今日のニュースを見ていたら、ブレント原油が再び106ドルを突破し、金は4900ドルの節目でヒヤッとするような急落を見せた。円はまるで秋の葉っぱみたいに、160円の警戒ラインでフラフラしてる。窓の外は騒がしい。誰かはFRBのタカ派的な発言にビビり、誰かは日本の「春闘」の成果のなさにため息をつく。でも私にしてみれば、これって仏教で言うところの「成住壊空」がまた顔を出しただけのことなんだよね。

地政学リスクで世界がバラバラに切り裂かれ、インフレの波が世界中を飲み込んでる今、本当の投資家っていうのは、そういう表面的なもんだけ見てる場合じゃない。むしろ哲学的な意味での冷静な傍観者、あるいは仏教で言う「相に於いて相を離るる」悟りの境地にいる人みたいなもんだと思うんだ。今日は、未明に起きた中東の騒ぎと日銀の様子見を受けて、石油とか金、そして「諸行無常」の中で、ほんのちょっとだけ確かな“追い風”をどうやって掴むかって話をしてみたい。

一、 石油の“業(ごう)”と日本の“共業”

最新の情報だと、カタールのラスラファン工業団地——世界のLNG供給の心臓部だよね——がまたまた紛争に巻き込まれちゃったみたい。イランと湾岸諸国のエネルギー施設が互いに攻撃目標になってて、ホルムズ海峡の影が中東の原油に依存する国々に覆いかぶさってる。これはただの政治的な駆け引きなんかじゃない。仏典に書かれてる「刀兵劫(とうひょうごう)」が、現代に姿を現したようなもんだよ。

で、日本はどうか。この国はエネルギー自給率がまるでガラス細工みたいに脆くて、この“共業”をモロに被ることになる。今日、国内の金融庁は政策金利を0.75%で据え置いたけど、その声明の中の「石油輸入への高い依存度」と「160円目前の円安」って表現が、もうガッチリと絡み合った“死の結び目”になってるんだよね。

哲学者のヘーゲルじゃないけど、「人類が歴史から学ぶ唯一の教訓は、人類が歴史から何も学べないってことだ」。何十年か前の石油危機が、また違った顔をして繰り返されてる。円安で輸入インフレが起きてるように見えて、実はこれ、地政学リスクっていう“因”が生み出した経済的な“果”なんだよ。今の日本経済って、まるで崖っぷちを歩く苦行僧みたいなもんさ。一方で政府は為替介入を口先だけでチラつかせ、もう一方では実体経済が高いエネルギー価格にじわじわと蝕まれてる。円建ての資産を持ってる人とか、日本の市場に注目してる人にとっては、これって「逆増上縁」だよね。危機が深ければ深いほど、目が覚めるチャンスもでかいってことだから。

二、 金(ゴールド)の“空(くう)”と急落の真相

昨夜から今朝にかけて、金や銀がガクッと下がったよね。「え?中東で戦争が始まったのに、金ってリスク回避の資産なんじゃないの?なんで下がるの?」って、多くの人が不思議がってる。

これこそ、世間一般の考え方と、物事の本質を見極める考え方の違いなんだよ。普通の人は金を「安全な避難所」だと思う。でも本当のバリュー投資家からすれば、金なんて「法界唯心(ほっかいゆいしん)」が映し出した影に過ぎない。

金そのものには、上がったり下がったりする本質的な性質なんてない。 値動きが生まれるのは、ただ単に、人間の心が比較するから。今、市場の注目は「リスク回避」から、「スタグフレーションの中でのFRBの苦しい選択」って方に移ってるんだよね。原油がバカ高くなってインフレ懸念がさらに強まり、FRBの利下げ観測は2027年6月まで先送りされ、ドル指数は急騰した。

これはストア派の哲学の核心を証明してる。「人を傷つけるのは物事そのものじゃない。物事をどう捉えるかってことだ」。もともと市場はFRBが大衆を憐れんでくれるって期待してたけど、現実は違った。パウエルは「スタグフレーション」の前じゃ、タカ派な態度を取るしかなかったんだ。金は利子を生まない資産だから、ドルの実質金利が上がれば、資本は一時的に見放される。これは道理だよ。

