マッド生活で徐々にボロボロになっていくのは車とメンバーの心。

場面ごと順番に説明していきます。

 

車の調子が悪く、ボロボロ場面に巻き込まれる泳。

サエズリと小鳥が言い合いになりそれを燕と片手しか使えない泳が止めに入るというシーンがありましたがこの時の磯村くん演技関係なくめっちゃカッコいい。

だいたい可愛いはあってもカッコいいはあまり私の歳のせいか表現しないのですが観客の全員が(男性もです)惚れてしまいそうな男っぷりのよさがありました。
生着替えのない後半は、こんなところで色気でも感じないと見てられない方もいたのではないかとバカな妄想。
小鳥は怒ってまた「何もできないから」と羽子とガソリンを探しに行く。
 
泳       「新しい車を盗んできたら」
           《・・・じゃあまた同じ様な車、盗んでくるとか》と提案する。
サエズリ《・・・簡単に言うな。車1台盗むのが、どれだけのリスクがあるかわかってるのか?》
泳      「どうせガソリンだって盗んできてるんだし」
         《いや、別に簡単には・・・でもガソリンも盗んでるわけだし》
観客にはごもっともと思えるこの台詞。
しかしサエズリは怒りをあらわにする。
サエズリ「どんな思いで盗んでいると思ってる?新米なのに」
                 《俺達が軽い気持ちでガソリン盗んでると思ってんのか?よそ者が軽々しく》
この言い分も、わかる。
しばらく言葉にならない言葉のシーンが続く泳。そして暗くなり…
 
泳が右手しか使えないながらもくちばしの本棚を作ろうと金槌を打ちながら始まる回想シーン。
星子が登場し、父の死を知らせます。
星子は上手側に斜めに立っています。中央にいる泳に行かないかと声をかけますが泳は断ります。
新しい家族がいるところに行ったところで星子が辛く惨めになるだけ。
そんな配慮もあっての言葉のように思います。
回想シーンは左腕が動くので演技の中でうまいこと使い分けをしています、左腕のオン、オフが。回想が終わると…また金槌を打つ泳の姿。
 
燕は日本のカリフォルニアに行く夢をずっと持ち続けています。
オーガニックコットンの栽培がしたいって話だったかな。日本ではまだ成功例がない栽培をやりたいとひたすら語るのを本棚の釘を打ちながら泳が聞いていてあまりの現実性のなさに泳が反論の思いをぶつけるシーンがあります。
燕はそんな泳を叱ることなく優しく諭すように語ります。
 
次のシーン。
小鳥と羽子とはラブラブらしく二人でアニメの「ワンピース」から人生のことを語りだしたりして。
羽子は心配蘇生法か何かの資格(ほぼ、当たり。救急看護士)があることもこの時に判明しました。
昔に取ったから資格が使えるかはわからないけどって。
小鳥は何気にいい奴じゃんていうキャラなんだけど喧嘩っ早い一面もありますね。
小鳥と羽子がガソリンが手に入らず空ボトル持って戻ってきたシーン、千秋楽は私の座っている目の前を2人で走るように通ってびっくり。足ふまれそうな勢いでした。
 
くちばしは寝ているが、泳、つむぎ、燕の会話シーン。かつて東日本大震災で妻と子供(娘らしい)を亡くし未だに会えずじまいの辛い時期を過ごしたという燕の話。
演じる役者さんも決して若いというほどの年齢ではないでしょう。
だからこそ貫禄がありました。
 
つむぎと星子の声が同時に重なる。
現実と回想が交じりあうシーン。
星子の命が長くないことを泳から言います。
泳  《・・・死ぬんだろ?もうすぐ。母ちゃんも》
星子「ばれたか」
        《・・・・・(笑って)バレたか。うまく隠せてると思ってたんだけど》笑ってごまかす。
泳    《ガンってなんだよ、ステージⅣってなんだよ》
星子は涙を流しながら、その場を離れる。
台本には泳からゆっくりと距離を取っていき、消えていくとありました。
そして泳もだんだん涙目になります。
回想終了。
くちばしに金槌を返す泳。
もう荷物は持って行けない。
ここで大音量の音楽。
おそらく『2』(現在のThe 2)さんの『VERGIN』10曲目。
『How many peaple did you say"Goodbye"』というバラード。
 
最終的にはつむぎと泳はマッドから脱出してそれぞれの道を歩き出します。

最後にくちばしから本を差し出され

《カモにあげる。難しいから、本当は一緒に読んで欲しかったんだけど》

まさに中村泳として世に出した『みずいろ』である。

泳は《俺も、大好きな本だから、だから持ってて欲しい。》と一旦は受け取るが、くちばしに戻します。

『マッドの歌』を歌いながら、みんなに見送られる二人。

 

そしてマッドと離れ、舞台中央から上手側、上手側前方から後方、また後方から下手側、そして後方から前方へと四角に何周かまわり歩きます。

星子との回想シーンでも四角に歩くのは学校謝罪のシーンでありましたが今回のこれが、マッドから離れ歩く道のりを意味していました。

相当長いこと歩きます。

 

星子がベンチに座り『みずいろ』の原稿(ノートに手書きで書いたっぽい感じのもの)を舞台後方で読み、同時に本になった『みずいろ』をくちばしが舞台下手側で読むという回想現実ごちゃ混ぜ?なシーン。
 
母星子との回想シーンで色んな思いが蘇り、立ち止まり(横向きのまま)涙をこぼす泳。
回想シーンで母にハグされそうになり、現実に戻りつむぎにハグされて幕は閉じる。
 
千秋楽はスタンディングオベーションになりました。千秋楽の、挨拶どんなだったかな。
覚えてないです。ブログに残してあったかな?
無事に終えてホッとしている様子でした。