆむんを思い出すだけでニヤニヤが止まらんっ!w

 

東雲

「ひょーごしゃーん…」

 

加賀

「……」

 

東雲

「ひょーごしゃー…もう飲めな…」

 

後藤

「おい、歩…」

 

颯馬

「これはなかなか貴重な光景ですね」

 

黒澤

「そのとおり!まさにレア中のレアですよ!」

「今のうちに写真におさめておかないと…」

 

(あのあと、黒澤さんがこっそり送ってくれた写真…)

(たしか、別のフォルダに…)

 

 

「…あった!」

 

(これ、外したらダメだよ!)

(絶対アルバムに残しておかないと)

 

 

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 

 

 

そんなわけで、再び…

 

「データ転送、OK!」

「あとはボタンを押して…」

 

少し待っていると、プリントアウトされた写真が出てきた。

 

(ああ、もう…!何度観ても可愛すぎ!)

(遊園地で「女豹カチューシャ」をつけたときの「あざと可愛さ」も捨てがたいけど…)

(こっちは「天使系」の可愛さなんですけど…!)

 

悶えたいのを堪えて、プリントアウトしたばかりの写真を鞄にしまい込む。

 

あとは、この写真を貼れば「アルバム」はほぼ完成だ。

 

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 

 

 

(この写真のコメント、どうしようかな)

(「天使」とか書いたら、さすがに怒られそうだし)

(いっそ「ひょうごしゃーん」にする?それとも…)

そっちのが怒られるわww

 

???

「…稲葉?」

 

(うん?)

(ぎゃ…っ!)

 

千葉

「よかった、やっぱり稲葉だ」

「偶然だな、こんなところで会うなんて」

 

「う、うう、うん!ええと…」

「お久しぶり」

 

千葉

「久しぶり。先週の飲み会以来だよな」

 

「う、うん…」

 

(どうしよう、めちゃくちゃ気まずい)

(今朝、あんな夢見ちゃったせいで…)

 

千葉

「そうだ!稲葉、東雲教官の家、知ってる?」

 

(な…っ)

 

「どどど、どうして私が、東雲教官の家を…」

 

千葉

「??」

「だって稲葉、この間まで東雲教官の補佐官だっただろ?」

 

「…っ、そ、そうだね!そうだった!」

 

(落ち着け、私!もっと冷静になって…)

 

「ええと…家なら知ってるよ。案内しようか?」

 

千葉

「いいのか?」

「稲葉、なにか用事があったんじゃ…」

 

「あったけど終わったから!もう帰るとことだったから!」

 

千葉

「そっか。じゃあお願いしようかな」

「実は、颯馬教官から、資料をもらってくるように頼まれてさ」

 

「そ、そうなんだ…」

「卒業してからも頼りにされてるんだね」

 

千葉

「そうなのかな」

「まぁ、颯馬教官からはいろいろな仕事を任されたから…」

 

「ははっ、たしかに…」

 

(…ダメだ、冷や汗が止まらない)

(資料って、玄関先で受け取るんだよね)

(まさか、家のなかまで入ったりしないよね?)

 

千葉

「…稲葉、もしかして具合が悪い?」

 

「えっ」

 

千葉

「さっきから顔が真っ赤だけど…」

 

「そ、それは、ちょっと暑いせいじゃないかな?」

「あー暑い!ほんと暑い!」

 

千葉

「そうかな。今日の気温、たしか5度のはず…」

 

「あっ、ほらあそこ!」

「あのマンションが東雲教官の家だよ」

 

千葉

「へぇ、そうなんだ。立派なマンションだなぁ」

「…あれ?」

 

ふいに千葉さんが立ち止まった。

 

千葉

「なぁ、稲葉…あの入り口のところにいるの…」

 

(え…)

 

 

 

{2E31400A-4ACD-40CB-9276-89901A7FC745}

 

 

(ええっ!?)

 

千葉

「…やっぱりそうだ」

「あれ、東雲教官と宮山だよな?」

 

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 

 

 

 

千早サンのレポ、いきまーす(^^)/

注)ネタバレです。

途中心の声がありますが、それでも良ければどーぞ☆

 

 

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 

 

 

(なっ・・・・・・コレどういうこと!?)


パソコンの前で頭を抱えていると、隣の席の編集者が私の肩につんつんとふれた。


編集者「稲葉さん、コレ」


私のデスクに彼女の携帯がちょこんと置かれる。

加賀静子と千早センセイの話題にふれた番組が流れていた。


コメンテーター『加賀さんは我々の世代のマドンナだからね。失敗して、しかも訴えても放置したなんて、最低な医師じゃないか!』

(そんなワケないよ。もしミスしたとしても、見過ごしたりなんかできる人じゃないもの・・・・・・)


背後からペしんと頭を叩かれる。


綾「いっ、痛い・・・・・・」

編集長「てめ、何サボってやがる・・・・・・今日中にあの記事差し替え分作れなかったら・・・・・・わかってるだろうな・・・・・・」

綾「今すぐやります、絶対終わらせますッッ!」

(と言っても・・・・・・電話だけでもしたいけど・・・・・・)


そう思って携帯を手に取ろうとすると、バイブが鳴った。

千早センセイからの電話だった。



゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚




綾「もしもしッ!」

千早『ああ、僕だけど。連絡が遅くなってごめんね』

綾「大丈夫なんですか・・・・・・?」

千早『ふふ。心配してくれてるの?』


私はほっとした。いつもの千早センセイだ。


綾「・・・・・・心配してます」

千早『ありがとう。大丈夫だよ』

綾「何かできることがあったら、言ってくださいね」

千早『気持ちだけ受け取っておくよ。ただ、しばらく会えなくなるかもしれないんだけど・・・・・・いいかな?』


子供をあやすような優しい声音で言われて、私はくすくすと笑った。


綾「さびしいけど、大丈夫です。他に、何かできることはありませんか?」

千早『大丈夫。今回はおとなしく待ってて?・・・・・・あ、呼ばれてる。ごめんね、また連絡するから』

綾「あ、ちはやセ・・・・・・」


電話はぷつりと、あっけなく切れた。


(待ってるだけしかできないのかな・・・・・・)


ペッシーンと頭上でいい音が響く。


綾「いっ・・・・・・痛いっ・・・・・・!」

編集長「オラ、稲葉!早くしろッ!」

綾「ごっ、ごめんなさい~!」

(とにかく、仕事を終わらせないと動けない・・・・・・!)


急いで、目の前の仕事に取りかかった。



゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 

 


朝日が眩しく、目を細めた。


(徹夜明けの朝日って、浴びてると灰になるんじゃないかって思う瞬間があるよね・・・・・・)


仕事を何とか終えて、帰ろうとしたその時。

スーツ姿の3人が、私の前に立ちはだかった。

全員、テレビ局や新聞社の腕章をしている。


(な、なんでマスコミがこんなトコに・・・・・・??)


ずいっと私にマイクが伸びてくる。


(な、なんで!?)

記者A「稲葉さんですか?読買テレビの者ですが、國府田千早さんについてお伺いしたいんです」

綾「・・・・・・え、えーと・・・・・・?」

記者B「特別に國府田さんと親しくされてますよね」

記者C「何か一言くらいくださいよ!」
 
(え、ええ!?)

記者B「どうなんですか!言わないってことは何か知っているということですか!?」


マイクを突きつけられ、カメラが私を捉える。


(どっ、どうしよう・・・・・・!)

??「すみません、うちの社員に何か!?」


振り向くと、編集長がお得意の営業スマイルを使いつつ、威圧感を漂わせている。


編集長「うちの持ってるネタを同業者に渡すワケがないでしょう。お帰りください!」


記者たちは舌打ちをしたり、罵声を編集長に浴びせたり、礼儀正しく会釈をしたりとそれぞれの反応を示し、帰って行った。


綾「編集長、ありがとうございます・・・・・・」

編集長「・・・・・・フン。タバコ吸いに来ただけだ」


背伸びをしながら、編集長は社内に戻っていった。


(って。タバコ、吸わずに戻っちゃった・・・・・・)


突きつけられたマイクを思い出して、体が小さく震える。


(眠かったからあまり実感なかったけど、マスコミにあんなふうに囲まれるって怖いな・・・・・・)



゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚



綾「ただいまぁ・・・・・・」


声をかけたけれど、反応がない。

風子はもう会社へ出かけてしまったらしい。

そのときバッグの中からバイブ音が聞こえて、ビクッと体を震わせた。

見ると、知らない番号からの着信だった。


(誰だろう・・・・・・)

綾「もしもし、稲葉です」

??『あ、綾?廣瀬なんだけど』

綾「廣瀬さんですか?えっと・・・番号、よくご存知でしたね」

遼一『ああ、至急だったから会社に電話させてもらった。千早さんのことなんだけど、何か聞いてる?』

(至急・・・・・・?)

綾「しばらく会えないからって、聞いてます」

遼一『今からカジノに来れない?』

綾「え?」

遼一『みんなで作戦会議するんだよ』


廣瀬さんはどことなく、ウキウキしたような声音で言った。



゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 

 



テーブルには千早センセイ以外のメンバーが全員そろっている。

着いて早々、悠月さんが話を切り出した。


悠月「稲葉は、國府田さんの件、どうしたいと思ってンだ?」

綾「え?どうしたい、って・・・・・・」

悠月「國府田さんのために手助けがしたいか、したくないかって話だよ」

綾「え、えと・・・・・・」

皐月「悠月。その言い方じゃあ、手伝いをすると言いたくなるだろう」

悠月「・・・・・・チッ、バレたか」

皐月「千早はこの件について、稲葉さんを巻き込みたくないと思ってる」

綾「それは、どういう意味ですか・・・・・・?」

皐月「危ない目に遭わせたくないってことです」


言われて、胸が熱くなった。


(千早センセイ・・・・・・)

未来「ねぇ、綾ちゃんはどうしたい?」
あぁ…そらさんみたい…♡

私は・・・


A助けたい
B千早センセイの考えに従う
C何かしたいけど怖い


━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─

A:助けたい
綾「でも・・・・・・できることがあるなら、やりたいです」

皐月「そう言うと思いました。でも千早は喜ばないかもしれない。稲葉さんにこれ以上何かあったら・・・・・・」

(これ以上・・・・・・って、もしかして皐月さん、堀北さんが私にしたことを知ってるの?)

綾「大丈夫です。こんなときに何もできないなんて、そっちのほうが辛いもの」


ソファに座った廣瀬さんは、愉快そうに膝を叩いた。


遼一「綾、よく言った!」

悠月「兄貴、オレの勝ちだな」

皐月「・・・・・・全く困ったものだね。私も千早に怒られてしまいそうだ」

綾「私が決めたことですから、皐月さんのせいじゃないです」

皐月「・・・・・・それでも、怒られるよ。あいつは怒ると怖いんだから」
(・∀・)気になる…w

はあとため息をつく皐月さんを尻目に、廣瀬さんは手に持った書類を掲げて、楽しそうな顔をしている。


(そ、その書類・・・・・・なんだろう・・・・・・??)