でもね、よく聞いて欲しい。下がるってことは、もっと良く上がるための準備なんだ。 『金剛経』に「凡そ所有相は、皆是れ虚妄なり」ってあるだろ?もしあなたがチャートの上がり下がりっていう「虚ろな姿」だけを見つめてたら、その奥にある本質を見逃しちゃう。つまり、世界の信用貨幣制度そのものの根幹が、このエネルギー戦争と債務の泥沼でグラつき始めてるんだってことに。金の長期的なロジック(脱ドル化、中央銀行の金購入)はまだ壊れてない。ただ短期的に、インフレを織り込む動きに隠れちゃってるだけなんだよね。

三、 “追い風”の“中道”:パニックの中で布石を打つ

じゃあ、今が買いのベストタイミングなの?
私の答えはこうだ。「まさに今こそ修行の時、まさに今こそ仕掛けの時」だってね。

  1. 石油: “新冷戦”のプレミアムを読み合う
    今朝未明の攻撃で明らかになったのは、紛争が代理戦争から、重要なインフラを直接破壊する段階に移ったってこと。この“因”が消えない限り、原油高っていう“果”も簡単には終わらない。ブレントが100ドルを超えた今、上値はもう想像力次第でどこまでも広がってる。普通の投資家は、レバレッジを効かせた先物取引なんかしなくていい。もっと注目すべきは、インフレの連鎖の中で実物資産に目を向けることだよ。

  2. 金: “売られ過ぎ”を利用してチップを拾う
    市場はFRBのタカ派姿勢に反応して金を売ってるけど、これって典型的な「敵を親と思う」間違いだよね。覚えておいて欲しいのは、FRBの金利政策が影響できるのは短期的な値動きだけだってこと。世界中の中央銀行が金の保有を増やすっていう戦略的なトレンドを変えることなんてできやしない。今の金の急落は、哲学的に言えば「乗客を迎えに行くためにバックしてる」ようなもんだ。大衆が利上げにビビってる時に、賢者は3年後には紙幣の購買力が確実に減ってるって見抜いてるんだよ。

  3. 日本からの教訓と気づき
    円安、日経平均の下落。根本的な原因は、エネルギーの生命線を他人に握られてることにある。これは私たちに大切な哲学的示唆を与えてくれる。投資では、外部依存度が高くて脆いものの上に、ポジションを置いちゃいけないってことだ。 私たちが探さなきゃいけないのは、価格決定権を持ってて、コストを価格転嫁できて、あるいはそれ自体が“エネルギー”みたいな存在の資産だ。

四、 結び: 醒めた人の品格

本当の「品位」っていうのは、どんなブランドの服を着てるとか、何年のウィスキーを飲むかってことじゃない。暴騰暴落に直面した時に、どれだけ動じない心を持っていられるかってことだよ。

日本当局が160円の節目の前で右往左往し、欧州の経済マインド指標がマイナスに落ち込むのを見てると、私はますます確信するんだ。この世界の大きなゲームの中で、現金はどうせ価値が下がるただの紙切れだ。ただただ“エネルギーの因”と“価値の錨”(金)をしっかり握ることだけが、景気の浮き沈みを乗り越えていけるんだってね。

短期的な値動きに惑わされて、穏やかな心を乱しちゃいけない。中東情勢で起きた金の調整を、日本のエネルギー危機が引き起こしたパニックを利用して、ゆっくりでいいから買い集めて、じっと我慢強く持ち続けるんだ。

『華厳経』に「自らの安楽を求めず、ただ衆生の苦しみからの離脱を願う」ってあるよね。投資の世界では、苦しみから離れたいなんて思わないまでも、せめて“般若(はんにゃ)”=智慧は求めるべきだと思う。この将棋盤の読み筋が見えたなら、あなたはきっと、他人が恐怖に震える中で、血の滴るようなチップを悠然と拾い上げられるだろうから。

さっきまで哲学に詳しい友人とLINEで盛り上がってたんだけど、気づいたらこれってまさに仏教の「三種の布施」の実践だったんだよね…!

