EL&P(エマ-ソン、レイク&パーマ-)の7枚目

は、ワークス・ヴォリューム1である。

1977年3月発売。

チャートは全英9位、全米12位を記録。

プロデュースはグレッグ・レイク。

アナログ・レコード2枚組。

以下の曲番号は、EL&P作品通算の番号

である。前回、グレッグ・レイクの担当する

サイドBの最終曲クローサー・トゥ・ビリー

ヴィングがトラック70番だったので、

パーマーのサイドCは71番からとなる。

 

3面(side C)

(71) エネミーゴッド

邪教の神、そして悪の精の踊り

(スキタイ組曲作品20第2曲)

The Enemy God  Dances With The

 Rlack Spirits

(Excerpt From The Scychian Suites

2nd Movement)

(72) L.A.ナイツ

L.A.Nights

(73) ニューオーリンズ

New Orleans

(74) 2声のインベンション  ニ単調

Two Part Invenntion In D Minor

(75) フード フォー ユア ソウル

Food For Your Soul

(76) タンク

Tank  

 

4面(side D)

(77) 庶民のファンファーレ

Fanfare For The Common Man

(78) 海賊

Pirates

 

sideCは、カールパーマーの担当

である。本作の構成上、そうなって

いるが当然カール単独で制作する

のは厳しいので、C面6曲中、

エマーソンがほぼ全面支援して

いて、レイクも数曲参加している。

具体的には、(75)フードフォー~

と(76)タンクは3人の制作。タンク

は彼等のファーストアルバム収録

の曲で、今回オーケストラとの共演

を機に再録されたようだ。

(71)邪教の神・(74)2声のインベン

ションのクラシックを題材にした曲も

当然エマーソン絡みだ。

ジョーウォルシュがギターで参加の

(72) LAナイツと、(73)ニューオーリ

ンズの2曲がパーマーオリジナル

であり、パーマーのソロワーク色

だ。故にEL&P色は薄い。

ワークスvolume1のアナログLP

を4面通しで聴くことは、最近で

はそうないが、当時の感覚では

カールのサイドのフードフォー

~からタンクにかけてEL&Pの

度合いが次第に上昇した。

つまりグループ(ソロではなく

トリオでの演奏)への期待感が

高揚して行った気がする。

side Dの2曲がグループの

制作。最後の最後にやっと

彼等の(グループとしての)

新作を聴けたわけである。

 

一般的にプログレッシブ・ロ

ックファン(コアな)は、気が

長いらしい。黄金期も今も、

プログレの楽曲は長い曲

が多いので、例えばメインの

ボーカルが登場するまで数分

から5分なら早い方。通常の

popシングルなら何枚も聴き

終わっているだろう。

何が言いたいかといえば、

本作で、グループの曲は

2曲(タンクを入れて3曲)

しかない。しかもタンクと

ファンファーレはインスト曲

なので、全16曲中の最終

トラック、16番目の海賊まで

行き着いた所で、ようやく

レイクのボーカルを聴く事

ができる訳だ。思えば長い

長い前さばき(sideAから

sideB、C)が続いた後に

一番聴きたかった本命

が登場するのである。

当時のプログレファンの

気の長さ(忍耐)に拍手を

送りたい。

勿論、その前にレイクのside

もあるのだが、セラヴィ等は

あくまでレイクのソロ作品

なので、意味合いが異なっ

てくる。

 

ライブのセットリストでは

本作のプロモーション・ツ

アーで1977年のワ-クス

ツアー及び78年のツアー

でも演奏された。

D面の2曲、庶民のファン

ファーレと海賊は新作から

の代表曲となったので、

セットリストに定着。

海賊は、73年の頭脳改革

以来、待望のトリオによる

アンサンブルを重視した

新曲である。黄金期の

ように「組曲」形式には

なっていないが内容的

には4部パートから成

る10分を超える大作

だ。なおライブでは

当初オーケストラ共演

で演奏され、その後

トリオ演奏された。

 

C面パーマーのサイド

から、エネミーゴッドと

タンクの2曲がセット

入りした。他の4曲は

Jウォルシュのギター

だったり、オケ専用曲

だったりする為、ライブ

での再現が困難であり

ライブの演奏なし。

 

☆ワークスの時期の

セットリストを見ていると

以前のブレインサラダ

サージェリーツアー等

からの変遷が見え、

興味深く、楽しい。

大作(長尺曲)では

タルカス、展覧会の絵

が残り、悪の教典は

第一印象パート2のみ

に短縮。一方、石を

とれのロング版(合間

にレイクのソロが入る)

