今年4月に越前市安養寺町で誕生した4羽のコウノトリの巣立ちに関して
当会の会長からコメントが届きましたので紹介いたします。
~~~会長コメント~~~
「越前市でのコウノトリの繁殖及び巣立ちについて」
水辺と生き物を守る農家と市民の会 会長の恒本 明勇です。
今年4月、安養寺町で誕生した4羽のコウノトリの全てが間もなく
巣立ちを迎えます。
安養寺町のコウノトリは、6月21日に個体番号J0300(やまちゃん)が
最初に巣立ち、国内の野外個体の201羽目となりました。
その後、J0301(さーくん)、J0302(あーちゃん)と6月27日までに
3羽が巣立ちをむかえました。
絶滅したコウノトリを野生に返すための放鳥が兵庫県で2005年に始まり
その後の放鳥と野外での繁殖により、野外個体が200羽を超えるまで
15年かかったとのことです。
私たちが活動する越前市西部地域では、コウノトリが舞う里づくりが
始まってから12年目をむかえています。
当地域では、成27年から越前市で飼育・繁殖させたコウノトリの放鳥が
行われました。これまで9羽のコウノトリが放鳥されましたが、今回
そのうちの1羽J0138オス(たからくん)が今回白山地区に定着し
産卵、ヒナの誕生そして今回の巣立ちを迎えるということで
大変嬉しく思っております。
地域への冬水田んぼのお願いから始まり、田んぼファンクラブ
ビオトープの整備そして退避溝の整備など、当会のコウノトリが舞う
里づくりに関わるこれまでの取組がやっと報われる時が訪れ、
大きな節目を迎えた充実感を感じるとともに、今後さらなる活動の
充実を図りたいと思っております。
また、コウノトリの餌場環境の中で極めて重要な役割である水稲栽培でも
コウノトリをシンボルとしたブランド米「コウノトリ呼び戻す農法米」が
開始当初の約2haから現在では10ha以上の作付面積となり
全国で販売されるようになりました。
これ以外にも、越前市西部地区では、多くの田んぼで減農薬や
減化学肥料栽培が取り組まれるようになりました。
このような、大きな自然環境の保全につながる取組みの輪の
一助となれたことは、当会スタッフともども大変喜ばしく思っております。
長いようでしたが、あっという間の12年間でした。
これもひとえに当会の取組に賛同していただき
協力や参加をしてくださった皆様のおかげです。
心より感謝申し上げます。
また、現在も環境整備やコウノトリと共生する社会づくりに
ご尽力いただいている地域の皆様をはじめ行政関係者の皆様にも
重ねて御礼申し上げます。
今回誕生した全ての個体が無事巣立ちをむかえ、元気に成長し
それぞれのパートナーを連れて越前市に戻り、白山地区のみならず
同じくコウノトリが舞う里づくりを目指す、坂口地区、王志保地区、
北日野地区など市内各地で次の命をつないでくれることを
心から祈っております。
当会は、今後もコウノトリをはじめ多様な生き物が棲める
里地里山を目指し、希少野生動植物の保全、自然再生、体験活動
環境教育などの活動を進めてまいります。
今後とも皆様からのご協力とご支援を賜りますよう
心よりお願い申し上げます。
令和2年6月28日
水辺と生き物を守る農家と市民の会
会長 恒本 明勇
~~~以上~~~
★ 安養寺町のコウノトリの詳細については越前市のホームページや
公式Youtubeチャンネルをご覧ください。
【越前市コウノトリが舞う里づくり】http://www.city.echizen.lg.jp/office/060/020/satochisatoyama/nmausatodukuri.html
【安養寺町巣塔ライブ動画(Youtube)】https://www.youtube.com/channel/UC02cQAv_D2W40YdV6WRj7kg
★ 白山地区都辺町のコウノトリPR館でも詳細をご確認いただけます
ぜひお越しください。
【コウノトリPR館について】http://www.city.echizen.lg.jp/office/060/020/ibento/kounotori.html