B:千早センセイの考えに従う
(電話でも、私をこの件に関わらせたくない感じだったもんね・・・・・・)

綾「今回は、おとなしくしてます」

皐月「わかってくれてよかった。僕も、今回は行かないほうがいいと思いますよ」

遼一「えぇ~!?つまんないなぁ」

悠月「お前、自分の意思はねぇのかよ」

ノエル「・・・・・・でも、彼・・・・・・うわべだけじゃなく、辛いときに一緒にいてくれる相手がいいって言ってたよ」


ぽつりと言ったノエルさんの一言が、私の心を捉える。

ノエルさんはそれ以上なにも言わず、あさって方向を見ている。
(((o(*゚▽゚*)o)))いい事いった!

(辛いときに一緒に・・・・・・か)


私は顔を上げて、皐月さんに言った。


綾「・・・・・・そんなこと言われたら、助けに行かなくちゃいけないじゃないですか」


笑ってノエルさんを見ると、ちらっと私を見た。


皐月「綾さん!?」

綾「ごめんなさい。私・・・・・・」

悠月「決まりだな、兄貴?」

皐月「・・・・・・・・・・・・・・・・・・困ったものだね」


C:何かしたいけど怖い
脳裏に一瞬、さっきの記者たちや、堀北さんとのことがよぎる。

私は何も言えず、身をこわばらせた。


皐月「稲葉さん、無理しなくていいんですよ?あなたを危険な目に遭わせたくないって千早の気持ちを汲んでください」

綾「・・・・・・皐月さん」

未来「堀北さんから何かされたんでしょ」

綾「どうしてそれ・・・・・・?」

未来「有名だから。彼女のことは、今に始まったことじゃないんだよ」

ノエル「でも、千早さんと一緒にいることを怖がった女性は、全員別れることになる」


ノエルさんの一言で目が覚める。


(ノエルさんの言うとおりだ・・・・・・こんなことを怖がっていたら、千早センセイと一緒になんていられないよね・・・・・・)

綾「ノエルさん、ありがとう。そうだよね」


私は皐月さんを見つめて言った。


綾「私、千早センセイの手助けがしたいです」

皐月「おいノエル・・・・・・」


ノエルさんは皐月さんと目を合わせることなく、ついとあさってのほうを向いた。

━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─



遼一「さーて、綾のため、あくせく働かせていただこうかな!」


そう言って渡されたのは、韓国行きの航空チケット。


悠月「千早さんは今、ソウルにいる。今夜のフライトで取っておいた」

綾「え?あ、あの。明日も仕事があるんですけど・・・・・・」

未来「大丈夫。風邪で休みってことにすればどうってことないよ?」


未来くんはにっこり、満面の笑みを見せた。



゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ 

 

 



仕事は入稿直後だったこともあって、何とか2日だけ休みをもぎ取ることができた。


(まさか、こんな形で韓国に来ることになるなんて思わなかったよ・・・・・・)


仁川国際空港で千早センセイが待っているはずだからと言われたけれど、私の足取りは重い。


(徹夜明けってこともあって、勢いで来ちゃったけど・・・・・・。こんな押しかけるようなことして、千早センセイから嫌われたらどうしよう)


決めたのは自分なのに心が揺らぐ。

ため息をついた瞬間、ぐいと後ろから腕を引っ張られた。


綾「・・・・・・っ!」


一瞬身構えたけれど、かすかな香水の匂いでわかった。


(千早センセイだ・・・・・・)


背後から抱きしめられて、立ち止まったまま動けなくなった。


千早「・・・・・・どうして来たの?」
会いたくて…(´□`。)

耳元で聞こえる声に、体が熱くなっていく。


Aこんなときだから一緒にいたいの
Bみんなが励ましてくれたから
C言葉にならずキスをする


━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─

A:こんなときだから一緒にいたいの
綾「あ、あの・・・・・・」

千早「答えるまで、離さないよ?」


さらに強く抱きしめられて、逆にほっとした。


(よかった、嫌われたわけじゃないみたい・・・・・・)

綾「・・・・・・こんなときだから、一緒にいたかったの」


一瞬、腕の力がゆるんだ。


綾「あ、あの。ただのワガママなんです。私・・・・・・」


千早センセイはふっと笑ったようだった。


千早「本当はね、来るような気はしていたんだ。巻き込みたくなかったっていうのは本音なんだけど。キミがいなくても、どうしているか気になってしまうから・・・・・・だったら、そばにいてくれたほうがいい」

綾「それって、どういう・・・・・・?」

千早「ふふ。わからないなら、そのままでいいよ」

綾「・・・・・・褒め言葉ですか?」

千早「ああ。もちろん」


ぽすんと、私の肩に彼の頭が乗せられる。


千早「・・・・・・来てくれてありがとう」


千早センセイの優しい声が、私の耳元に囁かれる。


B:みんなが励ましてくれたから
綾「みんなが励ましてくれたから・・・・・・。私1人じゃ、きっと来られませんでした」

千早「おかしいなぁ。言っておいたんだけど。キミを絶対に来させないでって」


ため息が耳にかかって、ぞくりとする。


綾「あっ、あの!来るって決めたのは私です。怒るなら私を・・・・・・」

千早「いや・・・・・・怒らないよ。大丈夫」

綾「千早センセイの周りにいる友達は、みんないい人たちですね」

千早「そうかな?ただの悪友だよ」

綾「・・・・・・幸せですね」

千早「そうだな。でも、キミを巻き込みたくなかったのは本当。キミのことだから、来るかもしれないとは思っていたんだ。何とか止めてほしかったんだけどね・・・・・・。でも、来てくれてありがとう」


C:言葉にならずキスをする
(好きだから、一緒にいたいんだよ)


心から言葉があふれてしまいそうになる。

どんなときでも、ずっと一緒にいたい。


千早「・・・・・・綾さん?」


抱きしめる腕が少しゆるんだから、彼の頬に手を当てて、振り向きざまにキスをした。

目を見張った千早センセイに微笑む。うまく笑えたかどうかわからない。


綾「もし本当に迷惑なら、帰ります」

━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─

千早センセイは、私の体を自分のほうへと向かせて、唇を押し当てた。
キャ━━(#゚ロ゚#)━━ッ!!

綾「・・・・・・ん」


スーツケースから手を離して、彼の背中に手を回す。

深く溶け合って、頭がからっぽになっていく。

やがて、千早センセイは息継ぎをするように私から離れた。


千早「・・・・・・こんなハズじゃなかったんだけどね」

綾「?どういうハズだったんですか」

千早「日本へ帰そうと思っていたんだよ」
 

綾「やっぱり、迷惑でした・・・・・・?」

千早「そんなわけないでしょう?危ない目に遭わせたくないからだよ」


優しい言葉が染みこんで、少し目頭が熱くなった。

 

 

 

 

 

 

 

千早サンのレポ、いきまーす(^^)/

注)ネタバレです。

途中心の声がありますが、それでも良ければどーぞ☆

 

 

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 

 

 

腕時計を見ると、すでに終電はなくなっていた。

六本木の街は、真夜中も明るい。


(さっきの、何だったんだろう・・・・・・)


思い出そうとして、頭が割れるように痛くなった。


綾「イッ・・・・・・た・・・・・・」


思わず、その場にうずくまる。


(思った以上に、ショックだな・・・・・・ああいう場面を見るのって)
(´□`。)そうだよね

ぷつん


足下から音がした。


(ぷ、ぷつん・・・・・・?て・・・・・・まさか・・・・・・)


見ると、ヒールのストラップがちぎれていた。


(ちょっと…)

綾「本当、今日ついてないなぁ。・・・・・・あぁ、もう昨日か」


なんだか笑えてきて、私はくすくす声を立てた。

片手で顔を覆って、目をギュッとつぶった。

はあと大きく息を吐く。

空を見ると、月が煌々とこの街を照らしていた。


男「ねえ、キミ大丈夫?」


知らない男の人に声をかけられる。

立ち上がろうとしてふらりと体が傾いた。


男「車あるから送ろうか?そんな靴じゃ歩けないじゃない」

綾「大丈夫です。彼氏を待ってるんです」

??「お待たせ、○○さん」

(・・・・・・え?)
あぁ…千早サン…(`;ω;´)

やわらかい、よく聞いた声が後ろからかけられた。

そのまま後ろから抱きしめられる。

よくかいだ香水の匂い。


(千早センセイ・・・・・・!?)

男「よかった。じゃあ」


その男性の姿は人混みに紛れて見えなくなった。


千早「・・・・・・ごめん」

綾「離して」

千早「キミかなと思って開けたら、彼女だった」

綾「離してってば!」

千早「・・・・・・ごめん」

綾「ごめんなんて言うなら、最初から謝るようなことしないで!堀北さんの方がいいなら・・・・・・」


千早センセイは私の肩をつかんで自分の方に向かせる。


千早「最後まで、僕の話を聞きなさい!」


その剣幕に気がそがれて、私はぽろぽろと涙をこぼした。


(し、しまった・・・・・・。こんなところで泣いたら千早センセイを困らせてしまう・・・・・・)

綾「ち、違うの!これは花粉症で!」


千早センセイは私を抱きしめる。

いつもより強い力で抱きしめられて、私は息ができない。


綾「ちょ、・・・・・・く、くるし・・・・・・」

千早「あ。すまない・・・・・・」


腕の力をゆるめて、千早センセイは大きくため息を吐いた。


千早「綾さんが来る直前に彼女が来たんだ。ご飯を作りに来たって言って。断っても、なかなか帰ってもらえなくて・・・・・・。それで、キミがドアを開けたときに・・・・・・」

綾「・・・・・・・・・・・・」

千早「こんな理由・・・・・・信じられないよね?・・・・・・でも、綾さんにだけは信じてほしい」


私は・・・・・・


Aなぜ説明してくれなかった?
B信じられないよ
C信じるよ


━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─

A:なぜ説明してくれなかった?