📌 三種の布施とは?
1️⃣財施(ざいせ):物やお金を施すこと
2️⃣ 法施(ほうせ):知恵や教えを伝えること
3️⃣ 無畏施(むいせ):相手の不安や恐れを取り除くこと

💬 実際のやりとりから

【財施的なやりとり】
私(経済学専攻)が友人に:
>「ライフプランニングって、投資で儲けることじゃなくて、お金をどう上手に使って理想の人生を実現するかが大事なんですよね」

友人からは:
「なるほど、それは大切な視点だね!ぼくも書籍をどれだけ買うか、とかよく考えるよ」

→ お金の使い方という「財」にまつわる視点の共有。実際の財施ではなくても、お金に対する意識をシェアするのも布施の一歩なんだそう。

【法施的なやりとり】
友人が教えてくれたこと:
「ロロ・メイっていう心理学者がいてね、哲学的心理学っていう道を拓いた人なんだ」
「仏教って、大乗仏教は特に哲学であり心理学でもある。近代哲学や心理学のことを、仏教は大昔にやっていたんだよね」

私が返したこと:
「六波羅蜜の中の布施には財施・法施・無畏施の三つがあるんですよ。今の私たちの会話も『法施』になってますね」

→ お互いの専門分野(哲学×経済学)の知恵を交換し合う。これが法施(教えを伝える布施)。

【無畏施的な空気感】
友人の一言:
「なかなかこういう話ができる相手はいないよね」

私の返し:
「『三国志』の『煮えてる酒を飲みながら英雄を語る』って場面、今の私たちみたいですよね!」

→ お互いに「この人となら深い話ができる」という安心感・怖れのなさを感じ合える。これが無畏施(不安を取り除く布施)。


💡 気づいたこと

普段のLINEでの何気ない会話も、
「自分の知ってることを相手に伝える(法施)」
「お金や生活の知恵を共有する(財施)」
「安心して話せる関係性(無畏施)」

…って、全部つながってるんだなあ。

しかもこれ、お互い様だからこそ成立する。
>「お互いの得意な分野で助け合って、学び合って、結果を出せるのって、win-winの関係で、それが一緒に目指す成功ですよね!」

って言ったら、
>「そうだね、win-winでお互いさまだねー!」

って返ってきて、なんかじーんとした。

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🌱 今日の学び

「布施」って、お坊さんにあげるお賽銭みたいな特別なことじゃない。
日常の友だちとのLINEの中に、ちゃんと「三種の布施」は存在してる。

そして、それに気づけるかどうかが、「ただの雑談」を「功徳を積む対話」に変えるんだろうな。

みんなも今日のLINE、振り返ってみて?
もしかしたら、知らないうちに素敵な布施をしてるかも😊

 

さっき約束があって、敦化南路でHSBCのジェシカ(支店長の奥さん)とコーヒー飲んできたの。彼女、香港から乗り継いで帰ってきたばかりでさ、最近のちょっとクラクラしちゃう為替の話、特にみんなが持ってるお金のことをどう見たらいいかって話をしてきたのよ。

正直、ここ数年で台湾と中国本土の両方にちょっとした事業を持ってる身としては、そういう「お金の不安」ってすごく敏感になっちゃうのよね。ジェシカが昨日から今日のこの相場の動きをどう見るかって聞くから、私がこう話したのよ。

今日(3月17日)朝のリアルタイムの相場を見てると、つまりは「戦争マネー」と「政策上の下限」の駆け引きだよねって。

ここ最近、面白い現象があるの:ドルインデックスが下がって、約2ヶ月で最大の下げ幅を記録して、一時期は99.5の節目を割り込んだのよ。表面的にはホルムズ海峡周辺の状況がちょっと落ち着いて、原油価格が100ドル以上から下がったから、みんながリスク回避ムードが薄れたって見てるみたい。でも私、ジェシカにはこう言ったの。「経済を見るのに表面だけじゃダメよ。中身を見なきゃ。これはつまり、マーケットが今週の『スーパー中央銀行ウィーク』を前に、『さあ、どうするんだ』って迫ってるようなものなんだから」って。

