旅に出る直前、空港のスターバックスでふとブログを書いてみようと思いついた。

私はいまシカゴに出かけようとしていて、第二の故郷のようにも感じるシカゴを訪れるのは大凡13年ぶりである。

初めてシカゴの地に足を踏み入れたのは17年も前のこと。その頃の私は二十代ではあったけれど、随分と幼くて、自分の力で避けられたであろうトラブルも方向転換せずに衝突し、正直言って傷だらけだった。多かれ少なかれ誰でも傷を負う時期なのかもしれない。しかし、私はつい最近まで当時の自分を嫌っていた。そんなわけで、私は数年のあいだに幾度もシカゴに滞在したけれど、記憶は朧げにしか残っていない。「何度シカゴに行っているか」「どのくらいの期間シカゴに滞在したのか」このような質問があると、「何度か行っています。5回以上10回以内。」とか「全部の滞在期間を合わせると1年くらいかもしれません」というふうにしか答えられない。

私は今や41歳の内科医で、現在は研修医の教育を専門としている。時には医学生にキャリア形成について考える授業も担当し始めたばかり。研修医や医学生にキャリア形成の授業を行うときに、まず重要となるのは「自分を振り返ること」「自己分析」であるそうだ(日本医学教育学会ワークショップより)。なるほど、確かに。消したつもりの過去も自分の一部なのだ。嫌がっていた過去も重要な布石であったことに気がついた。学生や研修医に正確に伝えるためにも、私自身が自分に向き合う時期にきたようだ。

そんな時、人生に時々に起きる奇跡のタイミングで、シカゴのノースウエスタン大学病院の友人たちとメールでやり取りをした。「When will you come back to Chicago ?」というメッセージを見たときに、一瞬にしてシカゴに行くことを決めていた。弱くて情けない自分をおおらかな笑顔で受け入れてくれた場所に戻ってみよう。