あきらめない。自然治癒。 | 私、平成26年3月から癌との共存始めました。

私、平成26年3月から癌との共存始めました。

癌と向き合って生きていく私のぼやき。
だって、ここでしか弱音吐けないんだもん。

自然治癒の確率

 さて、癌の自然治癒ということはあるのでしょうか。特別な治療をしないのに癌が消え

てしまい、長い間それが続く様なことが起こりえるのでしょうか。これがあるのです。こ

れまでの研究から、癌患者6万人から10万人に1人の割合で自然治癒が起こることが分か

りました。日本では毎日1200人から1300人が癌と診断されていますので、46日から83

日に1人の割合で自然治癒が起こっている勘定になります。

 

自然治癒(退縮)とは

 自然治癒、自然退縮、長期寛解など自然治癒に関連した言葉が幾つかありますので、整

理をしておきます。といっても、聖マリアンナ医科大学の星教授が1997年に提唱されたこ

とを簡単にまとめただけですが。

1.癌(悪性腫瘍)と病理学的に(細胞の検査で)あるいはCTスキャンなどの殿画像診断

で確認されていること

2.自然治癒とは抗癌剤などの治療効果消失後、少なくとも10年以上、あるいは亡くなる

最後に癌が完全に消えている場合

3.自然退縮とは治療効果消失後、癌が消えてしまっている状態が1年以上続く場合

4.長期寛解とは治療効果消失後、癌が70%以上の小さくなって、それから大きくなった

り転移が起こったりせずに1年以上続いた場合

5.上記のいずれも腫瘍の大きさは画像診断を含めて臨床的に確認し、また患者の社会復

帰が可能でなければならない(癌が消えていても、寝たきりでは意味がない)

 米国のコーレ教授が発表した自然治癒例の内、癌が消えていた期間別の患者数を見ます

と、10年以上の狭い意味の自然治癒は22人(15%)、1年以上の自然退縮は95人(64

%)です。従って以後広い意味の自然治癒を意味する自然退縮という言葉を使います。

 

自然退縮を起こしやすい癌(悪性腫瘍)

 癌の種類により自然退縮を起こしやすいものがあることが分かっています。まず、腎

癌、神経芽腫、絨毛上皮癌、悪性黒色腫、膀胱癌の5つで自然退縮を起こした例の40%を

占めます。次いで白血病、悪性リンパ腫、神経芽細胞腫、乳癌の4つで全体の30%を占

め、合わせて70%となります。これらに共通するのは、抗癌剤、放射線、免疫療法がよく

効くということです。逆に言うと、抗癌剤とか放射線療法で治りやすい癌は、元々治りや

すい性質を持っていると言えます。例えば腎癌と悪性黒色腫の場合、養子免疫療法(癌患

者からリンパ球を取り出し、活性化、増殖をして、また体内に戻す免疫療法)で20%~30

%の割合で癌が消えてしまうのです。さらに悪性黒色腫の腫瘍内にBCG(ウシ型結核菌に

よる結核ワクチン)を注射すると90%の割合で腫瘍が小さくなるというデータがありま

す。

 

自然退縮の仕組み

 癌の自然退縮が起こったケースを調べてみますと、幾つかの共通した切っ掛けがあある

ことが分かりました。

1.高熱を伴った感染症

2.手術、生検(細胞を採る検査)、外傷

3.内分泌疾患、妊娠、出産、閉経、卵巣摘出

4.放射線照射(癌治療以外の目的で)

5.輸血

6.アレルギーの発生

7.BRM(生体応答調節剤)、免疫刺激

8.実存的転換(癌になったことを前向きに受け止めて、生き方を変える)

 高熱を伴った感染症が起こると、高熱により癌細胞のアポトーシス(生理的細胞死)が

起こり、また、免疫系に対し大きな刺激となり、免疫系のパワーアップが起こります。手

術、生検、外傷では免疫系のみでなく身体全体の自然治癒力が賦活されます。内分泌関係

では、女性ホルモンで成長が加速される乳癌は卵巣を摘出して女性ホルモンが分泌されな

くなると、成長が止まるだけでなく、癌細胞にアポトーシスが起こることが分かりまし

た。また、甲状腺機能低下により癌が消えた場合もあります。放射線の照射も少量であれ

ば却って自然治癒力の賦活となることがあります。輸血に関しては血漿中の免疫グロブリ

ンが関係したのかも知れません。アレルギーも免疫系の過剰反応です。BRMは漢方薬、キ

ノコ類などの代替療法に使われるものが主です。天然酵母飲料もこの働きがあります。こ

れらは、主に腸管免疫系を通して免疫系を賦活します。8は後で具体例をお話しします

が、これも自然治癒力の強力な賦活となります。これらをまとめると、自然退縮を起こす

仕組みは、次の五つになります。

1.免疫系の賦活

2.内分泌的影響

3.アポトーシスの発現

4.精神・神経・免疫学的仕組み

5.癌細胞の分化の誘導

 5は癌細胞が普通の細胞に戻る現象です。ビタミンAの誘導体である非環式レチノイドは

肝臓癌細胞の分化を促し、その結果正常細胞に導くことが岐阜大学の森脇久隆教授他の研

究で明らかとなりなりました。肝臓癌患者で非環式レチノイドの服用しているグループと

服用していないグループでは5年後の生存率で20%、7年後の生存率で35%の差が認めら

れました。副作用もほとんど無く安全に使える非常によい薬ですが、薬事法の決まりか

ら、一般の癌患者が非環式レチノイドを使うことが出来るのは後5年以上待たねばなりま

せん。肝臓癌患者である三浦捷一医師は、一刻も早く全ての肝臓癌患者とC型肝炎の患者

(肝臓癌の予防のため)にこの薬が使えるようにするための運動を戦っておられます。

 

精神・神経・免疫学

 九州大学医学部に心療内科を創設した故池見酉次?名誉教授は日本で初めて癌の自然退縮

に関する研究を行いました。その中で、福岡近郊から5人の自然退縮患者を見つけ出し

て、詳しい調査を行った結果、実存的転換により自然治癒力の活性化が起こっていると結

論しています。