とりま押しといて☆
あの名探偵潮香美月が帰ってきたょー!
そこ
知らないとか言わないのー!!
『学校の密室事件』『箱の手首事件』がスタートして約1年ぶり!
今度の事件はクリスマスにふさわしぃ事件だょ
ホントか!?
今回はナビゲータ☆KANA☆はココの欄に登場するからね![]()
ここもお見逃しなく![]()
前回の事件は見やすさの都合上 非公開に設定するからね
もし再UP希望の方がいたらどんどんコメントくださぃませー
ってもう、クリスマス過ぎちゃったけどみんな読んでくれる?
1037:聖夜 に流れる歌
街にはジングルベルがこだまし、LEDの灯りが木々を彩っている。今日までは誰もがクリスマス気分で、明日からは年の瀬気分。もういくつ寝ると正月気分を味わうのだろう。
「美月さま。ソラは何も罪に問われませんよね?」
「さあ」
潮香の表情は明るかった。結局はただ働きに過ぎない慈善事業の数日間だったが、ボクも自然と明るい表情になった。スミレも四郎も同じだった。
ボクたちは館山館の向かいの音楽教室から出たところだった。
ボクたちは事件のたびそこで、マダムちゃんや小セレブさん、おひなさんの3人に聞かせることになるのだが、今回はおひなさんに頼みごとがあった。
ソライヤが童謡を口ずさんでいたのを潮香とスミレが気付いていたのだ。
Cristmas! Cristmas!
Merry Merry Cristmas!
赤いサンタは いそがしすぎて
頼んだ青サンタは 寝すごした
黒サンタは 消えた
白サンタは とけた
Merry Merry Cristmas!
And A Happy New Year!
「いいですよう。私でできることなら! 完成したら子どもたちにも歌わせよう!」
「来年には『赤鼻のトナカイ』を越えるクリスマスソングにしてくれたまえ」
日本人形のような黒い髪を揺らして典子さんは微笑んだ。そのたたずまいが本当に雛人形のように見えるから不思議だ。
よく晴れた冬空。今日は少し暑いくらいだ。
前を歩く潮香が何かつぶやいているようでボクは耳を澄ます。
Cristmas! Cristmas!
Merry Merry Cristmas!
アラビアンナイトの お姫様は
初めて見る雪に 微笑んだ
宝の山 見えた
夢見る頃 とけた
Merry Merry Cristmas!
And A Happy New Year!
ボクは潮香の鼻歌というものをはじめて聞いた気がする。
(『聖夜の潮香美月』おわり)
1036:今年最後の謎解き
「ソラ君はモデルの卵だ。才能も華もある。しかし言語の壁が越えられていない。そんなときに彼女を救うものはなんだろうね」
潮香はボクらにクイズを出すように、のんびりと言った。
「彼氏っすかねえ」
「ヒッキー、それまずいわ。イメージ下がるしー」
四郎の解答にスミレが反論する。妙なあだ名に渋面を作りながら、四郎は持説を曲げずにこう答えた。
「でもさ、彼氏がですよ。国の命運を左右する政治家だったりしたら―――」
「あ」
ボクとスミレは同時に声をあげる。
「話題性だ!」
「彼女は自分の宝が盗られてしまう可能性を十分に知りながら、話題作りのため支店長のもとを訪れた。おそらくはボクらが裸の幽霊に気を取られている間にだ」
潮香は迂闊だったと言わんばかりに頭を垂れている。
「僕らに話したとおりにソラ君は支店長に語った。支店長は強盗団を知っているし、元から店にはなかったものだということも知っている。ここで善良な宝石商なら、王家の秘宝として鑑定するところだ。だが違った」
支店長は修繕で預かった宝石だと言い、経緯を公にすることを約束し受け取った。
盗られてしまっても、話題にしさえすればいい。しかし翌日になっても支店長は沈黙したままだった。潮香が事情を聞くのと入れ違いに、ソライヤは脅しに出たのだ。
支店長はそれでも黙秘を続けた。借金のカタに強盗の手引きをし、保険で損失は免れたものの信頼は回復しがたい。そんなときに王家の秘宝は魅力的に見えたのだろう。
支店長にはソライヤを告発する手もあったが、そのことで自分にも警察の追及が飛び火することを恐れたのだ。
「そうだ、スミレ君。キミは明日が誕生日だったね。よかったら使い古しの靴下だがいらないかい?」
潮香が宝石を指差して言うと、スミレは息を飲み込んで逡巡したが、吐き出す息とともに首を振った。
「よかったら明日、宝石箱を探しに行きませんか? みんなで。ね? ハルミっちもいいよね」
1035:今年最後の謎解き(前編)
潮香が奪還した宝石は館山館303にある。
「あなたに持っていてほしい」
「では、君が必要になるまで預かっていることにしよう」
潮香はあえて念書など書かずにソライヤに宣言した。
「それにしても、どうして宝石がふたつもあるんですか?」
スミレが帰ってくると、四郎は我慢できずに聞いた。
「どうしてって、靴下は両足で1ペアだろう?」
「靴下!?」
「君たちがそう言ってたんじゃないか。赤ちゃんの靴下みたいだと。僕は靴だと思うがね」
「靴にせよ靴下にせよ、そんな宝石で作るなんて」
四郎が絶句するとスミレが言葉を継いだ。
「美月さま! ソラって一体何者なの!?」
「まあ、世が世ならアラビアンナイトのお姫様だねえ」
「お姫様!?」
「彼の祖父は、某国の国王だったが、国を追われて最終的にはアメリカに渡ったんだ。まあソライヤは前妻の孫にあたる。年の頃を見るに、元国王が亡くなる前に生まれたんだろうね、彼女は」
「じゃあ、あの宝石、元からソラのだったんだ・・・・・・・・・」
「元国王からの最後のプレゼントじゃないか? これは」
とんでもないものが目の前にあることになると気付いて、ボクらは息を呑んだ。

