『女の一生<1部>キクの場合』 | 夕焼けのむこうの国

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非常に重かったです…。

読んでいて辛かったです(-_-。)

 

明治初頭の、「浦上四番崩れ」と言われたキリシタン弾圧事件を題材にした小説です。

 

江戸時代に、非常に厳しいキリシタン弾圧が行われていたことは知っていたのですが、明治初頭の近代化しつつあった時代でも、ここまでの激しい弾圧があったとは、正直知りませんでした。

 

『沈黙』と同様、「日本人にとってキリスト教とは」とか、「神はいるのか、いないのか」という、遠藤周作の不変のテーマを扱っているのだと思うのですが、流刑になったキリシタン達に加えられた拷問もすさまじかったし、ただひたすら清吉を想うキクが切なすぎて、読むのが辛かったです。

 

伊藤清左衛門はとにかく許せません(T_T)

たとえ、晩年自分の罪を悔いてクリスチャンになったんだとしても(T_T)

キクがあまりにもかわいそう過ぎて。

 

神は「許しなさい」と言っていますが、実際のところ、許せないですよね~…。

 

伊藤清左衛門の懺悔のおかげで、清吉はキクの、本当の苦しみと、自分を想う深い愛情を知ったのだと思いますが。

 

遠藤周作は、清左衛門を「弱い人間の象徴」的な感じで描いているのかもしれないですが、単に「女の敵」というか、「愚かで腹立たしいヤツ」としか思えないです…( 一一)

 

清吉が、過酷な拷問に耐えて、無事に釈放されて、後年は自分の家庭を持って平穏な人生を送れたことが、ちょっと救いでした…(T_T)