はたらく物語







●読みやすい度

★★☆☆☆

(文章は優しいが、学問的用語が多いため)


●こんなときにオススメ

マンガ、アニメ、映画をきっかけに

「仕事」と時代を社会学的に考えたいとき




働くことやマンガ、両方

自分の気になるキーワードだったので

目次を見たときにも、取り上げている作品が

「3月のライオン」「プラダを着た悪魔」

「宝石の国」「株式会社マジルミエ」と

自分が知ってるものが多く気になったので

読んでみました。


でも、「はじめに」のところに書かれていた文章。


***

そのような多様性がある中で、一つ、誰もが、というのが言い過ぎなら、ほとんどの人が持っている、働くことについての願望があるのではないかと思います。それは、できるなら、働くこと、労働を、自分のものにしたい、という願望です。

***


最終章の結論も、これに対する明確な、

というか、具体的に自分が働く何かに

落とし込める答えが示されているわけではない。


けれど、現在の※ポストフォーディズムの時代。

(※自動車のフォードに代表される大量生産、

大量消費の体制の後にくる、非物質主義的な労働)

人はそのすべて、労働のスキルとは別物だった

人間性までが労働のための市場化をされている。


そんな時代において、経済的合理性でなく

贈与交換における可能性を論じることで

終章の結論としている。


すべてが市場化される時代において

市場化されないものは残るのだろうか?


また、ポストフォーディズムにおいては、

コミュニケーション力高く、

柔軟な対応ができる人間が求められる。


けれど、「株式会社マジルミエ」を

論じている章において述べられていたこと。

主人公のカナやプログラマーの二子山君のように、

座学の方が得意だったり

コミュニケーションが苦手な者であっても

活躍の場が与えられている。

私はそこに希望が持てるなと思いました。