«s»






松本と駅ビルのカフェに入った。
ラテのトールを2つ持って、奥のテーブル席に着く。何から話せば…。

「相葉先輩には話せない事なんですか?」
「やっぱりお前は頭が良いな…。」

とりあえずラテを一口飲んだ。

「大野さんの事を話したときな…。
 友達の話、しただろ?」
「ええ、バスケ部のユウさん?」
「そう、千葉友紀。
 雅紀と双子みたいだった。」
「大野さんに出会って、バスケ部やめちゃった人ですよね。」
「バスケ部どころか学校もね。」
「相葉先輩、それでニノのこと大野さんに近づけてはダメだって気にして…。
 学校まで辞めた訳、相葉先輩が一番ご存知ですよね?」
「事実はね…。でも、結末とほんとの理由はわかってないはず。」
「櫻井先輩は?理由、わかって?」
「うん、千葉に直接打ち明けられた。
 で、雅紀には知られないようにした。」

「理由、まさか相葉先輩に関係が…。」

松本が口をつぐむ。やはりコイツは頭が良い。察しが良すぎる。

…それなら、話して大丈夫か?



タブレットを出して、検索をかける。
3年前の記事を見つけて、タップした。