一流の男が「育児」から学んでいる5つのビジネススキル 嶋津良智
男性が「育児は面倒」と感じる理由
男性の中には、育児をやりたい気持ちがありながら、ほとんどできていない人もいる。
日々の仕事に追われ、土曜日は平日の疲れから昼過ぎまで寝ている。そんなときに赤ちゃんが泣き出すと、「静かにしてくれ」と言いたい気持ちをじっと抑え、布団をかぶってしまう。そんな人は、育児をしない理由について、「やりたい気持ちはあるのですが、自分の中の優先順位が低いので、なんとなく面倒に感じてしまう」という。
育児をして獲得できる能力
発達心理学の研究では、育児を通して親も成長することがわかっている。幼稚園・保育園に子どもを通わせる親を対象に調査した結果、「親としての成長」には、
・柔軟さ
・自己抑制
・運命、信仰、伝統の受容
・視野の広がり
・生きがい、存在感
・自己の強さ
という6つの領域があることがわかっている。さらに父親のみを対象にした調査から、育児をしている父親は
・家族への愛着
・責任感や冷静さ
・子どもを通しての視野の広がり
・過去と未来への展望
を獲得していることがわかった。
自己犠牲から貢献へのシフト
プレイヤーとして働いていた人がプレイングマネージャーになったときに、「自分一人でやっていればもっと結果が出せたのに、部下指導に費やす時間が多すぎて結果が出せない」ということがある。この状況と、父親になったばかりの人が、「自分が育児なんかしないで仕事をやれば、もっと効率よく稼げるはずだ」というのは似ている。
自分が成果を出す以外のことに多くの時間を割かれた場合、確かに自己犠牲が必要になるが、いつまでも自分が犠牲になっていると考えていたら、その人の成長は止まってしまう。自己犠牲から貢献へのシフトが必要である。最終目的は素晴らしい人生をおくることであり、そのためには必要なことである。
育児と仕事を両立するための大切な考え方
「忙しいから家事・育児に費やす時間がない」というビジネスマンがいる一方で、家事・育児をてきぱきとこなしながら、仕事で高い成果をあげているビジネスマンもいる。彼らは、「家事・育児に時間を奪われたら仕事ができなくなる」などという発想をしない。
育児と仕事を両立させる方法はないか。
時間を費やすのであれば育児から学べることはないか。
育児をやりながら自分の能力を磨くことはできないか
と考える。
育児で段取り力が鍛えられる、質問力、傾聴力が磨かれる、リーダーシップが身につく、といったことが説明されていた。確かに、ここまで言われれば少しは男性も育児をする気になりそう。