水辺の会では、今年もコウノトリ呼び戻す田んぼファンクラブを開催します。

田んぼファンクラブは、肉食の鳥であるコウノトリをシンボルに、お米作りを通して、餌となる田んぼ棲む多様な生き物のつながりや自然環境を楽しく体験するイベントです。

 

イベントに参加してお米を作って食べることで、たくさんの生き物をはぐくみ、自然を守ることにつながります。

 

しかし、田んぼファンクラブは年に数回開催されるイベントで、田んぼも狭い範囲に限られています。理想的にはもっと広い範囲で生き物や自然が守られることが当会の目指す姿なのですが・・・ファンクラブの取組み面積を広げることは簡単でありません。

 

ファンクラブたけでなく、もっと広い範囲で田んぼの生き物や自然を守っていく為の取組みの一つとして、当会では、活動を応援してくれる方々に「普段食べているお米についても、生き物や環境に配慮したお米を意識して購入してほしい」、という呼び掛けをしています。

 

今回はどうすれば、生き物や環境にやさしいお米を手に入れることができるのかという点についてご紹介したいと思います。

 

私たちがスーパーなどでお米を買う時、お米の袋を見るとその目印となるシールが貼ってあることがあります。

 

代表的なものは、各都道府県の認定する特別栽培農産物のシールです。

特別栽培農産物とは、簡単に言うと、環境などに配慮し農薬や化学肥料を削減して栽培された農産物です。

 

例えば、福井県の場合、農薬化学肥料の使用に応じて、1~4までの認証区分があります。

その基準は以下のようになっています。

 

認証1:栽培期間中農薬化学肥料を不使用

認証2:栽培期間中農薬不使用,化学肥料通常の5割以上削減

認証3:栽培期間中農薬通常の5割以上削減、化学肥料不使用

認証4:栽培期間中農薬通常の5割以上削減、化学肥通常の5割以上削減

 

以上の基準で栽培されたお米(その他農産物も含む)にはそれぞれの認証に応じてシールが貼られています。福井県だと恐竜マークのシールです。

上は認証区分1の特別栽培農産物のシールの例です。(出典:福井県)

認証の区分に応じて上にある星マークの数が変わります。

※ 詳しくは、福井県のホームページでご確認ください。

 

 

さらに、厳しい基準で農薬や化学肥料を一切使わずに栽培された農産物には有機JASマークを付けることができます。

このマークは、栽培から田んぼの管理まで厳しい認定基準に合格しなければもらえない世界基準のマークで、有機栽培と表示して販売できるお米は、有機JASの認定を受けたものだけです。

 

(出典:農林水産省)

※ 詳しくはこちら農林水産省のHPをご確認ください。

 

 

これ以外にも、農家のグループや自然保護を行うNPOなどの団体が独自に決めたシールが貼られていることがあります。

 

例えば、NPO法人でホタルをシンボルに自然保護活動を行う、NPO法人日本ホタル再生ねっとでは、ホタル認証米という独自の認証制度を設けて、ホタルの生息する環境にやさし田んぼで栽培されたお米にシールを張って付加価値を高めています。

 

農薬及び化学肥料不使用(左)と農薬節減栽培(右)の2つのタイプがあります。

 

また、お米のパッケージ自体に生き物や自然をシンボルとしたものもあります。

 

今回は、生き物にやさしいお米の目印となるマークについて紹介させていただきました。実はこのようなマークは、詳しい意味について生産者の方は知っていても、お米を買う消費者の方はよく知らない場合が結構あるような気がします。

 

お米を買うときに、今回ご紹介した生き物や自然に優しいお米の目印の意味を知っていただき、お米を選んで食べていただくと普段の生活の中でも田んぼの生き物や自然を守ることにつながっていくのではないでしょうか。