綾「どうしてさっき・・・・・・堀北さんの前で説明してくれなかったの?」

千早「・・・・・・・・・・・・」

綾「・・・・・・答えてくれないの?」

千早「・・・・・・堀北さんから、綾さんを守れなかったあの日・・・・・・。これ以上なにか起こったら、キミが逃げ出してしまうんじゃないかって思った」

綾「・・・・・・私のこと、信じてないの?」

千早「違うよ。逃げ出してくれるなら、それでもよかったんだ・・・・・・」

綾「そんな・・・・・・」

千早「あんな形でキミを巻き込むのは、もう絶対に嫌だ!キミに危害が及ばないなら、逃げ出してくれても・・・・・・幸せでいてくれればそれでいいんだ」


彼がこんなに感情的になっているところを、初めて見たような気がする。


千早「あの場で綾さんを庇ったら、多分彼女は逆上してた。今度こそ、何をするかわからない」


彼は私から少し体を離して、意を決したように言った。


千早「堀北さんのことを話すよ。キミに、聞いてほしい」

綾「・・・・・・わかりました。話、聞きます」


B:信じられないよ


綾「信じられないよ!」


私は千早センセイの胸を叩いた。


綾「そんなこと言われたって、信じられるワケないじゃない!都合よすぎだよ!!」

(どうしよう。止まらない・・・・・・)


千早センセイは、きっと傷ついてる。

でも、私だって傷ついた。
(´・ω・`)…ウン

綾「さっきだって、何も言ってくれなかったじゃない!私だって傷つくよ!!私だって痛いものは痛いんだから・・・・・・!」

千早「・・・・・・もう、無理?やり直せない?」


私の頭に、彼は自分の額をそっと当てた。


綾「・・・・・・千早センセイは、私が無理って言ったら、諦めちゃうの?諦めないでよ。ちょっとは、私にしがみついてよ・・・・・・」
ちょ!言ってることが…w

千早「女性にしがみつくようなみっともない男は、嫌いでしょう?」

綾「今さら、嫌いになんかならないよ・・・・・・」

千早「・・・・・・ありがとう。綾さん、ちゃんと堀北さんとのことを話すよ。・・・・・・聞いてもらえる?」


私は、彼の目を見上げて頷いた。


C:信じるよ


嘘が大キライな千早センセイ。

考えてみれば、彼が浮気みたいなことできるわけがない。


(私・・・・・・どんなことがあっても信じるって、決めていたはずなのに)

綾「ごめんなさい・・・・・・」

千早「どうして綾さんが謝るの?謝るのは僕のほう・・・・・・」

綾「どんなことがあっても、千早センセイのこと信じようって!決めてたのに、私信じ切れなかった・・・・・・」

千早「あんな場面で、信じるなんて思えないでしょう。僕のせいで、綾さんのせいじゃない。キミが自分を責めることなんてない。責めるなら僕を責めなさい」


私は頭を振った。

━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─

綾「あのとき・・・・・・本当はかばってくれたんでしょう?」

千早「え?」

綾「堀北さんの前で千早センセイが何も言わなかったのは、彼女をこれ以上逆撫でしないためでしょう?」


彼は一瞬、泣きそうな表情をしたような気がする。


綾「本当は、私を守ってくれてたんだよね・・・・・・」

千早「・・・・・・ありがとう」


千早センセイは、私にそっと口づけた。

今までで1番、優しいキスだった。



゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ 

 

 


ストラップが切れた靴の代わりに近くのホテルからスリッパを借りると、2人並んで六本木の雑踏を歩いた。


千早「堀北さんとはバイト先で知り合ったんだ。まだ医学部生のときだった。そのときはね、明るくていいコだったよ。再会したのは、今の病院でだ。彼女は、そのとき結婚していたんだ」

綾「け、結婚!?」


大きな声を出してしまって、私は口に手を当てた。


綾「ご、ごめんなさい。ちょっと驚きました・・・・・・」

千早「そうだよね。僕も初めて聞いたときはびっくりした。旦那さんと仲が悪くなったらしくて別れたんだけど・・・・・・その後、僕に告白してきたんだ」

綾「・・・・・・付き合ったんですか?」

千早「お断りしたよ」

綾「どうして?」

千早「・・・・・・綾さんは僕をなんだと思ってるんだろうね。僕にも好みがあるんだよ?」


私の顔を覗き込んできたから、私は目をそらしてぎこちなく言った。


綾「は、話がそれちゃいましたね。それで?」

千早「キミも知っての通りだよ。いいなと思う女性が現れても、全員離れていった。おそらく堀北さんが何かしていたんだと思う」
(=◇=;)コエーーーーーー

綾「それに気がついていたのに、どうして・・・・・・?」

千早「彼女が、すんなり引いてくれると思う?」

綾「・・・・・・無理かも」

千早「いっそ彼女と付き合えば全部丸く収まるんじゃないかと思ったんだけど・・・・・・やっぱり嫌なものは嫌だ」

綾「・・・・・・うん・・・・・・」

千早「それにね。キミと離れるのも、僕は絶対に嫌なんだ。いつも、ありがとう。キミがいるから僕は強くなれる。・・・・・・救われてるんだ」

綾「・・・私だって、千早センセイがいるから仕事頑張れるんですよ。企画だってたくさん上げたんですよ・・・」


彼は歩みをとめて、驚いたように私を見る。

いろんな色のライトが、千早センセイの顔をぼんやりと照らしていた。


千早「綾さん、僕の知らないところで頑張ってたんだ。いいコにはご褒美をあげないとね」


あふれるような笑顔で、彼は私の手をとる。


(私、千早センセイのこの笑顔に弱いんだよね・・・・・・)

千早「キミの家に行ってもいいかな?」

綾「え?」

千早「ご褒美、いらない?」

綾「・・・・・・じゃあ、お言葉に甘えて」


千早センセイの後ろに月が見えた。

ネオンより明るく、この街を照らしていた。



゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚



風子はすでに寝ていたので、私たちは起こさないようにそっと部屋に入った。

置き去りにしていた携帯を見ると、何件かの電話とメールが来ていた。


(あれ、知らない人からメールが来てる・・・・・・?)


そのメールを開いて、私は息を呑んだ。


『千早センセイは私のものよ。あなたには渡さない』


千早「どうしたの?」

(どうしよう。このメール、見せるべきなのかな・・・・・・)


A隠す
B見せる
C気をそらす


━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─

A:隠す
綾「な、なんでもないですよ?」


携帯を思わせぶりに後ろ手に隠してしまい、私は内心しまったと思った。


千早「わかりやすい嘘をつかないようにね、綾さん?」

綾「え、ええと。嘘はついてないです。なんでもないだけです」

千早「なんでもないならどうして隠すの?」

綾「隠してなんかないです。こういう持ち方が流行ってるんです」

千早「・・・・・・本当に調子の狂う子だな。あまりワガママを言うと、キミが思わず手を離してしまうようなことをするよ?」

綾「ふ、風子が起きちゃいますよ!」

千早「問題はそこなの?・・・・・・まあいいけれど。はい、貸して?」


私はしぶしぶ携帯を手渡した。

千早センセイはメールを見てから、私に携帯を返した。


千早「・・・・・・月曜、彼女に言うよ。もうやめてほしいって」

綾「で、でも危ないです」

千早「僕は大丈夫。終わったら、報告もするから」

綾「・・・・・・わかりました」


千早センセイは私の頭をなでる。その手を、私はぎゅっと握った。


(大丈夫かなぁ・・・・・・)


不安を覚えながら、私は千早センセイを見つめた。


B:見せる
(あまり見せたくないんだけど・・・・・・)

千早「綾さん、迷ってないで見せて」

綾「・・・・・・でも」

千早「いいから。見せて?」


千早センセイは私の手から携帯を取り上げる。


千早「なるほどね・・・・・・。彼女に言うよ。これ以上はやめてほしいって」

綾「え・・・・・・。そんなことしたら、千早センセイが危ないじゃないですか!」

千早「いつか言わなくちゃいけないことだったんだ。どう考えたって、逃げていた僕が悪い」

(でも、絶対危ないと思うんだけど・・・・・・)

千早「綾さん、そんな心配そうな顔しないで?」

綾「じゃあ、約束してください。絶対無茶しないって」

千早「約束する。大丈夫だから」


千早センセイは私の髪をくしゃっとつかんだ。


(どうか、何事もありませんように・・・・・・)


祈りを込めて、私は千早センセイに口づけた。


C:気をそらす
(このメール、あんまり千早センセイに見せたくないな・・・・・・。いらない心配かけちゃいそうだし)

綾「あ、気にしないでください。別に意味はないので。それより、この前千早センセイが言ってたCD!買っちゃいましたよ!」

千早「あ、そうなんだ?よくあったね。かなりレアなのに」

綾「そうなんです~!」

千早「それで?」

綾「はい?」

千早「携帯。貸してごらん?」

(ダメだ、話戻された・・・)

千早「まさか、他の男からのメールなの?浮気性だね」

綾「な!?違いますよっ!」


千早センセイは何も言わず、手を差し出した。

私は仕方なく、彼の手に携帯を乗せる。


千早「・・・・・・なるほど?これ以上はやめてくれって彼女に言うよ」

綾「そ、それはやめてください!危ないです」

千早「大丈夫。角が立たないように努力はするから」


そう言って笑う千早センセイを見ながら、私の心は不安に駆られていた。



゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ 

 

 



あれから1週間。

堀北さんは、千早センセイが諭した翌日、病院を辞めたのだという。


(あの堀北さんが、そんな簡単に引き下がるはずないと思っていたんだけど・・・・・・)

編集長「おい、稲葉。今回の國府田センセイの記事、差し替えだ」

綾「・・・・・・は?」

編集長「國府田センセイ、訴えられてるぞ。 『シンデレラ』 ではそういう人は扱えない。代わりの企画を至急でアップしろ」


冷たく言い捨てて、編集長は去っていった。


(ど、どういうこと・・・・・・?)


私はインターネットでニュースをチェックする。

すると、何件ものニュースに紛れてこんな見出しがあった。


『イケメン美容外科医・國府田千早、女優・加賀静子の整形に失敗!?』


(・・・・・・ええ!?)


ニュースが表示されたディスプレイの前で、私は頭を抱えた。

 

 

 

 

 

 

 


はいー!
加賀さんの『最愛の敵(ライバル)』編
配信されましたー(°▽°)!!

