The Grand Hotel, Scarborough, 

North Yorkshire, England. 

Copyright Tom Tolkien

 

 

 

【スカボローの市】

 

 

「スカボロー・フェア」とは。

「スカボローの市」

 

・・・という意味です。

 

 

市場。

 

・・・ですにっこり


「スカボロー」というのは。
イギリスのノース・ヨークシャー
北海に面した町。

 

 

 

 

 

 

実際の発音的には。

「スカボロー」よりも、


「スカーバラ」とか
「スカーブラ」

 

・・・のほうが
近いと思います。

 

 

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スカボローは、
古くから栄えた港町でした。

 

 

そこはローマ時代でも

栄えていたようですが。

 

ヘンリー2世の治世で

復興を果たしました。

 

 

ヘンリー2世が岬に建てた

スカボロー城の入口

 

 

1155年と1163年に、

 

ヘンリー2世は、

砂浜で市場を開くことを

町に許可したのだそうです。

 

 

そして、

海外との貿易権を得て、

 

1253年。

 

王室勅許で

スカボロー・フェアが

開催され。

 

ヨーロッパ全土から

たくさんの商人が集まった

その市は。

 

大賑わいだったそうです。

 

 

6週間に渡って開催された

大規模な貿易市は、

 

8月15日の聖母被昇天の日から

9月29日のミカエルマスの日まで

続きました。 

 

 

ここから始まった、

スカボロー・フェアは

その後、

 

13世紀から18世紀までの、

約500年間。

 

毎年開催されていたようで。

 

その中でも、

一番盛り上がっていたのは

14世紀の頃だったそうです。

 

 

18世紀の半ば頃になると。

 

ここは海水浴場の

リゾート地として。

 

当時のセレブたちの

御用達の海岸になりました。

 

 

当時の海水浴は、

今とは少し違い。

 

それは、

 

冷たい海水に身体を浸して

病気を治す。

 

・・・という、

一種の民間療法のように

捉えられていたそうです。

 

 

スカボローの海岸

 

 

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・・・というわけで。

Scarborough Fair

というのは、
 

その地元である
ヨークシャー地方でよく

歌われていた「歌詞」で。


例えば。

ノーサンバーランド地方では、


Whittingham Fair

・・・と、歌われていたようです。


18世紀から19世紀の間には、
 

この歌はとても

ポピュラーなものだったようで。

 

それは。

 

人から人へと

歌い継がれるうちに、

 

地域によって、

歌詞も所々変更されたりして。

次第に、
バラエティー豊かに
なっていったようです。


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旋律に関しても。

それもまた、

 

人から人へ。

 

世代から世代へと

歌い継がれていくうちに、

 

様々な旋律が

生まれていきました。


また、

 

こういった

フォークソングのほとんどが。

 

口伝えで繋がってきた

ものばかりですし。

 

『スカボロー・フェア』も、

ちゃんとした譜面として

残されたものは。

 

一番古いもので、

19世紀の後半あたりのもの

だそうですから。



そのメロディーが

 

どこでどういう風に

変化していったのかを

辿ることは困難ですし。

 

もうすでに、

消えてしまった歌詞や

メロディーも。

 

きっと。

 

たくさんあるのだろうと

思います。


なので。

イワン・マッコール達が集めて。

今に伝えられている旋律は。

実際は、

どれくらい古いもの

だったのか。

それとも。

 

より、近代に生まれた

旋律なのか。

もし、近代的なものなら、
それはどこが発祥なのか。

・・・みたいなことは。

謎だらけのままですし。


こういう謎はきっと。

永遠に解けないのでしょうね。


だからこそ。

ワクワクもするのですけれどニコニコ

 

 

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【スカボロー・フェア聴き比べ】

 

 

マリアンヌ・フェイスフル

 

ウィキによると、


かつて。

 

ミック・ジャガーと

付き合っていた人。

・・・なのだとか。

 

 

こちらは、


マーティン・カーシーよりも、

少しあと。

そして、

サイモン&ガーファンクルより、
ほんの少し前。

 

・・・というタイミングの、

 

1966年に

リリースされたみたいです。

 

 

♪Have you been to Scarborough Fair?♪

・・・と、歌っていますねおやすみ


Marianne Faithfull 『Scarborough Fair』 (1966)

 

 

 

セルジオ・メンデス

 

このあたりからはもう、
サイモン&ガーファンクルよりも

後発になります。

 

 

セルジオ・メンデスは、

父がよく聴いていましたおやすみ

 

 

スカボローって、

どこの国にあったんだっけ?うーん

 

・・・という感じですニコニコ

 

 

Sergio Mendes & Brasil '66 『Scarborough Fair』 (1968)

 

 

 

クロディーヌ・ロンジェ

 

 

伴奏の弦楽器が妙に、

感情を掻き立てる割には。

 

歌う声は可愛くて。

 

好きですニコニコ

 

 

彼女はフランス人。


ネイティヴじゃない人の
英語って。

なぜかとても、
聞き取りやすいです。


Claudine Longet 『Scarborough Fair』 (1968)

 

 

 

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【ちょっと横道】

 

 

クロディーヌ・ロンジェは、

こんな歌も歌っていました。

 

 

Claudine Longet 『Love Is Blue』(1968)

 

 

この歌は、

ポール・モーリアのアレンジで

有名になりましたよね。

 

これもまた。

 

父がよく聴いていました。

 

この歌の、

元祖はこちら↓ですにっこり

 

 

Vicky Leandro 『L'amour Est Bleu』(1967年)