最後のチャンス
これね私の人生が決まる。この試験の成績で、たったのこれだけで、決まってしまう。
高校に入った頃は誰よりも勉強熱心だった私。母からも最初は、
「兄と違ってあんたはいい子に育ったわ〜!」なんて言われてた。
今考えてみれば、あの時は調子に乗ってた。初めて母に褒められて。
初めて人に認められた。兄がいた頃は兄が基本。私は兄の比較対象。
兄は出来るのになぜお前は出来ないのか。そんな事言われても、私は私。
兄は兄だ。3個も上で。
そんな奴が居なくなった時、私は心做しか、何か重たいものがなくなったと思った。
みんなは、''え、サイテー''とでも思うのだろう。
お兄ちゃんかわいそー
そんな声も多々聞いたこともあった。
だが私は頑張りすぎたのもあり、
どこかでもう疲れきった様子がこの高校3年間のうちにあった。
それに気づいたのはここ最近であった。