はそっくり残される。

以前のレイクの曲、

スティルユー~+

ラッキーマンが、

新曲セ・ラ・ヴィ+

ラッキーマンに変更

されたぐらいだ。

持ち歌(曲数)が増え

るにつれ、演奏すべき

曲は増える。ニューアル

バムのプロモーションの

為に新曲は演らないと

いけないし、ファンの

聴きたい曲の要望にも

応える必要がある。

この後ワークスの続編

volume2が出ると、更に

そのトラック群(今度は

1枚組で全12曲)から

新たにセットリストに

加わってくる事になる。

 

 

 

 

 

 

EL&P(エマ-ソン、レイク&パーマ-)の7枚目

は、ワークス・ヴォリューム1である。

原題はそのまま「Works volume1」である

が、国内販売時の邦題は「四部作」。

1977年3月発売。

チャートは全英9位、全米12位と

なかなか健闘。

プロデュースはグレッグ・レイク。

アナログ・レコード2枚組。

 

前作の3枚組ライブアルバムから3年ぶり

、その前の頭脳改革からだと4年ぶりの

発売となる。当時1975年~76年辺りに

は、EL&Pのニューアルバムはいったい

いつ出るの?と言われ続けていたもので

業界メディアもファンも注目していたのだ。

ようやく1977年に満を持して出たのが

本作である。なおタイトルにボリューム1

とあるように最初から次のボリューム2

も用意されていた、と言うのは、有名な

エピソードだ。

 

以下の曲番号は、EL&P作品通算の番号

である。前作レディース&ジェントルメンの

最終トラック、悪の教典#9第三印象が62番

だったので、今作は続きの63番からとなる。

アナログ2枚組の1~4面には、それぞれ

side A~side Dの表記がある。

 

1面(side A)

(63) ピアノ協奏曲第一番 1stムーブメント

      アレグロ ジョコーソ

Piano Concerto No.1 First Movement

Allegro Giojoso

(64) 同 2ndムーブメント

      アンダンテ モルト カンタービレ

   Second Movement

   Andante Molto Cantabile

(65) 同 3rdムーブメント

      トッカータ コン フォコ

   Third Movement

   Toccata Con Fuoco

 

2面(side B)

(66)レンド ユア ラブ トゥ ミー

トゥナイト

Lend Your Love To Me Tonight

(67) セ・ラ・ヴィ

C'est La Vie

(68) ハロウド ビー ザイ ネーム

Hallowed Be Thy Name  

(69) ノーバディー ラブズ ユー

ライクアイドゥ

Nobody Loves You Like I Do  

(70) クローサートゥビリービング

Closer To Believing

 

本作はアナログ2枚組で都合

4面あるが、1・2・3面目が

E・L・Pのソロ作品で占められ

ており、4面目がグループと

しての作品という構成である。

なので、上記のside Aは、

キースエマーソンの何と!

ピアノ協奏曲であって、

ロンドンフィルハーモニック

オーケストラとの共演。

side Bは、レイクのソロが

5曲。これまでのレギュラー

アルバムだと1曲くらいは

入っていたのが5曲も入っ

ている。2枚組とは言え

豪華絢爛だ。なお作詞で

キングクリムゾン時代の

盟友ピート・シンフィールド

が参加している。

 

ライブのセットリストでは

本作のプロモーション・

ツアーであった1977年の

ワ-クスツアー及び78年

のツアーでも演奏された。

エマーソンのピアノ協奏曲

は、ある意味本作のウリ

の一つであってオーケス

トラとの共演はこの曲に

こそ意味があったようだ。

なので常時のセット入り。

時期により1~3パートの

うち1~2パート演奏。

レイクのソロ曲はセラヴィ

がシングルカットされ、

ライブの定番化した。

あとクローサートゥ~

もセット入り。後の3曲

は入らなかったが、

理由の一つに、この

時期に未だラッキー・

マンもスティル・ユー

ターンミーオンも

セットに残っており、

これ以上入る余地

が無かったと言える

だろう。当然ライブ

でレイクの「ソロ」

の持ち時間との

関係もある。

 

~第3面(side C)以降は

次回に続く。

次はカールと、EL&Pの

バンドとしてのサイドだ。

 

 

 