今朝の最新のニュースで、中国とアメリカがついさっきパリで経済貿易協議を終えたばかりなの。これが本当の大前提よ。今回のいわゆる『通貨安』って、単純にどっちがどっちより悪いって話じゃなくて、ドル離れの過程で起きるひとつの揺れ動きなんだよね。

ジェシカが言うには、最近ドル資産を結構持ってて、目減りが心配なんだって。私、彼女に水を一杯出して、こんな例えで説明したの。「今の世界経済はこの熱いお湯みたいなもの。見た目は静かだけど、実はすごく熱いんだよ」って。

なんでそう言えるかって?今朝のいくつかの細かい点を見てみると:
1.  日本の財務大臣が昨夜また強い口調で、為替をちゃんと監視してる、いつでも介入する用意があるって言ったのよ。今日の朝も円は159円前後でウロウロしてるけど、誰が160円以上で買い増しなんてできる?あれは日本の政策上の下限で、触れれば叩かれるわよ。
2.  FRBは今週会合があるの。みんな金利は動かさないって言ってるけど、ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーの予測を見てごらんよ、全部変えてきてるんだから。9月とか、12月にさえ利下げがずれ込むとか言い出してる。まるで医者が『もう少し様子を見ましょう』って言ってるみたいなもの。つまり、病状が複雑だってことよ。インフレにも気を遣わなきゃいけないし(原油価格の100ドル超えの影響はまだ伝わってきてない)、雇用にも気を遣わなきゃいけない(こっちのデータはもう寒暖差が激しいし)、難しいわよね。
3.  人民元は今朝、中間値が96ベーシスポイント切り上がって、6.8961になったの。これが何を意味するか?こっちのスタンスははっきりしてるってことよ。安定させたいんだ。競争的に切り下げるためじゃなくて、輸入インフレの圧力を抑えたいんだよね。

だから、ジェシカが一番気にしてた質問に戻るんだけど:通貨安にどう対応すればいいの?

その時の私のそのままの言葉はこれ。「目をドルの上げ下げだけに向けちゃダメよ。その背景にある『モノ』を見なきゃ」って。

私、彼女にサーズの後とか2008年の後の経験をちょっと話したの。本当に財産を守るっていうのは、為替市場で安く買って高く売るような遊びじゃない(それは投資銀行のやること。私たちはアルゴリズムには敵わないわ)って。そうじゃなくて、この「高金利+強いドル」の終盤に乗じて、間違って切り捨てられてしまったようなコアな資産に入れ替えることなんだよね。

今はどんな局面かっていうと、世界中の中央銀行が綱渡りをしてる局面なのよ。原油価格は一時的に下がったけど、あの中東のあの場所(ホルムズ海峡)は今日は大丈夫でも、明日も大丈夫とは限らないし、トランプさんここ最近もまた強い言葉を出してるしね。地政学リスクがもう一度起これば、インフレがまた上がって、FRBは引き締めを続けなきゃいけなくなって、企業は苦しくなる。そういう時って、現金を持ってるだけで、もしドルに換えて預金してたら、金利は高いかもしれないけど、購買力は実際には原油価格とか先行きの不確実性で薄まっていくのよ。

私が今思うのはこれ:一般の人にとっては、チャートをあれこれ見るよりも、産業の連鎖を見たほうがいい。今回の円、ユーロ、ポンドの弱さって、実は製造業の国々にとっての「つぎはぎ」みたいなものなんだよね。私たちが輸出するものは安くなるけど、輸入する原油や鉱物は高くなる。こういうギャップのある感じは、長く続くと思うわ。