気になってたから急いで読んだけど、、、
急いで読みすぎたのかな?
あんま内容入ってこなかったよ…w
なにやってんだか( ̄▽ ̄)

ほんとはすぐにでもレポしたいんだけど、千早さんのレポも終わってない、、、

とりあえず時間見つけて加賀さんのレポもしますー\( ˆoˆ )/

ほんとは早くあゆむんのが見たいんだけどね、、、w


 

千早サンのレポいきまーす(^^)/

注)ネタバレです。

途中心の声がありますが、それでも良ければどーぞ☆

 

 

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 

 

 

ひと仕事終えて、千早センセイの妹・初美ちゃんと晩ご飯タイム。

千早センセイと中園さんの対談インタビュー以来、初美ちゃんにヘアメイクをお願いする機会が増えた。


初美「ねぇ、お兄ちゃんとどう?」


飲もうとしていたカクテルグラスを落としそうになって、なんとか取り留めた。


綾「え、え?」

初美「2人ともわかりやすいもん。付き合ってるんでしょ?」

綾「え、えと・・・・・・。私は好きだよ。千早センセイも・・・・・・多分?」
なぜ疑問形…??w

初美「そっか。お兄ちゃん、ちゃんと言葉にしてないんだ。ちょっと言葉足らずなんだよねぇ・・・・・・彼女できたの久しぶりだし。どう接していいのかわかんないのかも」

綾「久しぶり?って・・・・・・ちょっと意外」

初美「うん。お兄ちゃん、ああ見えて付き合った回数少ないと思うよ」

(ちょっとうれしい・・・・・・)

初美「・・・・・・お兄ちゃんのこと、見捨てないでね」

綾「え?むしろ見捨てられそうなのって私のほうじゃ・・・・・・」

初美「お兄ちゃんは気持ちを伝えるのとか本当に不器用なの。しかも、料理上手すぎだし。それにお兄ちゃん、ちょっと女性不信なところがあるから・・・・・・」

綾「・・・・・・女性不信?」


初美ちゃんは、ハッとして私を見た。


初美「お、お兄ちゃん!」

綾「え、うそ?」


振り返るとそこには千早センセイがいた。


千早「いけないな、僕がいないところで僕の過去を探ろうなんて」

綾「ち、千早センセイ!どうしてここに?」

千早「綾さんに急に会いたくなってしまってね。初美から場所は聞いていたから来てしまったよ」

綾「そ、そうなんですか・・・・・・」

初美「やばー、どうしよう・・・・・・なんか私2人の邪魔しちゃ悪いから、先に帰るね。また連絡するから」

綾「あ、ちょ、ちょっと」


初美ちゃんは逃げるように帰ってしまった。


千早「さて、2人きりになったね。初美と何を話していたんだい?」

綾「そ、それは2人の秘密です」


千早センセイが急に近づいてきて、頬に手を差し伸べて優しく微笑んだ。


千早「ふふ、いけない子だね?聞きたいことがあったら僕に直接聞いていいんだよ」

綾「ちょ、ちょっと!近いですよ。それにこんな人がいっぱいいるところで・・・・・・」

千早「僕は人に見られても気にしないから大丈夫」
わたしもですヨー( ̄▽+ ̄*)w

綾「わ、私が気にしますから!」

千早「慌ててしまって・・・・・・やっぱり綾さんはかわいいね」


千早さんが私から離れた。

口ではああ言ったが、頭の中ではさっき初美ちゃんから聞いた話がぐるぐると回っている。


千早「それで、何を聞きたいんだい?」

綾「あ、う、うん・・・・・・」

(き、聞いてみようかな・・・・・・)


A今までに付き合っていた人って・・・
Bセンセイは女性で苦労してそう
C好きなタイプは?


━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─

A:今までに付き合っていた人って・・・
(女性不信かぁ・・・・・・元カノと何かあったのかな・・・・・・)

綾「千早センセイが今までに付き合っていた人って、どんな人ですか?」

千早「・・・・・・?どうしてそんなこと聞くの?」

綾「だ、だって・・・・・・その」


千早センセイは私の頬に手を添える。

千早「なに?興味があるの?」

綾「・・・・・・あります」

千早「困ったな・・・・・・。あまり話していて気持ちのいい話じゃないんだ」

綾「ご、ごめんなさい!無理に話さなくていいんです」

千早「で、綾さんは?」

綾「へ?」

千早「綾さんの過去も教えてほしいな」

綾「い、いえ。私のは聞いてもつまんないと思うんですけど」

千早「夜は長い。今夜はたっぷり綾さんの昔話を聞こうかな」


B:センセイは女性で苦労してそう
綾「センセイって、女性で苦労してそうですよね」


千早センセイは目をぱちくりさせた。
(((o(*゚▽゚*)o)))カワイイ♡

(あ、あれ?もしかして・・・・・・まずいこと言った?)

千早「それは、僕が綾さんで苦労してるってこと?」

綾「そういう意味じゃなくて・・・・・・。千早センセイ、優しいから・・・・・・」

千早「そんなことないよ。心外だな。綾さんがそんなふうに思ってるとは思わなかったよ」

綾「あ、あの」

千早「綾さんのことで苦労なんて、したことないよ?むしろ、綾さんのお陰で元気になれる」

綾「そ、そうですか?」

千早「それに、綾さんは僕を買いかぶりすぎだ。僕は、優しくしたい人にしか優しくしないよ?」

(ああ、聞きたいことからずれちゃった・・・・・・)


C:好きなタイプは?
(ちょっと遠回しに聞いてみようかな・・・・・・)

綾「千早センセイの好きなタイプって、どんな女性ですか?」

千早「・・・・・・好きなタイプ?綾さんみたいなタイプだけど」

綾「あの。そんな即答しないでくださいよ・・・・・・」

(千早センセイが女性不信になったエピソードが探りたかったんだけど・・・・・・)

千早「ほら。綾さんっていつでも前向きじゃない。綾さんのペースに巻き込まれて、どんなことがあっても何とかなるかもって・・・・・・信じたくなるんだよ」

(う、うれしい・・・・・・)


胸が熱くなって、じんとする。

━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─

千早「あ」


千早センセイは私の顎を指さして、

千早「ニキビ」

綾「えっ?」

千早「おかしいな。栄養バランスを考えた献立にしてるんだけど。明日からは、ニキビができないようなのに変えようかな」
千早サン…(〃∇〃)

思わず笑ってしまった。


綾「私の体調管理、してくれてたんですか?」


千早センセイは照れているのか、なにも言わずに目をそらしている。


(私のこと、考えてくれてたんだなぁ)

綾「まーいっかぁ・・・・・・」

(無理して嫌な過去を聞くのもイヤだし・・・・・・)

千早「何が?」

綾「・・・・・・ニキビです。ニキビ」

千早「よくないよ。朝と夜はニキビのできない食事にしておくから、昼ご飯も気をつけなさい」

綾「はぁい」


私は千早センセイの肩にもたれかけた。



゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚



翌日。

その日は朝から、とんでもなくツイていなかった。

このときも、奥にある資料をとろうと手を伸ばしたら・・・・・・・・・


プチン


(・・・・・・・・・?プチン?)


足元を見ると、ヒールのストラップが切れていた。


(え、えぇ!?ストラップ切れた!)

??「綾ちゃん、どうしたの?」

綾「・・・・・・マ、マーシャさん。お久しぶりです」


スタイリストのマーシャさん。

出会った当初から意気投合して、すぐにゲイだと打ち明けられた。

この人と仕事をするのは大好き!

いつも魔法をかけるように、洗練されたスタイリングをしてくれる。


マーシャ「あら?もしかしてストラップ・・・・・・」

綾「切れました・・・・・・。どうしよう・・・・・・替えの靴なんてないし」

マーシャ「貸して」


私はマーシャさんに靴を手渡した。

針と糸を取り出し、目にもとまらぬ早業でストラップを縫いつけた。


マーシャ「できたわよ」

綾「す、すごい!ありがとうございますっ」

マーシャ「これくらいお安いものよ。あくまで応急処置だけど」

綾「なんだか、今日は朝からツイてなくて・・・・・・」

マーシャ「何?どうかした?」

綾「朝は電車が故障して1時間も止まっちゃうし。携帯も家に忘れて来ちゃうし。そのおかげで会社に電話できなくて編集長に怒られるし。あげく、靴のストラップが切れるなんて・・・・・・」

マーシャ「あら。ツイてるわよ。だって、アタシがいたじゃない?ほら、笑顔を見せてちょうだい。どんなことでも、物事いいところを見ないとね」

編集長「稲葉ーっ!!」


編集長のドスの聞いた声が響いた。


綾「は、はいーっ!」

編集長「茂原さんから取材時間とっくに過ぎてるってクレームの電話来てるぞ!」

綾「え?茂原さんの取材は、16時からですよ?」

編集長「向こうは、昨日16時から15時に変更してもらったと言ってるぞ。お前がいなかったから、誰かに伝えてもらったと」

綾「え、ええ~!?」


思わず私と編集長は、私の隣の席に座るアシスタントを凝視した。

アシスタントはヘッドフォンをして、仕事もせず悠々とマンガ本を読んでいる。
腹立つな-(# ゚Д゚) ムッカー

一瞬あることを思ったものの、私と編集長は顔を見合わせて頭を横に振った。


綾「・・・・・・ごめんなさい、あらぬことを考えました」

編集長「・・・・・・オレもだ。詮索してる時間もないしな」


私は気を取り直して、ストラップを縫いつけてもらった靴を履き直した。


綾「と、とにかくッ・・・・・・謝罪行ってきます!」

編集長「今回はオレも行く。新人だけが謝りに行くのは先方に失礼だ」

綾「は、はい!ありがとうございます!」

マーシャ「確かにちょっとツイてないわね」

綾「う、うう~~~」


心の中で涙をボタボタ流しながら、私はカバンを持った。


編集長「稲葉、じゃあ行くぞ」

綾「はいっ!」


マーシャさんは手を振って、私たちを見送ってくれた。



゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ 

 

 


(・・・・・・はぁ・・・・・・)


あの後、謝罪に行ったものの、茂原さんの機嫌をすっかり損ねてしまい、担当から外されることになってしまった。


(さすがに落ち込むな・・・・・・)


今日は本当にツイてない。

ツイてない日って、とことんツイてないんだよね。
(_ _。)ホントニネー

(千早センセイに、会いたいなぁ・・・・・・)


自然と、足は千早センセイの家へと向かっていた。



゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚





(携帯忘れて来ちゃったから、連絡せずに来ちゃったけど・・・・・・喜んでもらえるといいなぁ)


ピーンポーン・・・・・・


チャイムを鳴らしたけど、反応がない。


(?・・・・・・あれ。いない?)


もう一度チャイムを鳴らす。

ドアノブに手をかけると、すんなりと開いた。

ドアの向こうに見えたのは・・・・・・・・・


綾「ち、はやさん・・・・・・?」


玄関で、千早センセイと堀北さんが、キスをしていた。
( ゚-゚)( ゚ロ゚)(( ロ゚)゚((( ロ)~゚ ゚

スーパーの袋が手から滑り落ちる。

千早センセイは堀北さんの体を離して、唇をぬぐう。


千早「綾、さん・・・・・・?」

綾「・・・・・・ち、はやセンセイ・・・・・・」

優菜「・・・・・・こんばんは。何の用かしら?」


堀北さんの足下には、私と同じスーパーの袋が落ちている。

私は・・・・・・


A千早センセイに怒る
B堀北さんに怒る
Cその場を立ち去る


━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─

A:千早センセイに怒る
靴を脱ぐのも忘れて、私は千早センセイに近づいた。

困ったような顔をしている彼の目をしっかりと見据えて


綾「・・・・・・千早センセイ。どういうことですか」

千早「・・・・・・・・・・・・」

綾「説明、してください・・・・・・」

(言い訳をしてくれたら。言い訳を・・・・・・してくれたら・・・・・・どんな言い訳でも、信じるから)


長く重たい沈黙の後で、彼はぽつりと言った。


千早「ごめん・・・・・・」


唇をかみしめた千早センセイは、それ以上なにも言わない。


(どうして・・・・・・何も言ってくれないの?)


顔を上げていられず、私はうつむいた。


綾「・・・・・・その言葉、1番、聞きたくなかったよ・・・・・・」


それ以上なにも言えず、私は黙り込んだ。

一瞬、堀北さんの笑顔が見えた。


優菜「あっははははは!いい気味ね、綾さん?」
キィィ───ヾ(*`ェ´*)ノ───ッ

私は逃げるように千早センセイの家から出た。

何も考えられず、現実だという実感がない。

途方に暮れて、私は空を見上げる。

月がキレイに空を照らしていた。


B:堀北さんに怒る
(堀北さん・・・・・・!?)

