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「なんでもかんでも謝るなよ!」
肩に手をかけ見つめられた。
きっとまた私がいけないんだろう。
怒っているのに哀しそうな潤くん。
初めてできた友達なのに、うまく気持ちが伝わらない。クラス委員は便利だなんて…。
「そんなつもりじゃ…ごめんなさ……。」
また謝るところだった。
潤くんが…キスして止めてくれた。
熱い視線に眼を閉じてしまう。
怒りより哀しみが流れ込んでくる。
潤くんを傷つけた…。
罪悪感で気が遠くなる。
「…ニノッ、ニノッ!」
「ん…。」
目を開くと、潤くんの腕の中、真っ直ぐ見つめられている。
「良かった、気を失ったのかと思った。
オレ、なんてこと…。」
「ありがとう。」
「え?」
「また謝るのを止めてくれた。
潤くん、ホントにありがとう。」
「いやオレ、ニノにこんなこと…。」
「ううん、私がちゃんと言わないから、潤くんに哀しい思いをさせたよね。」
「哀しい?」
「クラス委員だから便利だなんて思ってないよ。潤くんと出逢えて良かった。初めてできた友達だよ?私なんかと友達になってくれて本当にありがとう。」
「ニノ…。
こっちこそありがとうだよ。
あの、その…なんかごめん。」
「フフッ、今度は潤くんが謝るの?
謝ることなんてないでしょ?」
「え、いや、うん。」
照れながらも潤くんに笑顔が戻ってホッとした。
「強いて言うなら、そろそろ離れた方が良いかもね。」
「うわ、悪い…。」
潤くんが慌てて腕をほどく。
そそくさと立ち上がり駅に向かった。
少し前を潤くんが気まずそうに歩いてる。
きっと自分でも驚いているよね?
そうだ!
「潤くん!」
呼びかけて後ろから手を繋いだ。
こんなときは変に気を遣うより、笑って済ませるのが一番だ。
「ニノ?エッ?これ…。」
「今日は特別だから、ね?」
「え、これ大丈夫なの?」
「たぶん…。今は制服着てないから。
私服の私はきっと大丈夫なはず。」
「えぇ?ん?あ、そっか~。
もう驚かせないでよ。」
駅に着くまでカップルを演じて、デート気分を楽しんだ。