EL&P(エマ-ソン、レイク&パーマ-)の6枚目

は、レディース・アンド・ジェントルメンである。

原題: 「Welcome Back, My Friends, To The

Show That Never Ends - Ladies and

Gentlemen」

1974年7月発売。

チャートは全英5位、全米4位。

プロデュースはグレッグ・レイク。

アナログ・レコード3枚組。

グループ結成4周年記念での発売。

 

以下の曲番号は、EL&P作品通算の番号

である。前作・恐怖の頭脳改革の最終トラッ

ク、悪の教典#9第三印象が50番だったの

で、今作は続いて51番からとなる。

・本作はライブ盤なので、当然オリジナルの

スタジオ盤と曲目が被ることになる。そこで

ライブ作品については、トラック番号に*

(アスタリスク)を付けることにした。

・ただし本作で初登場の作品(スタジオ盤

が存在しない)作品には*(アスタリスク)

無しで通常のトラック番号を付与した。

例えば、Piano Improvisationは、本作が

初登場なので、*無しとなる。

 

アナログ(1~6面)のうち、第4面から。

(D面、SIDE FOUR)

(57) ピアノ・インプロバイゼーション

Piano Improvisation

(58*) 石をとれ

Take A Pebble(Conclusion)

(59) ジェレミーベンダー~シェリフ

メドレー

Jeremy Bender/Sheriff(Medley)

 

(E面、SIDE FIVE)

(60*) 悪の教典#9 第一印象

パート1/パート2

Karn Evil9 1st Impression

Part1/Part2  

 

(F面、SIDE SIX)

(61*) 悪の教典#9 第二印象

Karn Evil9 2nd Impression  

(62*) 悪の教典#9 第三印象

Karn Evil9 3rd Impression 

 

・EL&Pの絶頂期(黄金期)

と、一般によく言われるのは

デビュー作から本作までの

通算6セットのアルバムの

間である。ファーストが1970

年、タルカスと展覧会の絵

が71年、トリロジー72年、

頭脳改革73年。そして

本作が74年。6枚のうち

スタジオアルバムが4枚

ライブアルバムが2枚。

毎年、何らかのレコード

が出て、ライブ活動も

地元英国と欧州ツアー、

大規模な全米ツアーを

毎年のように行い72年

には初来日、74年には

カリフォルニア・ジャム

に出演し大トリで熱演。

まさに黄金時代だ。

・足かけ5年間の全力の

フル活動の後、EL&Pは

「いったんひと区切り」を

つける。その時すでに

色々構想はあったようで

一つはソロアルバムの

制作であり、もう一つが

後のワークス「大」プロ

ジェクトであった。

結局、ソロ作は日の目を

見ず、後者のワークス

プロジェクトが進行。

バンドは休息に入り

その後、新作の作曲

等制作にかかる。

・その間、当作品は

EL&Pの最新作で

あり続けたのだが、

その期間は1974年

から1977年末まで

何とまるまる3年。

・次回作の発表は数度

延びたので、我々が

新作を手に出来るまで

足かけ4年待たされた

のだ。

・因みに・・・。

3年の「ブランク」の間に

シングル盤が2枚出た。

どちらもEL&Pとして

では無くソロ作である。

まず1975年にレイクの

ソロシングル「夢見る

クリスマス」発表。

翌1976年にエマーソン

「ホンキートンクブルース」

発表。

・グレッグ・レイクの

「夢見るクリスマス」は

ヒット・シングルとなり

全英チャート2位を記録。

欧米ではクリスマスソング

の定番となり、後で再発さ

れたりグループで再録した

ヴァージョン違いまである。

後のCD時代にCDシングル

まで発売された。

エマーソンの方もイタリア

とか欧州のチャートでは

上位に入ったらしい。

・因みに両シングル共に

NHK-FMの洋楽番組の

新譜紹介でしっかりオンエア

された。3年間でシングル2枚

という「空白期」であっても、

EL&Pの人気は維持していた

と言えるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

EL&P(エマ-ソン、レイク&パーマ-)の6枚目

は、レディース・アンド・ジェントルメンである。

原題: 「Welcome Back, My Friends, To The

Show That Never Ends - Ladies and

Gentlemen」

1974年7月発売。

チャートは全英5位、全米4位。

プロデュースは引き続きグレッグ・レイク。

発売当時はLPレコード(アナログ)3枚組

(CDは2枚組)で、グループ結成4周年を

記念しての発売との事。

当時、アルバム1枚でも高価だったのに

(中高大学生の目線とおサイフ事情で)