綾「なんでここにいるの!?」

優菜「あなたこそ、どうしてここにいるの?」

綾「私はっ・・・・・・」


言いかけて気がついた。

私は、千早センセイの何なんだろう。
彼女なのに…(´;ω;`)ブワッ

優菜「ねぇ、千早センセイ?この子、どうしてここに?」

千早「・・・・・・・・・・・・」

(千早センセイ、どうして何も言ってくれないの!?)

優菜「早く帰りなさいよ、終電がなくなっちゃうわよ」

綾「ち、はや・・・・・・センセイ。どうして・・・・・・何も、言ってくれないの・・・・・・?」

千早「ごめん・・・・・・」


私からそむけられた顔。

頭が真っ白になっていく。

何も考えることができないまま、私は走り出した。


C:その場を立ち去る
綾「・・・・・・どうして?」


声が震えた。


優菜「こんばんは、稲葉さん。今日はどうしたの?私は忠告したはずなのに。あなたは千早センセイに遊ばれてるって。思い知った?ねぇ。いい加減、思い知ったでしょう?」
(#`皿´)<怒怒怒!!

千早センセイは何も言わない。


(どうして、何も言わないの?いつもみたいに軽口を叩いてよ。冗談だよって、言ってよ・・・・・・!)

優菜「千早センセイはあなたのことが迷惑なの。まだわからないの?これ以上ここにいられると、続きができないんだけど?」


そう言うと、彼女は千早センセイに手を伸ばそうとした。


(・・・・・・イヤだ!)

綾「もういい!!」


私は叫んだ。


綾「・・・・・・もういい」


声がかすれる。


千早「綾さん、ごめん・・・・・・僕は」

綾「もう、いいってば!これ以上はやめて。聞きたくない・・・・・・!」


私はそれ以上聞いていられなくて、千早センセイの家を逃げるように出た。

 

━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─

 

 

 

 

 

千早サンのレポいきまーす(^^)/

注)ネタバレです。

途中心の声がありますが、それでも良ければどーぞ☆

 

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 

 

 

朝の光が差し込んで、私の頬にふれる。

ふわりとしたあたたかさに、私は目を覚ました。


綾「・・・・・・ん・・・・・・?」

千早「おはよう」


真っ白な光が千早センセイのカラダを染めている。

何も言えず、私は息を呑んだ。


千早「・・・・・・寝ぼけてる?」

綾「・・・・・・わ、たし・・・・・・」

(そ、そっか。私たち昨日・・・・・・)
カァ…(//ω//)

彼の指が、優しく首筋にふれた。

跡が残らないようにと手当てをされて、きちんと包帯が巻かれている。


千早「痛い・・・・・・?」


心配そうに私を見る千早センセイ。


(もうそんなに痛くないけど・・・・・・)


A全然大丈夫です!
Bもっと心配してください
Cものすごく痛いです


━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─

A:全然大丈夫です!
綾「手当てがよかったんでしょうね。全然痛くないです」

千早「本当に痛くない?」

綾「はい。全然大丈夫です!」

千早センセイは、心底安心したようにため息をついた。

千早「そう。・・・・・・よかった」

綾「そんなに気にしなくても、大丈夫ですよ?私、これでも丈夫なんです。あんなのに負けてられないです!」

千早「・・・・・・怖くない?」

綾「え?」

千早「僕と一緒にいるの」

綾「千早センセイと一緒にいるのは、怖くないですよ」

千早「怖くないはずないでしょう。嘘つかなくていいんだよ」

綾「もちろん昨日のは怖かったですけど、それとこれとは、話が別じゃないですか」

私が笑って言うと、千早センセイは複雑な顔をして私を抱きしめた。

彼の手が、かすかに震えている。


(・・・・・・?どうして、震えてるの・・・・・・?)


私は小さい子をあやすように、千早センセイの背中をなでてあげた。


B:もっと心配してください
少しだけ、意地悪な気持ちになる。

綾「・・・・・・心配してくれてるんですか?」

千早「・・・・・・当たり前でしょう」

綾「もっと心配してください?」

冗談のつもりで言うと、千早センセイは眉をひそめる。

千早「十分、心配してるよ。大丈夫なの?」

(あれ、怒らせちゃったみたい・・・・・・)
(●・̆⍛・̆●)アタリマエダ

綾「ふざけてごめんなさい。大丈夫、痛くないです」

千早センセイはほっとため息をつく。

千早「僕こそすまない。・・・・・・大丈夫ならいいんだ・・・・・・」

千早センセイは私の首にキスを落とす。

綾「・・・・・・センセイ?」

千早「さすがに、今回はね・・・・・・。本当に・・・・・・」

私を抱き寄せたとき、彼の指先はかすかに震えていた。

(震えてる・・・・・・?)

私は手をのばして、彼の大きな背中を抱きしめた。

C:ものすごく痛いです
(正直、もうそんなに痛くないんだけど・・・・・・)

綾「ものすごく痛いです」

千早センセイの顔から血の気が引いていく。

彼はさっと立ち上がり、そばにあったシャツを羽織った。

綾「え?千早センセイ、どこかに行くんですか?」

千早「綾さんの首、病院で診ようと思って。キミも支度して?」

(え、えぇ!?冗談のつもりだったのに・・・・・・)

綾「ぜ、全然大丈夫です!」

千早「だって、痛いって・・・・・・」

綾「ご、ごめんなさいっ!冗談だったんです。もう痛くないですっ!」

千早「・・・・・・本当?」

綾「ごめんなさい・・・・・・ちょっと甘えたかっただけなんです・・・・・・」

━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─

千早センセイは無言のまま、ベッドに腰掛けた。


綾「あ、呆れちゃいました・・・・・・?」

千早「いや・・・・・・本気で心配したよ」

綾「本当にごめんなさい・・・・・・」


千早センセイはうつむいたまま、何か考え込んでいる。


(・・・・・・ど、どうしよう・・・・・・。本気で心配させちゃった・・・・・・)

綾「でも、・・・・・・千早センセイに心配されるってうれしいです」


彼はようやく顔を上げると、微笑んで私の頭をぽんと叩いた。



゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚



綾「編集長、企画書ですっ!」

編集長「おー、稲葉。やる気出てきたじゃねぇか」


我ながらゲンキンだなぁと思う。

千早センセイのことを考えるだけで、力がみなぎってくる。


編集者「綾さん、お願いがあるんだけど」

綾「はい?」

編集者「今夜向かう予定だった取材に行ってもらえない?ダブルブッキングになっちゃって」

綾「いいですよ」

編集者「・・・・・・あれ?稲葉さん、メイク変えた?」

綾「いえ?」

編集者「なーんかキレイになってない?」
千早マジックダヨv(。・ω・。)ィェィ♪

綾「そ、そんなこと・・・・・・」

編集長「よしよし。たっぷり色気づけ!そんでもって、いい仕事しろ~。発行部数に貢献しろ~」

綾「は~い」

編集者「じゃあ、取材先の資料と企画書渡しとくから。よろしくね~」

綾「はあい!」


首元はハイネックで隠しているけれど、やっぱり少しアザになっていた。

あんなことがあって、普通なら怖いって思うんだろうけど・・・。

千早センセイのことが好き。

この気持ちさえあれば、何でもできるような気がする。
(・∀・)ニヤニヤ

(でも堀北さん、また何かしてきそうだもんね・・・・・・。対策を考えたほうがいいかなぁ・・・・・・)


編集者に渡された資料をパラパラとめくっていると・・・・・・


(・・・・・・・・・あ、これ・・・・・・)


私はひらめいた。


゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ 

 

 


綾「た、ただいま・・・・・・」

風子「おっかえり~。あ、あれ?なんか動きがぎこちないような気がするけど」

綾「今日、護身術の取材で・・・・・・筋肉痛に・・・・・・」

風子「実際にやってみたワケね・・・・・・そんな本気でやらなくても取材できるでしょ~」

綾「・・・・・・だって、せっかくだしと思って」


ブルル・・・


バイブ音がして、私は携帯を取り上げる。

千早センセイからのメールだった。


『お疲れ様。これからラジオ番組に出てきます。綾さん、まだ仕事かな。頑張ってね』


風子「なーに、國府田センセイからのメール?」

綾「う、うん」

風子「ねぇ、2人は付き合ってるんじゃないの?」

綾「・・・・・・付き合って、るのかなぁ?」

風子「國府田センセイから、好きとか愛してるとか言われたことないの?」

綾「い、言われたことないかも・・・・・・」
言わないだけだよ(・∀・)w

風子「わかった!國府田センセイに言っとくから、まっかせといて~!」
(^O^)/オネガイシマース

綾「うわぁぁ、風子それダメ、絶対!」

風子「こういうのは、ちゃんと言わないとわかってもらえないよ~?」

綾「う、うん・・・・・・」

風子「綾!なんかあったら、すぐに言うんだよ?國府田センセイぶっとばすから」


いつもと変わらない風子の笑顔。

私は自然と笑顔になった。


綾「・・・・・・ありがと」

風子「うむ!よーっし、今夜は宴会だ!」

綾「おーっ!・・・・・・って、かっ、体がイタ・・・・・・」

風子「あっはっは~!」


私たちはその後、2人でいろいろおかずを作り、発泡酒やワインを飲んで盛り上がった。

ちょっと、食べすぎたかもしれない・・・・・・。

私は常に食べ過ぎ…(・ω<) テヘペロ


゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ 

 

 


1週間後、私は千早センセイと廣瀬さんのゴルフにお付き合いをしていた。

堀北さんが何か仕掛けてくるんじゃないかなんて思っていたんだけど、特に変わったことはなく、首のアザもすっかり治った。


千早「綾さんてゴルフ初めてだったんだね」

綾「す、すみません・・・・・・ヘタで・・・・・・」

千早「そんなことないよ。初めてなのに上手だよ?」
千早サンは優しいね-(*ノωノ) 

(こんな時は千早センセイの優しさが痛い・・・・・・!)

遼一「いやいや。見ていて気持ちのいい、スカッとしたハズし方するよね」

綾「うるさいですよ、廣瀬さんッ!」

遼一「上達するコツは基本をしっかり覚えることだ。初心者はまず、グリップの握り方を意識すること」

(あ、あれ・・・・・・。今日はちゃんと教えてくれてる?)

遼一「さっき千早さんから握り方教わってただろ。それを1打ごと、しっかりやってけばいいから」

綾「あ、ありがとうございます」

遼一「いいえ」

(この人、不思議なタイミングで優しくしてくれるよね・・・・・・)

遼一「あ。そういえば綾、護身術習ってるんだって?」

綾「え!?」

千早「・・・・・・護身術?」

(ちょっ、千早センセイには内緒にしてたのに!)

