12月18日に第2回目の希少野生生物保全研修会を開催しました。
今回の研修会は、水辺の会が発足当時から保全活動を行う
アベサンショウウオのモニタリング研修会です。
アベサンショウウオは、日本でも京都府、福井県、石川県のごく一部に
生息する小さなサンショウウオで環境省のレッドリストで最も絶滅の
恐れの懸念されるⅠA類に分類されていて捕獲及び採取や生息地の
破壊が種の保存法で禁止されている極めて希少な生き物です。
私たちの活動する、福井県越前市西部地域には、多数の産卵地が
あり、コウノトリと並ぶ地元の方々のフラッグシップとなる生き物です。
このサンショウウオは、冬に産卵期をむかえる生き物なので、毎年
冬になると会員をはじめとする地元の方が目視(※)で産卵場所を
調査してくれています。
※アベサンショウウオは、法律で捕獲が禁止されているため 国の捕獲 許可を持った
一部の人しか捕獲できません。 なので、当会の調査は全て目視で行っています。
しかし、調査に参加してくれる地元の方の高齢化と減少が進み
多くの産卵地を少ない労力で調査する必要が出てきたため
手間のかからない新たな調査方法の導入について活動を
支援してくれている越前市と城西大学理学部との共同研究で
検討してもらっていました。
今回の研修会は、この新たな調査方法を今年から地元の方々の
調査活動に導入するため行われたものです。
今回導入する調査方法は、生息地の水を汲み取るだけで生物の
生息状況を調査できる環境DNA分析という方法で、生息地の水
1L程度に溶けた生物のDNAを化学的に検出し調査対象生物の
有無を判別します。
近年、様々な生物の生息状況の調査の用いられている方法です。
この方法であれば、調査地の水を汲むだけで、その後の分析は
実験室で行うのため、地元の方の手間も省力化できるだけでなく
生息地への悪影響もほとんどありません。
また目視調査で心配される見落とし等のエラーも軽減できるので
目視調査と合わせて環境DNA分析を導入することにしました。
講師には、研究を行ってくださった城西大学理学部化学科教授の
石黒先生をお招きし、活動に参加する方々に環境DNA分析の原理や
調査時に行う採水方法について教えていただきました。
当日は、コロナウイルス感染防止対策として、リモート会議形式での
実施となりました。
リモート形式での研修会の様子
お天気が悪かったので屋内で採水の実技研修となりました。
さて、本年もブログをご覧いただきまことにありがとうございます。
2021年も水辺と生き物を守る農家と市民の会をよろしくお願い
申し上げますm(__)m。
2021年が皆様にとって、幸多き年となりますよう心より
お祈り申し上げます 。