「はぁ、はぁ…」
「も、もうだめ…走りぇない…」
隣で弱音を吐いているこいつは、紫苑。
「体力ぐらい身につけないと、いつか死にますよ閣下。」
鼻で笑いながら茶化す。
「ネズミは、きつく、な、ないのかよ…」
「まぁね、少なくとも人の心配が出来るくらいは。ま、何がともあれおかずは俺のだ。残念だったな。」
美しい白髪の髪をなでてみる。
「くっそー…」
○●○●○●○●○●○●○
「やっぱ…やるよ。」
「いや、遠慮しとくよ。」
おかずを押し付け合う。
知らなかった、こいつ、料理へったくそなんだ。
目の前には真っ黒の物体。
何だこれは。
「レシピどうりに作ったんだけど…」
阿呆。レシピどうりに作ったらこんな事にはならん。
「まぁいいよ。くってやる。」
そう言おうとした時だった。
コンコン、コンコン
…誰だ?
紫苑がドアの方へむかう。
「やめろ! …敵だったらどうする。…俺がいく。」
ギィ…
ゆっくりドアを開けてみる。
「ネズミ、俺だ。」
「なんだ、イヌカシか。」
「なんだとはなんだ、ネズミ。
俺はわざわざ手紙を届けにここまできたんだぞ。」
ーーー手紙?
おかしい。この西ブロックで手紙を使うなんて。聞いた事もないぞ…
「紫苑あてだって。しらねぇおっさんから。」
「しらねぇおっさん?誰だよ。」
「だからしらねぇって言ってんだろ。覆面してたんだよ。」
イヌカシと話していると、紫苑の白い手が横を通った。
「イヌカシ、ちょっとそれ貸して。」
手紙が紫苑の手に渡る。
駄目だ、読んではいけない。
そんな気がした。