綾「何の話ですか?・・・・・・誰から聞いたんですか?」

遼一「綾のトコの編集長から、昨日カジノに来てて話したんだよ」

(編集長~ッ!)


ちらりと千早センセイを見る。

恐ろしいくらいににっこりと笑って私を見ている。

私はこの場を何とかごまかそうと、間の抜けた笑いを見せた。



゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚



ゴルフの後、千早センセイの家へと半ば強制的に連れて行かれた。

部屋に入るなり、壁に押しつけられる。
か、壁ドンヾ(@°▽°@)ノw

千早「で、どういうことなのかな?」

(・・・・・・こ、怖い・・・・・・)

綾「な、何のことでしょう」

千早「護身術。何のために習ってるの?」

(ど、どうしよう・・・・・・)


A自分の身を守るためと本音を言う
B最近、運動不足でとごまかす
C取材でハマっちゃってとごまかす


━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─

A:自分の身を守るためと本音を言う
(この様子だと、私の考えてること、もうわかってるよね・・・・・・)

綾「堀北さんから自分の身を守るためです。またこの前と同じようなことがあったとしても、自分の身を守れたらと思って・・・・・・」

千早「・・・・・・」

(あ、あれ・・・・・・?千早センセイ、何も言ってくれない・・・・・・)


しばらくの間、重たい沈黙が流れた。

沈黙に耐えかねて、口を開きかけたその時。


千早「・・・・・・綾さん」

綾「は、はい」

千早「僕はキミに甘やかされてばかりな気がするよ・・・・・・」

綾「・・・・・・?私のほうが甘やかしてもらってるんだと思っていたんですけど・・・・・・??」

千早「え?」

綾「あ、あれ?違いました・・・・・・?」

千早「キミ、ちゃんと僕に甘えてる?」

綾「甘えてます。ご飯つくってもらったり、落ち込んでるときに優しくしてもらったり・・・・・・」

千早「・・・・・・そうか。少しでも綾さんの支えになれているなら、うれしい」


B:最近、運動不足でとごまかす
(うーん、本当のことを言うと気を遣わせるような気がする・・・・・・)

綾「最近、運動不足で・・・・・・やってみようかなと思って」


千早センセイは大きくため息をついて、頭を抱えた。


千早「・・・・・・キミ、本当に嘘がヘタだよね」

綾「いえ、本当なんですってば!」

千早「ありがとう。僕のことを考えての嘘だよね。でも・・・・・・嘘、つかなくていいんだよ。僕に気を遣わなくたっていいんだよ」

綾「じゃあ、千早センセイも。私に気を遣わないでください」

千早「僕は無理。気を遣ってるんじゃなくて、キミに優しくしたいだけだから」

綾「じゃあ、私もそうです」

千早「キミはダメ。嘘がヘタすぎだから」


C:取材でハマっちゃってとごまかす
(千早センセイは噂が嫌いだしなぁ・・・・・・かといって、本当のこと言うのも気を遣わせそうだし)

綾「取材に行って、実際にやってみたら面白くて・・・・・・ハマっちゃったんですけど」

千早「そうなの?」

綾「はい」

千早「本当にそれだけ?」

綾「・・・・・・護身術が使えるようになったら、この前みたいなことにならないなと思ったのも、確かなんですけど」

千早「・・・・・・そうだよね・・・・・・」

━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─

つらそうな表情をした千早センセイの頬にふれる。


綾「あの。千早センセイ、私、本当に大丈夫ですよ?」


千早センセイは、頬にふれている私の手に、自分の手を重ねた。


千早「あまり勇ましくなられてしまうと、僕の出る幕がなくなってしまうね」

綾「私、そんなに・・・・・・強くはないですよ?」

千早「そうだよね。・・・・・・女のコだもんね」



千早センセイは私の手をとると優しく口づけた。

どこか複雑な表情を浮かべて、彼は私を見る。

私は背を伸ばすと、彼にキスをした。

 

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 

 

 

 

結局シークレット③もレポすることにしました(・∀・)

①もめんどくさがらずにレポすればよかった…w

 

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 

 

「私‥昭夫くんの様子を見てきます!」

「真犯人が昭夫くんに何かしたら、里田さんはずっと、真相を喋らないかも‥!」

 

昭夫の身を案じた綾に、歩の勧めもあり昭夫のもとへ行かせた。

 

(‥お前は、昭夫が心配だって言ってたが)

(こっちは、別の心配があるんだがな)

 

加賀

「‥尾行訓練で、良の成績を収めたのは‥」

 

東雲

「上位者なら、飯田と工藤ですよ。綾ちゃんを追わせますか?」

俺の考えを読んだかのように、歩がパソコンから目を離して振り返る。

加賀

「‥そうだな」

東雲

「綾ちゃん、1%も疑ってないですからね、カレのこと」

純粋…( ̄▽ ̄)w

 

加賀

「それが、あいつのいいところだ」

 

東雲

「え?今のってノロケですか?」

 

加賀

「さっさと動け」

 

東雲

「了解」

 

息抜きがてら、歩が飯田と工藤に指示を出しに行った。

 

東雲

「定期的に、携帯で報告させます」

 

加賀

「ああ」

 

東雲

「昭夫が綾ちゃんの正義感に感銘を受けて、全部自白‥」

「‥なんてことになってくれたら、万々歳なんですけどね」

 

加賀

「‥‥‥」

 

(歩も、昭夫が黒だと思ってる‥か)

 

言わなくても、お互いが考えていることはなんとなくわかる。

 

(証拠がない‥だが考えてみれば、LIDEなんざガキのツールだ)

(だからこそ、俺たちも見逃した‥)

 

歩が犯人の足取りを追いかけている間に、石神と後藤がモニタールームに入ってきた。

 

石神

「どうなってる?」

 

東雲

「綾ちゃんに、里田昭夫の様子を見に行かせました」

 

後藤

「‥大丈夫なのか?」

 

東雲

「綾ちゃんなら、たぶん俺たちが行くよりは、昭夫を刺激しないと思いますよ」

 

歩がこれまでの捜査状況を2人に説明する。

それが終わった頃、綾を尾行している2人から何度か連絡が入った。

 

東雲

「綾ちゃん、里田家の前で昭夫に接触したそうです」

 

加賀

「‥そうか」

 

後藤

「‥加賀さん」

 

加賀

「なんだ」

 

後藤

「一人で行かせてよかったんですか?」

 

加賀

「‥あいつも刑事だ。いつまでも俺たちのお守りはいらねぇだろ」

 

石神

「ずいぶんと信頼しているんだな」

 

メガネが物珍しげにこっちを見た時、歩のスマホに何度目かの報告の電話が入る。

だが、相手の言葉を二、三言聞いた直後、歩の顔色が変わった。

 

東雲

「‥綾ちゃんを、見失ったそうです」

 

加賀

「‥なんだと?」

 

東雲

「家の前で、突然昭夫が持っていた工具で綾ちゃんを殴ったって」

加賀

「なんでその時に知らせてこねぇ!」

感情むき出しだ…(゜Д゜;≡;゜д゜)!!

 

後藤

「!」

 

思わず声を荒げた俺を、後藤が振り返る。

後藤さんもびっくりw

 

石神

「‥焦って、そんな余裕もなかったんだろう。尾行しているのはうちの生徒なんだろう?」

 

加賀

「‥‥っ!」

 

東雲

「昭夫はいったん、綾ちゃんを家の中に連れて行ったそうなんですけど」

「そのあとは裏口かどこかから出たらしくて‥尾行に気づかれてたな、これ」

 

加賀

「‥クソが!」

 

東雲
「ったく‥これじゃ、なんのために2人組で行かせたのかわかんないな」

冷静な歩に苛立つ余裕さえない。

綾が連れ去られたという事実だけで、何もかもわからなくなる。

加賀
「俺が行く!歩、昭夫の居場所を割り出せたら連絡しろ!」

石神
「お前が言ってどうする!」

加賀
「稲葉を連れ戻す」

後藤
「俺が行きます」

加賀
「その必要はねぇ」

2人を振り切り、モニタールームのドアに手をかける。

その時、歩の静かな声が聞こえてきた。 

東雲
「その必要はないんじゃないですか?」

悠然と、歩がおもしろいものでも見るように俺を笑う。

東雲
「らしくないですよ、兵吾さん」

加賀
「うるせぇ。今はてめぇの遊びに付き合ってる暇は‥」

東雲
「たかが補佐官一人、でしょ?」

あゆむん煽るね-(σ・∀・)σ​​​​​​​

 

後藤

「歩!」

思わず、歩の胸倉をつかんだ。

加賀

「てめぇっ‥」

石神

「加賀、東雲を離せ」

東雲

「いいんです。でも、俺を殴っても綾ちゃんは帰ってきませんよ?」

「今、兵吾さんが一人で勝手に動いて何のメリットがあるんですか?」

加賀

「‥‥‥」

 

東雲

「気持ちはわかりますけど、大丈夫です」

「この手のイタイ系犯人は、一応『計画』通りに動くはずですから」

「どんな稚拙な『計画』でも、自分が考えたものが一番だって盲信するタイプ」

 

歩から手を離すと、服を整えて歩がパソコンのキーボードを叩く。

 

東雲

「だから、速攻で殺される確率は極めて低いです」

 

加賀

「‥‥‥」

 

「言ったでしょ、ずさんな計画って」

 

パソコンの画面には、地図が映し出されていた。

 

東雲

「LIDEを使うときに、現在地を知らせるGPSはオフにしたみたいだけど」

「携帯自体をWi-Fi使用で所在地を特定させる機能は、拒否んなかったみたいですね」

「IPアドレスから割り出せれば‥」

 

加賀

「‥居場所がつかめるか?」

 

東雲

「もちろん」

 

タン!

 

歩がエンターキーを押すと、画面上の地図の一部が大きく表示された。

 

加賀

「‥港?」

 

東雲

「みたいですね」

後藤

「この港‥使っていない船がそのままになってると、苦情が来ているところだな」

 

加賀

「所轄に連絡する」

「‥歩」

 

東雲

「はい?」

 

まだパソコンを操作しながら、歩が振り返る。

 

加賀

「‥助かった」

 

東雲

「‥‥‥」

「‥いーえ。兵吾さんには、いつもお世話になってますからね」

 

加賀

「相変わらず食えねぇな、お前は」

 

東雲

「あ、じゃあ今度ラーメンおごってくださいね」

ピーチネクターじゃないんだ⊂((・x・))⊃​​​​​​​w

 

加賀

「‥チッ」

 

あいつの命は、ラーメン程度か‥)

所轄に連絡しながら、モニタールームを飛び出した。

 

 

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 

 

 

港で綾と昭夫の身柄を確保すると、そのあとは捜査も順調に進み‥

里田昭夫の自供が取れて、事件も解決へと動き出した。

 

「加賀教官、言われた資料持ってきました」

 

加賀

「遅ぇ」

 

「だって、こんな膨大な量ですよ!」

「鬼!」

 

加賀

「ああ?もっと躾られたいか?」

 

「め、滅相もないです!」

 

慌てる姿を見て、喉の奥で、くっと笑う。

 

『公安刑事として‥私を鍛えてください』

『自分で判断できるようになるまで、もっともっと頑張りますから!』

 

(あの宣言は、悪くなかったな‥)

(その後の言葉には‥)

 

『私を助けに来てくれた時‥教官は間違いなく、私の正義のヒーローでした』

 

(悪かねぇな、ヒーローってのも‥)

 

ドアが開いて、珍しく難波さんが顔を出す。

 

難波

「稲葉はいるか?」

 

「はい!なんでしょう?」

 

難波

「あの話、どうなった?」

 

「あの話?」

 

難波

「見合いだ」

 

「!?」

バサバサバサ!