ジェシカは後で笑いながら、だから私が何度かの危機でいつもタイミングを外さずにいられたんだねって言ってたわ。そんなのただタイミングが合ったわけじゃなくて、台北や上海やニューヨークでたくさんの人に会って、「嵐の前の静けさ」にちょっと敏感になっただけだよって言ったの。

別れ際に彼女が次に何を注目するか聞いてきたから、私はこう言ったの。「今夜から明日の朝(3月18日未明)のアメリカ株の終わり方と、パウエル(FRB議長)のあの口が何を言うかを見るだけだよ」って。今週は、間違いなくターニングポイントの一週間になるわね。

以上は私個人の見解であって、投資のアドバイスってわけじゃないからね。短期的な振れに惑わされて、振り落とされないようにね。
 

昨日の国内経済データを見終わって、お茶でも飲みながら一息ついて、みんなとちょっと本音で話したいなと思ってね。

昨日のニュースを見て、ここ最近の世界のお金の流れを見てきた身としては、すごく感じることがあるんだ。多くの人はまだチャートの動きばかり見てるけど、水面下の流れこそが、来年みんなの懐事情を左右するんだよね。

日本の金融政策について。今日一番考えさせられたのは、表面的な数字じゃなくて、日銀の内田副総裁が奈良でしたあの発言なんだ。「理想的な賃金と物価の好循環」が見え始めている、って。わかりやすく言うと、日本がようやく、あの誰もが知っているデフレの「安い日本」っていう時代に別れを告げようとしているかもしれないってこと。

ただの経済ニュースだと思う人も多いかもしれないけど、僕たちみたいに事業やってる人間からすると、世界で一番安い「お金」が高くなるってことなんだ。この十何年、世界の資本はみんな、日本の低金利の円を借りて世界中の資産を買うことに慣れきっていた。その考え方が、根本から揺らぎ始めているんだよね。

企業の反応を見てごらんよ。ニュースにもあったけど、ANA、ホンダ、新日鐵、それに昔から「ケチ」で有名なトヨタでさえ、30年以上ぶりの大幅な賃上げを実施するって言い出した。別に彼らが急にいい人になったわけじゃない。もう、そうせざるを得ない状況に追い込まれているんだよ。日本の労働市場は何十年もぎゅうぎゅう詰めのままで、昔は企業は賃金を凍結して何とか乗り切ってきたけど、今回はインフレが来ちゃったからね。もう隠し通せなくなったんだ。

特にトヨタの「過去最大の賃上げ」ってのは、すごく象徴的だと思う。あの超巨大企業でさえ、人手不足の圧力に耐えきれなくなったってことは、日本の製造業のコストの根っこが上がっているってことだからね。国内で部品を作ってたり、貿易やってる友達は心しておいた方がいい。円相場が、昔みたいにずっと安くなる一方とは限らなくなってきてる。日本から原材料や機械を輸入する時のコスト計算は、もう一度やり直した方がいいかもしれないよ。

もっと深いところで言うと、ここには二つの「分かれ道」があって、特に気をつけないといけないと思うんだ。

一つ目は、大企業と中小企業の分かれ道。大企業の賃上げはニュースになるけど、日本の労働者の7割は中小企業で働いているんだよね。大企業のサプライチェーンにぶら下がっている中小企業は、円安の恩恵なんてほとんど受けていなかったのに、今度は同じように賃上げの圧力だけがのしかかってくる。これで、体力のない下請け会社がバタバタ潰れていって、結果的に産業全体の流れを不安定にさせることになりかねない。

二つ目は、「渡辺さん」(個人投資家)たちと、外国人投資家の分かれ道。この一年、外国人投資家の買い注文の9割は、何も考えずに円安で儲かる輸出系の大きな銘柄に集まっているインデックスファンドに流れていたんだよね。これは、すごく楽な、短絡的な行動だと思う。ところが今、YCC(長短金利操作)政策が実質的に方向転換しようとしていて、そんな「楽して儲かる」チャンスは、もう終わろうとしているんだ。

