「う~ん。」
参考書とのにらみ合いはもう一時間以上続いている。
y?x?x=2にときのyの値?そんなことより私は彼の気持ちが知りたいです。
今は12月。中高一貫で受験がないとはいえやっぱり参考書の問題と死闘を繰り広げないといけない。
クリスマスはあと二日というのに・・・。しかもまだ雪降らないし。
雪姉は寒さに耐えかねこたつに入り、今は丸まってぐっすり寝ている。
この人が前の期末テストで学年1位をとったのだから神様というのはとことん不平等だ。
この調子だと後ろで参考書と戦っている誰かさんも諦め「もう無理~!!」・・・やっぱり。
「雪姉っ!雪姉っ!そこで寝たら風邪ひいちゃうよっ!!」
「ん~・・・あと5・・・杯。」
「そこ分だから!単位間違えてるから!」
「じゃあ私と雪(はもう寝てるけど)は寝るから。」
「5・・・いやせめて3・・・杯。」
「寝たいの?!食べたいの?!」
クリスマスかあ・・・。クリスマス・・・どうしよう。
そんなこんなで今日は12月24日。全国的にクリスマスイブ。そして曇り空。
私はこの日にとある決心をしていた。
「姫奈、ちょっといい?」
「ん?どした?わたし寒いからって瑞希の首筋に手を当てて暖をとろうとか思ってないよ?」
とっさに首筋を守る私。
「そうじゃなくって・・・。私今日、伊澤くんに告白しようと思う。」
「ふーん。そうなんだ。告白ねえ・・・えっ告白~?!」
「う゛・・・うん。」
「うそっ?!わたし応援するから!!頑張れ我が妹よ!!」
まあ一応姫奈に聞いてもらえてよかった。
告らなきゃっていう決心もついたし。
そういう日に限って時間が早く過ぎていくのであって。
放課後の誰もいない3-Aの教室。私は一人で空を眺めている。
姫奈は「わたしは雪と3-特で待ってるから頑張ってね~☆彡」だそうだ。
「・・・姫奈。よかったの。伊澤のこと・・・瑞希のこと。」
「うん。いいの雪。わたしは瑞希を応援するって決めたから。」
――――――――――――――――――――
ガラッと扉が音を立てて開いた。
「どうしたんだよ、今井。こんなところに呼び出して。」
「・・・伊澤くん。」
心臓がこんなに速くなるのものなのかと驚くくらいドキドキいっている。
すうっと息を吸い込んで、私は言った。
「私は伊澤くんのことが好きです。よかったら付き合って下さいっ!」
・・・言ってしまった。心臓が早鐘のようになっている。
「え?」
伊澤くんも予想していなかったらしく、戸惑っている。
「あっえーと、わりぃ。ごめん、実は俺さ・・・」
――――「わりぃ。ごめん。」
――――フラレタ。
真っ白になった頭の中でその4文字だけが残っている。
それでも必死に声を絞り出して、私は笑う。
「・・・っそうだよねっ!受験生じゃなくても勉強とか忙しいよね・・・。ごめん・・・。」
「あっ今井!」
「ありがとう。気持ちが伝えられただけでも嬉しかったからっ・・・。・・・さよなら。」
気付いたら教室から飛び出していた。あの教室に2人でいることに、もう耐えられなかった。
廊下に出て立ち止まると、窓の外では雪が降っていた。
「あ・・・雪。」
・・・やだなあ。初雪を好きな人と一緒に見ると両思いになるってクラスの女の子が言ってたけど、あのジンクス嘘じゃん。ってかさっきは降ってなかったから一緒に見てはいないのか。
気がつくと頬に熱いものが伝っていた。涙だ。
「・・・瑞希?」
雪姉が私の様子から全てを察したらしく駆け寄ってきて不意に抱きしめてくれた。
普段なら絶対してくれないのに。
「・・・雪姉ぇっ!」
もう涙は止めようがなかった。姫奈も私たちに気づいたらしく駆け寄ってきた。
「偉いよ、瑞希。よく頑張ったね。」
2人の姉に慰めてもらってようやく落ち着くことができた。
その間も雪はただ静かに、真っ白に、降っていた。
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○
お久しぶりです。澪奈です。
今回は書いてて結構私自身もきつかったです(´・ω・`)
更新は遅くなると思いますが、ミズキブンのイチ。これからもよろしくお願いいたしますヽ(*・ω・)人(・ω・*)ノ

