アマゾンで見つけて注文して読んだ本。
何度も読んで、ようやく感想めいたことが書けそうになったので残しておこうと思う。
この本は、一度でさらっと読めるものではない。
全部のみこむには、相当な時間と努力が必要なんじゃないかと思う。
それは、いわゆる「怒らない」子育てのための小手先テクニックのようなものではなく、全体を通して自分の過去の心の問題に逐一取り組まなければならないようになっているから。
普段からそこがクリアになっている人なら大丈夫だろうが、私のように曖昧にしてきた人間にとっては、自分一人で向き合うには難しいような、それ以上目を通したくないような内容が続いていたりするので、一度ではとうてい租借できなかった。
だが、これからまだまだ長く続く育児を思っても、きっと大切なことをたくさん伝えていてくれているに違いないと思い、頑張って(と言う表現が一番ぴったり)、読んでみた。
まず、冒頭のエピソード。いきなり母子分離不安の子についてのエピソードが始まる。
母親と離れる際に泣く子には3つの要因があるという。
1つは、子ども自身のトラウマ。過去に無理矢理離された経験が、子ども自身に不安を思い起こさせるというもの。
2つめは、親子の心の繋がりが分断される時、子どもが不安になるというもの。
3つめは、母親自身の感情を、子どもに重ね合わせていて、子どもはそれを再現してくれている、というもの。
どれも、考えれば考えるほど当てはまる。
特に3つめの理由に関しては、最初はなんだかいまいち腑に落ちなかったが、何度も何度もそれを考えるうちに、まさにそうだと思い当たる瞬間があった。
わたしが子どもに対して、必要以上のイライラをぶつけてしまう理由。
それは、「我慢」だったんじゃないかと思う。
こちらが常に気を遣って自分の感情を抑えながら、息子が自立できるよう一生懸命頑張っているのに、なんで息子はそんなに傍若無人に振る舞うのだと、もしかしたらわざとこちらを苦しめているのではないか?など、まさにその点にイライラが集結しているのだった。
分離が上手くいかないとき、私は、必要以上にねちねちと息子を責める。果ては過去のことも引っ張り出したり、人格まで否定して罵倒したりする。
そして後から必ず反省。
それは自分自身、それほどの怒りを隠し持っていたからだとようやく確信した。
つまり、わたしは本当はもう、我慢したくなかったのである。
それに気づいただけでも、大きすぎるほどの収穫だった。
このように、この本では繰り返し、子どもが親や家族の人生を何かしらの気づきをもって良い方に変えていくという役割を担っていると説いている。
子育てを通して、親もこうやって、自分のことに気づきながら成長していくのだと。
そんな風に、自分の心と十分すぎるくらいに向き合い、私の場合は、自分でも驚くくらいに必要以上の怒りがきれいさっぱりと無くなった。
しかし、ただ一点。
肝心の分離不安解消については、上記3つについて色々と取り組んだにも関わらず、特に効果が出ていない。
これが問題である。
息子は相変わらず、母と離れるときにはグズグズの帝王になり、こちらを困らせる。
赤ちゃん返りのように、常につきまとい、抱っこ抱っこのオンパレード。
ふと、このままでは息子は一生独り立ちできないかもしれないという不安がよぎる。
今朝は、
「僕は、僕よりもママが好き!」
と言っていた。
それでは学校が再開しても行けないではないか。
私はこの問題と一生向き合わなくてはならない運命なのか・・・。
息子、初めてのリコーダー。