 

綾の手から、持っていた資料のファイルが落ちて床に散らばった。

 

「あ、あの‥それは」

 

加賀

「‥‥‥」

 

「ち、違うんです‥!いろんなことがあって忘れてて」

 

泣きそうな顔になりながら、綾があたふたする。

 

(‥躾がどうやら、足りなかったようだな)

(他の男への尻尾の振り方なんざ、どこで覚えてきやがったんだ、ったく‥)

 

一瞬焦ったものの、俺に誤解されまいと必死な綾を見てそう思っていると、歩と透がニヤニヤしていることに気づいた。

 

加賀

「‥なんだ」

 

東雲

「もう、いっそのこと兵吾さんから断っちゃっていいんじゃないですか?」

 

黒澤

「ですよねー。大事な大事な綾さん‥」

「‥という名の専属補佐官がお見合いなんてしたら、仕事に支障が出ますしねっ!」

 

がっと、黒澤の顔面を片手でつかんだ。

 

加賀

「てめぇは毎回、ココに来すぎだ、あぁ?とっとと自部署に行って仕事しろ‥っ!」

 

黒澤

「ああ、加賀さんの愛が痛い‥!」

 

難波

「まあ、稲葉も最初から乗り気じゃなかったしな。先方にはそれとなく伝えてはあるが」

「でもやっぱり、お前から正式に返事をしないことにはなぁ」

 

「あのですねっ、その、お断りを‥と思っ」

 

???

「失礼します!」

 

振り返ると、見たことのねぇ男が教官室に入ってくるところだった。

 

難波

「キミは‥」

 

???

「仕事中に申し訳ありません。稲葉さんがこちらにいると伺って」

 

「さ、サトルさん!?」

 

綾と難波さんの様子から、

どうやらこいつが綾の見合い相手なのだと見当がついた。

 

(ずいぶんと爽やかなナリしてんじゃねぇか)

(にしても、サトルだぁ?)

(俺の名前はまともに呼ばねぇくせに‥!)

このセリフきゅんとしてしまったよ…(〃∇〃)​​​​​​​

 

黒澤

「歩さん!これはもしかして‥いわゆるひとつの、修羅場ってヤツですか!?」

 

東雲

「うわー。この目でリアル修羅場を拝めるなんて思ってなかったな」

 

黒澤

「どうしましょう!俺、胸の高鳴りが止まりません!」

 

相変わらずコソコソうるせぇ2人に、構ってる暇もない。

 

難波

「えーと‥ここには、なんの用で?」

 

サトル

「ずっと稲葉さんからの返事を待っていたんですが、我慢できなくなってしまい‥」

「会えない時間に想いが募って、気が付いたらここまで来てしまったんです」

 

石神

「‥あれが、稲葉を天使だか妖怪だかと見間違えたという男か」

 

後藤

「荒野に咲いた一輪のすずらん‥」

 

颯馬

「ハンカチのキミですね」

(‥こいつら、楽しんでやがるな)

( ̄▽ ̄)ホントニネーw

 

サトルとかいう男は、もう綾しか見えてないのか、周りの声など気にしていない。

 

サトル

「やはりここは男らしく、直接お返事を聞くべきかと!」

 

「あの、その‥」

 

サトル

「稲葉綾さん!」

 

「は、はい!」

(おい、なに律儀に返事してやがる)

 

サトル

「僕と、結婚を前提に正式にお付き合‥」

 

加賀

「ちょっとツラ貸せ」

 

綾とサトルの間に割り込み、サトルを見下ろす。

告白を停められたサトルが猛然と抗議してこようとして、俺を見上げ‥言葉を失った。

 

黒澤

「加賀さんのあの顔‥」

 

東雲

「完全にご立腹じゃない?」

 

後藤

「‥面倒なことになりそうだな」

 

颯馬

「いえ、一瞬でカタがつくかもしれませんよ」

 

難波

「まあ、あとは当事者同士で」

 

石神

「何かあったら、お前が全力で止めろ、稲葉。いいな」

 

「そ、そんな!」

 

相変わらずヒソヒソと声が聞こえる教官室を、サトルを連れて出た。

 

 

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 

 

 

裏庭まで連れ出すと、サトルは明らかに不満げだった。

サトル

「失礼ですが、あなたは?稲葉さんの上司ですか?」

 

加賀

「公安課の加賀だ」

 

サトル

「ああ、公安学校では、現役の刑事が教鞭を執っているいるそうですね」

「では稲葉さんは、あなたの‥」

 

加賀

「専属補佐官だ」

 

幹部の息子で、自分も幹部候補生という立場のせいか、

刑事が目の前にいても、怖気づくどころか堂々としたものだった。

 

(普段なら、経験もねぇガキが粋がってんじゃねぇ‥なんて思うところだが)

(今はそんなことはどうでもいい。あいつが誰もものか‥はっきりさせてやる)

 

サトル

「すみませんが、いくら上司でも、部下のプライベートに口出しするのはいかがなものかと」

 

加賀

「ただの部下じゃねぇ」

「あいつは‥俺の女だ」

 

サトル

「!?」

 

加賀

「だから、お前には渡せねぇ」

 

サトル

「きょ、教官が生徒に手を出していいんですか!?ふしだらだ!」

「このことが上層部やうちの父に知れたら、あなたの立場は‥っ」

 

加賀

「覚悟の上だ」

 

サトル

「!」

 

加賀

「でなきゃ、あんな面倒な女、そばに置こうなん思わねぇ」

 

サトルが、言葉もなく俺を見つめる。

 

加賀

「あいつがいい女になるのも、人を助ける立派な刑事になるのも」

「‥全部、俺のそばだけだ」

 

サトル

「面倒だと言うのなら、僕に譲ってください」

「今まで、あんなに優しくて純粋な女性には会ったことがないんです」

 

加賀

「奇遇だな。俺もだ」

サトル

「!」

 

加賀

「悪いが‥何があっても譲るつもりはねぇ」

 

サトルが、悔しそうに唇を噛みしめる。

それから、俺に背を向けて小さく言った。

 

サトル

「‥必ず、幸せにしてあげてください」

 

加賀

「‥さあな」

 

サトル

「あなたは‥!」

 

加賀

「あいつは、俺がどうこうしなくても、てめぇの力で幸せになる」

「その時、俺が隣にいるだけの話だ」

加賀さんらしいお言葉いただきました!w

 

不意に、難波さんの言葉が頭を過った。

 

難波

『お前が思ってるより‥稲葉は、弱くない』

『もう少し、あいつを信じてやれ』

 

(‥ああ、信じてる)

(あいつが幸せになるのは、俺の隣だ)

 

 

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 

 

 

教官室に戻ると、綾が一人で取り残されていた。

 

「み、みなさんお仕事で出かけてしまって‥」

「あの‥サトルさんは」

 

加賀

「うるせぇ」

 

指で額を弾いても、綾は不安そうな顔を崩さない。

 

加賀

「‥なんつー顔だ」

 

「私‥」

 

加賀

「わかってる」

 

「え?」

 

加賀

「長いこと一緒にいりゃ、犬の気持ちもわかってくるだろ」

 

「あの‥いつになったら飼い犬から卒業できるんでしょうか」

 

加賀

「さあな」

 

(早くいい女になれ)

(俺が、背中を預けられるほどにな)

 

加賀

「仕事、するぞ」

 

「‥はい!」

 

個人教官室のドアを開けると、綾がついてくる。

 

(俺が育ててやるよ、お前を一人前の刑事に‥それに)

(‥最高の女に、な)

End

 

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 

はい-!

加賀さんの愛をしっかり受け止めた綾です…!

近いうち、加賀さんのSeason3も配信されるし、

あゆむんの勘違いBABYも配信されるしね♡

早くあゆむんのSeason3も見たいけど、1年くらいは待つことになるのかな-(´;д;`)

 

ボルさん早めにお願いしますね!w

 

 

 


アップします!

ここら辺からもう少しずつと…(´;ω;`)ブワッ

シークレット②はね…

レポしていきます!

最初からやれよ!!って思うよね((((((ノ゚⊿゚)ノ

 

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 


一度釈放された里田が、再び確保された。

 

それは後藤たちの仕掛けた盗聴器が里田のある『言葉』を拾ったからだ。

 

東雲

「うちしか知らないはずの、国内テロリスト予備軍を知ってたとは」

 「なんかもう、全部すっ飛ばして逮捕したいんですけどね」

 

加賀

「時間の問題だ」

 

加賀

「ただ…」

 

石神

「何か気になることでもあるのか」

 

眼鏡の言葉に、少し考える。

 

加賀

「…里田は、誰かをかばってる」

 

加賀

「てめぇが喘息の発作で死にそうになっても、吐かなかった」

 

石神

「お前…未だそんな取り調べをしているのか」

 「時代遅れもいいとこだ」

 

加賀

「なんとでも言え」

 

東雲

「確かにあの状況でも吐かないのに、うっかり機密情報を口にしちゃうなんてお粗末ですよね」

 

後藤

「盗聴器が仕掛けられていることを知らなかったからでは?」

 

加賀

「いや…てめぇが犯人なら、命がヤバイ時には必ず吐く」

 「あの男が、あれ以上の取り調べを経験してるとも思えねぇ」

 

(それなのに、里田だけを捕まえていいのか…?)

(泳がせておいて、里田がかばってる奴の尻尾をつかむ方が…)

 

教官室のドアが開いて、綾が入ってくる。

 

『おはようございます…』

 

加賀

「朝っぱらからシケたツラ見せんじゃねぇ」

 

『今、昭夫くんに会ってきたんです』

 

その言葉に、一瞬、自分の中で何かがざわめいた。

 

『学校の前にいて…お父さんは釈放されないのかって』

 

(里田昭夫…里田恒彦の息子…)

(このタイミングで、息子がここへ来るだと…?)

