月並みの不動明王 護摩祈祷は、28日に用事が
ありましたので、本日 30日の午前10時から執行しました。
修法の終わった護摩の炉 (まだ薪がくすぶっています)
護摩(ごま)の修法は、ご本尊の不動明王さまへ供物をお供え
する供養儀礼のみが目的ではなく、行者をはじめ施主さまの「業」を
「智慧」に転換することを本義とします。
業(ごう)とは、私達が毎日の生活で成すところの
意志・動作・言語のはたらきの全てを指しており、
その業は、心の深層に記憶されていて潜在的な力となって
次の行為や報いをもたらします。
よく自業自得といわれますが、正にその「業」です。
悪業には悪報が、善業には善報が寄り添うわけでございます。
そして、報いはすぐに結果となって現れる場合と、隔世して
次世代に及ぼす場合があったりと様々です。
そこで、善悪業を護摩の炎で智慧に変え、業を昇華(しょうか)させる
のが密教の護摩修法でございます。
護摩の修法で使う108本の薪は、私達が抱える108の煩悩を
具体化したもので、この薪を梵焼(はんしょう)して、業を昇華させていきます。
人間 誰しもがもつ、生存に関わる煩悩も清めなければ、ただの煩悩ですが、
煩悩のもつエネルギーの強さを良き方向に変えれば、善へと向かう
原動力になり得るのです。
その為、密教は煩悩を完全に否定することなく、
我欲を大欲に、小我を大我というようにベクトルを変えて
利他の精神と同体の大悲に
生きること(みほとけの煩悩)を目指します。
このように有難い真言密教の護摩秘法ですので
どうぞ、お参り下さいませ。
添え護摩木以外に 108支護摩供の祈祷も承ります。
日々の生活で、心に溜めこんだ潜在的垢のそうじをしてみては
いかがでしょうか?
合掌
(長楽寺のホームページ)