程度の差こそあれ、誰もが持っている人間の本能です。
変化を恐れるのは人間の本能
大昔、人間がまだ狩りをして生活していた時代、自分たちが住んでいる土地を離れて未開の地に行くことは大きなリスクを伴いました。 そこにはどんな危険が潜んでいるかわからず、命の危険すらあったはずです。
したがって、私たちの祖先はできる限り現状維持を望み、変化を恐れたでしょう。
人間はそうして何千万年も暮らしてきたわけです。
私たちの遺伝子にはその時の記憶がまだ残っています。
生存するために、変化を恐れ敏感に反応するようにインプットされているのです。 それが長い間、私たちにとって最善の生存戦略だったからです。
つまり、「現状維持バイアス」というのは、人間の遺伝子レベルに刻まれているプログラムと言っても過言ではありません。
歪んだ意思決定
私たちは知らず知らずのうちに、現状維持バイアスの影響を受けています。 変化を避け、現状を維持している方が安全だと考えるプログラムがインプットされているおかげで、無意識的に現状を維持しようとするのです。
ただし、このプログラムのおかげで私たちは現状をありのまま認識することができず、間違った意思決定をしてしまうことがあります。
明らかに現状が悪く変化が必要な時、明らかにやれば良くなるとわかっている時にも、変化を避け現状を維持しようとしてしまうことがあるのです。
例えば、最初に紹介した「いつまでも転職できない人」や「恋人と別れられない人」「やりたいことをいつまでも先送りする人」などもそうですが、昇進・昇格などステップアップの機会を自ら棒に振る人や、結局ダメ男の元に戻って行く女性なども、この「現状維持バイアス」が働いているといっても良いでしょう。
周囲の人たちから見たら明らかに現状を変えた方がメリットが大きいのに、それを避ける選択をしてしまうのです。
茹でガエル現象
ビジネスの現場では、「茹でガエル現象」などと言われる例え話があります。
「カエルをいきなり熱湯に入れると慌てて飛び出して逃げるが、水から入れてじわじわと温度を上げていくと、カエルは温度変化に気づかず、生命の危機を感じないまま茹で上がって死んでしまう」
現状維持バイアスによって茹でガエルにならないように気をつけないといけません。
現状維持バイアスで歪んだ意思決定をしないためには?
このように、私たちは時として「現状維持バイアス」によって損な選択をしてしまいます。
そうならないためには、私たちは誰もが現状維持バイアスというプログラムを持っていて、無意識的に発動しているんだということを認識しておくことが必要です。
変化より現状維持を過度に評価しやすい性質を持っているんだと認識しておくことです。
そして、大事な局面では感情的な部分だけで判断せず、論理的にリスクとリターンを検証してみることも必要