「暇だなー、よし踊るか!」
彼は弓長 時計(ゆみなが とけい)男。宮草の良い友達。でも時々虐げられている。
「お、今日は放送室空いてるんだ。って、とけい!何をしてんの!」「ん?踊ってるだけですが?」「どうもー」宮口が来たようだ。
「あ、ぐっさん!(宮草は時々宮口のことをこう呼ぶ)ちょっと聞いて!」「うるさいニコッ」「なに!?ニコッ って!」
「こんにちはー」次々と後輩たちが部室にやってくる。
「こんにちはー、ってまた喧嘩ですか?」「またってなに?いつもしてないよ!」
後輩の間では宮草と宮口が喧嘩するのは普通の感覚になってしまっているようだ。「あ、宮草人見知り直ってるじゃん。」「ほんとだ。」宮草は人見知りが激しく、一年生が入ってくるときはおどおどしていたのだ。「それはもう見られないくらいに。」
「ねぇ、とけい。誰に喋ってるの?」「いや、この小説をお読みの皆様に…」「あ、そう。」「まあ、いいやぐっさん、発声練習するよ。」「ほーい」
これが放送部の日常だった。これが宮草が部長になったことでどのように変わるか楽しみだ。
「はあ、もうすぐ冬の大会だよね~ やだなー」発声練習が終わると宮口が愚痴をこぼしていた。