僕たちみたいに市場で必死にやっている者にとっては、今の日本はちょうど岐路に立っているように見えるよ。一方で、賃上げがうまく消費につながれば、それは本当の意味での内需回復ってことになる。でも、もしコストアップの圧力が強すぎて、消費がついてこなかったら、企業の利益は、仕入れ値は上がる、売れ行きは悪い、のダブルパンチで圧迫されることになる。

僕の見立てとしては、「春闘」の賃上げの表面的な賑わいに惑わされちゃいけないと思う。本当の正念場は、今年の下半期だよ。世界の需要が鈍るっていう大きな不安がまだある中で、日本の輸出は踏ん張れるのか?もし輸出が失速して、内需も完全には回復しきれていないとしたら、日銀が「正常化」って言葉を口先だけで唱えているだけでは、株価は支えきれないだろうね。

経営者としては、こんな時こそ、困難な状況を少し多めに見積もっておいた方がいい。円相場が一方に動くとか、政策が必ずこうなるとか、賭けに出るのはやめようよ。とにかくキャッシュをしっかり確保して、自分の業界の、あのサプライチェーンの中にいる中小の下請け会社が元気かどうかをちゃんと見ていて、助けられる所は助けてあげる、ダメそうなら早めに乗り換える準備をする。そういうことだよ。

状況がはっきりしない時ほど、じっとして動かないことが大事だよね。今日はこんなところかな。何か参考になれば嬉しいよ。一緒に頑張っていこう。

場所:台北、信義区

手に持ったお茶はすっかり冷めきっていたけれど、それにも気づかないくらい、いろんなことを考えていた。ちょうどお客様との打ち合わせが終わったところで、ニュースでは世界の資本市場のデータが報じられていた。それを見ていたら、ふと大学時代、岡崎哲二教授の授業で聞いた言葉を思い出したんだ。「経済は将棋のようなもの。3手先を読むだけでなく、『流れ』を読まなければならない」ってね。

この半月ほどの国際情勢は、まさにその「流れ」を試される厳しいものになっているわ。

長く台湾市場に根ざして活動する日本人経営者として、地政学リスクに対する感覚は、もはや骨の髄まで染みついているのかもしれない。ここ数日、イランの最高指導者が「復讐を宣言」し、ホルムズ海峡の緊迫感が画面越しにひしひしと伝わってくる。


イランの「消耗戦」の論理:経済の武器化

多くの人は軍事衝突の表面的な部分しか見ていないけれど、私はテヘランの思惑にもっと注目している。昨日、イラン革命防衛隊の司令官顧問であるファダビ氏が、実に率直なことを言っていた。「アメリカとイスラエルを、『アメリカひいては世界経済を破壊する』消耗戦に巻き込む」とね。

彼らには、それを実行できるだけの材料があるのも事実よ。昨日、ブレント原油は久しぶりに1バレル=101ドルの大台をしっかりと超えた。イランのアラグチ外相も以前、「多くのサプライズを用意している」と警告していた。私の目には、イランは世界のエネルギー供給網の「咽喉元」を押さえるという自身の立場を精緻に利用し、軍事的な不利を経済的な優位に転換しようとしている、と映るわ。国際エネルギー機関(IEA)が「史上最大規模の供給途絶」の可能性を警告し、3月の供給が1日当たり800万バレルも急減すると予測している今となっては、これはもはや中東だけの危機じゃない。世界中の企業の存続に関わる問題なのよ。

アメリカの板挟み状態と、世界を覆うスタグフレーションの影

アメリカは今、非常に微妙な立場に立たされている。トランプ政権は中間選挙を控え、国内で高騰するガソリン価格に対する有権者の不満を抑えつつ、イランに対しては強硬な姿勢を維持しなければならない。ガソリン価格を抑えるため、戦略石油備蓄の放出も検討せざるを得ず、埋め合わせのためにベネズエラやロシアへの制裁を緩和するという話さえ出ている。こうした「つぎはぎだらけ」の対応は、高度にグローバル化した供給網の前での、単独覇権の無力さを如実に示しているわ。