 

息子の情報も、当然、歩に調べさせておいた。

 

表立って怪しいところはないが、その生い立ちが気になる。

 

(親父の浮気が原因で、母親は昭夫を置いて家を出た)

(その後、里田は浮気相手と再婚してる…)

 

歩が調べた情報によると、昭夫はほぼ毎日のようにまっすぐ家に帰り、ほとんど外出しないらしい。

 

(かばっている相手、としては十分な存在だな)

(だが、ガキがここのセキュリティを破るなんざ…)

 

そう思い、昭夫を怪しみながらもまだ手を打てずにいる。

 

(なのに、わざわざその昭夫と個人的に接触しやがって…)

そこは不可抗力だから(T▽T;)

 

(クズが…ずいぶん手を煩わせてくれる)

 

昭夫に情が移ったのか、綾が必死に俺たちに食らいついてくる。

 

『里田さんがデータを持ち出したのは、許されることじゃないってわかってます』

 『でも…こんなやり方じゃ、誰も幸せになれない』

 

(…そうだな)

(お前なら…そう、思うだろ)

 

むしろ、それが自然な気がした。

加賀さん…(;_;)


綾はきっと、何があろうと俺たちのやり方を、本当の意味では許容はできないだろう。

 

『一歩間違えれば、教官たちだって…』

 

加賀

「言いたいことはそれだけか」

 

(お前には、無理だ)

(お前に…こっちの仕事は、酷だ)

 

加賀

「てめぇの理想の正義はなんだ?犯人も被害者もみんなが仲良しこよしの世界を作ることか」

 

『そ、それは…』

 

加賀

「そんなクズみてぇな理想なんざ…」

 

傷つけるとわかっていても、止められない。

 

加賀

「所轄にくれてやれ」

あぁ…正義について悩んでる時にはキツイ言葉だね。

でもヒロインも公安にいる以上、加賀さんの意見が間違ってるっても思ってないし、事件解決の為には綺麗事だけじゃ済まないってわかってるんだよ。

気持ちがついていかないだけで(;_;)

 

その言葉に、綾が泣きそうな顔になる。

 

 

歪んだコイツの表情は、俺の心も歪めて苦しめる。

 

(…普段、お前がどれだけ頑張ってるか俺が一番よく知ってる)

 

この仕事も真摯に取り組み、必死に努力しているのを、誰よりもそばで見て来た。

 

だからこそ、傷ついてうつむく綾を見ると胸がえぐられるような気持になる。

あの言葉の裏に加賀さんのこんな気持ちがあったなんて(´;ω;`)ブワッ

 

(こんなくだらねぇことを言い合ってる場合じゃねぇ)

(…てめぇのそんな顔に、こっちまで揺らいでる時間なんざねぇ)

 

…傷つけたいわけじゃない。

 

(さっさと事件を解決して、情報漏えいをふせがねぇと…)

(公安の機密事項がこれ以上表沙汰になれば、国を揺るがす事態になり得る)

 

…これ以上、お前が傷つく必要はねぇ。

 

矛盾した気持ちが溢れ出しそうだった。

 

東雲

「綾ちゃんが言う、『ちゃんとした捜査』って?」

 「ちゃんと手順を踏んで、許可を取って、正しいと胸を張れる行動?」

 

『私たちは刑事です!刑事がルールを破るのを良しとするのは』

 

これ以上、話を続けるつもりはなかった。

 

机を叩いて立ち上がると、綾が怯えたような表情になる。

 

加賀

「てめぇの理想論は、どれも現実には通用しねぇ」

 

加賀

「…公安刑事には、向いてねぇな」

 

吐き捨てるように言ったその言葉は、誰の言葉よりも綾を苦しめると知っていた。

 

だから…綾の目を見て言うことはできなかった。

ウワァァ━━。゚(゚´Д`゚)゚。━━ン!!

 

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 



 翌朝、いくら待っても綾は教官室に来なかった。


(気まずい、なんて理由だったら、一生クズ呼ばわりしてやる)


仕方なく、立ち上がって朝イチの講義へと向かった。


教場に、綾の姿はなかった。


講義を終えたあと、いつも綾と一緒にいる佐々木に声をかける。


加賀

「佐々木、稲葉はどうした」


鳴子

「私もさっき、電話してみたんですけど‥出ないんです」


加賀

「‥‥‥」


鳴子

「LIDEにメッセージ送っても既読にならないし‥」


(LIDE?)


千葉

「具合が悪くて、寝込んでるのかも。電話に出れないくらい具合が悪いとか‥」


(‥それはねぇ)

(昨日はそんな様子、微塵もなかった)


2人に話を聞いた後、教場を出る。


何かが胸を必死に叩くような、妙な胸騒ぎを覚えた。


難波

「忙しいのに、突然呼び出して悪いな」


加賀

「いえ‥」


室長が深刻そうな顔で、封筒を取り出す。

そこには‥『退学届』と書いてあった。


加賀

「!」


難波

「‥稲葉から、渡された」


加賀

「‥‥‥」


難波

「心当たりは?」


頭に浮かんだのは、昨日のやり取りだった。

加賀

『てめぇの理想論は、どれも現実には通用しねぇ』

『‥公安刑事には向いてねぇな』


自分の言葉に、目を閉じる。


加賀

「‥公安刑事に向いてないと、伝えました」


難波

「なるほどな‥」

「それが原因だと思うか?」


加賀

「‥おそらくは」


難波さんが、封筒をデスクに置く。

そこに書かれた『退学届』の文字は、確かに綾の筆跡だった。


(飽きるほど見ていたから、すぐわかる)

(特徴のある字で、綺麗に書こうと必死になるからなおさら下手くそだ)


その3文字を、どんな気持ちで書いたのか‥‥

その時の綾を思うと、胸が締め付けられた。


難波

「‥柄じゃねぇだろ」


加賀

「‥え?」


難波

「刑事に向いてないなんて言葉、今まで何度もお前が稲葉に言ってるのを聞いてる」

「なのに稲葉がここまで思い詰めるからには、今回の言葉も本気だったんだろ」

本気だったのもあるけど、その裏には優しさもあったよね(´・ω・`)


加賀

「‥‥‥」


難波

「他人にそこまで本気になるお前は、らしくないね」

「これまで、いらない人間は切り捨て、使える奴だけを残してきただろ」


加賀

「‥‥」


(確かに‥あんなクズになんざ本気にならず、ほっときゃよかったんだ‥)

(‥でも)


難波

「けど‥まあ、いまのお前は悪くないと思うけどな」


加賀

「‥は?」


難波

「そういう相手がいてもいいんじゃないか?特にお前みたいなタイプは」


加賀

「‥‥‥」


難波

「確かに、この仕事は稲葉には難しいかもしれない」

「あいつは、変に骨があるくせに優しい。公安の仕事を続けていれば、傷つくことも増える」

「だが‥切り離すだけが守ること、とは限らない」

「『可愛い子には旅をさせろ』」

「『獅子は我が子を千尋の谷に落とす』」

「お前もそうやって育ててもらったろ」


加賀

「!」


難波

「時には、その渦中に突っ込んでやることも大事っつーことだ」


難波さんの言葉に、何も言い返せない。


俺を見つめ、室長はふっと笑った。


難波

「たぶん、お前が思ってるより‥稲葉は、弱くないぞ」


加賀

「‥‥‥」


難波

「何もできない、ただの学生じゃない‥あいつにはあいつなりの正義がある」

「もう少し、あいつを信じてやれ」


(そんなこと、言われなくても‥)


でも、やっぱり何も言い返せなかった。



゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚



寮監当番だったその日は、自宅ではなく寮の部屋に戻った。


部屋に入り一人になると、言いようのない怒りがこみ上げてくる。


加賀

「‥くそっ!」


力任せにドアを叩くと、拳にじんわりと痛みが広がった。


荷物をソファに投げるように置くと、そのままベッドに倒れ込んだ。


(俺さえ‥)

(俺さえあいつを見失わなければ、大丈夫だと‥)


公安刑事にこだわることは無意味だと思っていた。

別の場所で、綾は綾のまま、自分の正義を貫けばいいと思っていた。


(あいつがどこへ行こうと‥たとえ公安刑事になることを諦めようと)

(俺の気持ちが変わるわけじゃねぇ。俺の考えが変わらねぇように)


でも、その気持ちは綾には伝わらなかった。


あいつが選んだ『退学』という選択よりも、それを選ばせてしまった自分に、この上なく苛立つ。


上へと伸ばした手は、行き場をなくして空を切る。


(ついこの間までは‥この腕の中にいたのに‥)


腕で顔を覆い、心の中で自分に舌打ちする。


(‥不甲斐ねぇな)


(好きな女一人‥理解してやれねぇのか)

理解してないわけじゃないと思った。

ただヒロインちゃんに教官達と同じような『覚悟』がなかっただけで( ; _ ; )



゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚



数日後


(結局‥あれ以来、綾からの連絡はなし、か)

自分からどのツラ下げて連絡をすればいいのか。


いい加減な『恋愛』をしてきて、ロクに女を追いかけてこなかった自分は持っていない術だった。


(ガキか、俺は‥っ!)

恋愛でガキなのはあゆむんだけで充分だよー(°▽°)w


突如、助手席に置いたスマホが震えた。

ランプの点滅をチラリと見ると、綾の名前とメールのアイコン。


加賀

「!?」


急いで路肩に車を停めて、メールを開く。


(『弟が、LIDEで公安の情報を漏洩しているアカウントをみつけました』‥)

(『情報が載った非公式ページは拡散されています。東雲教官に調べてもらってください』)


そのあとは、メールが送られてこない。


(‥これだけか)


報告のようなメールに拍子抜けすると同時に、

綾の中の『正義』が、このメールに込められているような気がした。


加賀

「‥クズが」


真剣な綾の顔を思い浮かべて、久しぶりに口元が緩む。


すぐさま歩に連絡を取ると、

いつものように「あー、なるほどねー‥調べてみます」とやる気なさげの声が返ってきた。

安定のあゆむんだわ(*゚∀゚*)♡w


(あとは‥)


画面に綾の名前を呼び出して通話ボタンを押そうとすると、いつになく心臓が煩い。


(‥緊張、してんのか)


少し汗ばんだ指先で発信ボタンをタップすると、すぐに綾の声が聞こえてくる。


『も、もしもし‥』


加賀

「よくやった」


『えっ?』


加賀

「さすがに、そんなくだらねぇツールなんざ俺も歩もノーマークだった」


『は、はい‥!』


緊張の中でかけた電話の声が、上擦ってないか少し心配になった。

綾はそのあと何も言わず、少しの沈黙。


(‥帰ってこい)

(お前の居場所は‥俺の隣だろうが)


加賀

「いつまでそこにいるつもりだ?」


『え‥?』


加賀

「‥さっさと帰ってこい」


『‥帰ってもいいんですか‥』


加賀

「バカが‥」

「‥てめぇを離すつもりはねぇ。覚えとけ」


ツーツーと切れた通話の音が、どこか心地よい。

俺の最後の声が、震えていたことに‥


(‥どうせお前は、気づいてねぇだろうな)



゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚


はいっ!

ということでシークレット②、レポ終わりました…

この話は書きながら読んでてもウルっとくるよ(。º̩̩́⌓º̩̩̀).゜

シークレット③はレポするかどうか悩み中…