半神の原作で、終盤にある「死んでいったあれは誰?死んだのは私じゃないのか」という疑問についてずーっと咀嚼しきれず気になっていて、それのヒントがあったらいいな、と思っていたんだけど、萩尾望都そんな親切じゃなかった。ヒントないどころか、舞台版はバックグラウンドが違うので、かえって悩み考えるとこ増えたわ…。

最初は、ユージーが自分とユーシーのことを「私と妹」って捉えてるのに、シュラにとってはマリアが自分の一部で「そっちの頭」って呼んでたりして戸惑った。あー漫画の舞台化ではないんだなぁと気付いてからは楽しめたけど、今思うと「そう言ってるけど後でこうなるんだよね?えっならない…いや実はなるんでしょ?ならんの?」って感じで、進んで行くストーリーを素直に受け取れなかったので、前知識が邪魔だった気がする。舞台の脚本をまた漫画にして読めたらいいのに。

そんな違和感のせいもあって、最初の方は漠然と受け付けなくて「アングラな感じがする…あんまり好きじゃない…」と思ったんだけど、一晩寝かせたら自分の中で何かの折り合いがついたらしく、今は「良い作品だったなぁ」と思う。

あとデデマウスの曲と、双子の奇妙な雰囲気のダンスがすごくマッチしてて、それはほんとに美しくて気持ちよかった。

観終わったあと、公式サイトをちゃんと見てみたら、原作以外にも「ウは宇宙船のウ」収録の「霧笛」も参考に読むといいよ〜みたいなことが書いてあった。そっかー。

久しぶりの観劇だったから楽しみは楽しみだったんだけど、なーんかもっくんがTwitterで煮詰まってるというか、「難しいです」みたいな雰囲気を醸し出しまくっていたので、もしかしてあんまり良い作品ではないのかな…とビビっていたんだけど、単純に脚本が難しいだけだったので安心した!いや、まぁ確かに哲学が複雑だったり世界観が独特だと、それを正確に客に伝えなきゃいけない役者さんは大変だよね…。でも思ったよりもっくんが元気にお芝居してた!そんなもっくんを観れて良かった!ずっと生で観たかったんだよもっくん!