ゴールドマン・サックスのリポートは、最大の懸念材料を的確に指摘していた。もしホルムズ海峡の輸送が滞り続ければ、原油価格は2022年の高値を突破する可能性が極めて高い、とね。私が見ているのは原油価格だけじゃない。グローバル化そのものの退潮よ。エネルギーコストが制御不能になれば、インフレはまるで接着剤のように経済に貼りつき、FRBの利下げ期待は完全に消え去り、「スタグフレーション」という言葉が教科書から現実の脅威へと変わる。

私の「リスク回避のロジック」:安定性、ヘッジ、そして構造的なチャンス

リスク回避を重視する経営者として、私は戦争が明日終わるという希望的観測には賭けない。今回の混乱の中で、私が主に実践したことは3つある。ヘッジファンドの戦略を個人の資産運用にミニチュア版として応用したようなものだと思ってもらえればいいわ。

1.  従来の安全資産から脱却し、ポートフォリオの防御策を再構築する:先週、私は従来の「株式と債券の価格が逆方向に動く」という法則が機能せず、「株も債券も下落する」状況に気づいた。これは古い経験則がもはや通用しないことを示している。私たちは緊急に株式などのリスク資産の割合を減らした。ただ、全てを売却したわけではなく、資金の一部を実物資産に関連する分野に振り向けた。広発証券(広発宏観)が分析していたように、今は「イベント取引」と「新たなテーマに基づく取引」が共存している。金の現物を増やすだけでなく、最近では先物市場を通じて、アルミニウムや大豆油を小幅に買い増ししている。これらも輸送障害の影響を受けやすく、需給ギャップが見込まれる商品だからだ。
2.  現金は王様だが、どんな現金でもいいわけではない:現在、私たちは資産の約30%を現金で保有している。その大部分は米ドルとオフショア人民元だ。米ドルは安全資産としての性質から依然として強い。そして人民元の安定性は、製造業大国である中国がエネルギーの調達先を多様化しているという強みに裏打ちされている。この強みこそが、今回の嵐の中で、台北を含む大中華圏の製造業拠点に独特の回復力をもたらしているのだと感じるわ。

3.  パニックの中で、割安になった銘柄を見極める:これこそが、戦略的な胆力を試される瞬間よ。市場がパニック的な売りで優良なハイテク株を投げ売るような時こそ、私は逆に、安定したキャッシュフローを持ち、独占的な強みを持つ半導体や自動化関連企業に注目し始める。戦争は必ず終わる。しかし、デジタル化やスマート化のトレンドは決して後戻りしない。ユアン・ス証券(元大證券)が伝えたゴールドマン・サックスの戦略ではないけれど、私たちは「戦術的な中立」のポジションを維持しつつ、同時に今後数週間の株式ポジションに向けてオプションでヘッジをかけ、相場上昇の波に乗り遅れないようにもしているの。

結論:優雅に景気の波を乗り越える

起業家はリスクの子だ、と言う人がいるわ。台北に住む日本人女性ビジネスパーソンとして、この街で世界を見ていると、一方では海峡を挟んだ向こう側の力強い活力を感じ、もう一方では世界のめまぐるしい変化に対する敏感な肌感覚を持ち合わせていることを痛感する。今の私に不安はなく、ただ冷静に状況を見極めようとする気持ちだけがある。

ここ数日も、私は変わらず自分のできる範囲のことを着実に続け、週末には友人と陽明山でお茶をする約束をしている。外的な激動の中では、内的な秩序がより一層必要になる。真のリスク回避とは、防空壕に逃げ込むことじゃない。どんな嵐にも耐えられるだけの資産配分と認識の枠組みを持ち、嵐が過ぎ去った後も、優雅に次のチャンスの扉を押し開けることができるようにしておくことだと思うの。

情勢がどう変わろうとも、安定したキャッシュフロー、分散された通貨の保有、そして実体経済(特にアジアの製造業)に対する揺るぎない信頼こそが、私たちがこの不透明な時代を乗り切るための羅針盤になるはずよ。