3枚組でしかもライブ盤を出してくるとは、

当時の彼等の人気と実力が伺い知れる

自信作だ。

なお本作は1973~74のEL&Pのコンサ

ートを、曲順もそのままに丸事ぜんぶ

収めた作りになっているので、アルバム

全部(LP3枚、CDは2枚)を通して聴くと

当時のライブを追体験できる事になる。

実際のライブでは、アンコールがあって

そこで更に数曲演っていたらしいので、

凄いボリュームである。因みにアンコー

ル曲は、展覧会の絵、ナットロッカー、

ロンドなど。他のライブ盤(海賊盤含む)

やライブビデオで確認出来るようだ。

 

以下の曲番号は、EL&P作品通算の番号で

ある。前作・恐怖の頭脳改革の最終トラッ

ク悪の教典#9第三印象が50番だったので

今作は続いて51番からとなる。

・本作はライブ盤なので、当然オリジナルの

スタジオ盤と曲目が被ることになる。そこで

ライブ作品については、トラック番号に*

(アスタリスク)を付けることにした。

ただし本作で初登場した作品(スタジオ盤

が存在しない)作品には*(アスタリスク)

無しで通常のトラック番号を付与した。

・トラックの分け方は、発売当時のアナログ

LPの番号に従った。例えば組曲タルカス

はオリジナルでは全7パートあるが、

本作では2トラックとカウントする。

 

アナログ(1~6面)

(A面、SIDE ONE)

(51*) ホウダウン  Hoedown

(52*) 聖地エルサレム  Jerusalem

(53*) トッカータ  Toccata

 

(B面、SIDE TWO)

(54*) タルカス  Tarkus

 

(C面、SIDE THREE)

(55*) アクアタルカス  Aqua Tarkus

(56*) 石をとれ~

 スティル・ユー・ターン・ミー・オン~

 ラッキー・マン

Take A Pebble ~

 Still...You Turn Me On~

 Lucky Man

 

・・・Part 2に続く。

 

 

EL&P(エマ-ソン、レイク&パーマ-)の5枚目

は、恐怖の頭脳改革(原題:Brain Salad Surg

ery)である。1973年11月英国発売。

チャートは全英2位、全米11位。

プロデュースはグレッグ・レイク。

 

以下の曲番号は、EL&P作品通算の番号で

ある。前作トリロジーの最終トラック、

奈落のボレロが42番だったので、

今作は続いて43番からとなる。

アナログ(A面)

(43) 聖地エルサレム  Jerusalem

(44) トッカータ  Toccata

(45) スティル・・・ユーターンミーオン

   Stil・・・You Turn Me On

(46) 用心棒ベニー Benny The Bouncer

(47) 悪の教典#9 第一印象パート1

   Karn Evil #9 1st Impression Part1

アナログ(B面)

(48) 悪の教典#9 第一印象パート2

   Karn Evil #9 1st Impression Part2

(49) 悪の教典#9 第二印象

   Karn Evil #9 2nd Impression

(50) 悪の教典#9 第三印象

   Karn Evil #9 3rd Impression

 

・当作品を含め、EL&Pのアルバムは

発売時にはアナログLPであったが、

その後CDの時代になって再発売され

た。その後は数えきれない程、多数の

再発、高音質、リマスター、デラックス盤

等々のCDが出た。発売(配給)会社が

変わったのも要因の一つであろう。

・ボーナストラックが付録(オマケ)と

して追加された盤もあるが本記事では

発売当時のオリジナルを元に記述する

ことにしている。

・ライブアルバムについては、既存の

作品(トラック)はカウントしない。

そのライブアルバムで初めて収録された

初出の作品(トラック)はカウントに入る。

・例えば「展覧会の絵」は、全トラックが

初出なのでカウントに入れた。

・次作品「レディース&ジェントルマン」は

Piano Improvisationのみカウントされる。

 

さて本題に戻ろう。

恐怖の頭脳改革の発売に際し、バンドは

アルバムプロモーションの為、全米ツアー

を行った。名付けて「ザ・ブレイン・

サラダ・サージェリーUSツアー」。

1973年の11月~12月まで全31公演。

フロリダ州ハリウッドからスタートし、

ニューヨーク州MSG(マジソン・スクエア・

ガーデン)2daysで締めくくられ、'73年の

クリスマス休暇に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   Karn Evil #9 1st Impression Part1