娘の、のうこつまであと一日。
哀しい雨が降っている。
週末は完成した我が家の「おはか」を見に行った。
予定より完成がひと月遅れて、のうこつギリギリに仕上がった。
我が家のおはかは霊園で購入したので
古来からある和型以外にも様々な種類の石や形があり
私達は洋型を選んだ。
たくさんの霊園を回り、様々なはかを見比べ
じっくりとデザインを決めたので
自分達の思い通りの納得いくおはかが出来た。
周囲に敷き詰める砂利にもこだわって
自分達でショップを回り、見つけた綺麗な石をブレンドして
それを雨の中、二人でせっせとおはかに敷き詰めて・・・・・
最後の仕上げが完成。
にゃんちゃんの新しいお家の出来上がり。
やがて、パパもママも入るお家です。
でも、にゃんちゃんの魂は
生まれ変わって、きっと私の胎内に新しい命を吹き込んでくれるはず。
そう思っていても、なかなか簡単には割り切れないものがあり・・・・・
毎日ぐずぐずと泣きながら過ごしているのですが。
昨夜、にゃんちゃんのお骨を連れて、両実家を訪問しました。
また、生まれ変わって、二つの家にも戻って来れるように・・・・・
主人の実家には、にゃんちゃんの部屋があり
まだ一度も触れた事の無い、たくさんの玩具がそのまま置いてある。
暖かくなったら、ジャングルジムを組み立ててあげようって
親戚から頂いたお古のジャングルジム。
主人と一緒に組み立て始めたけど
あまりにも時間が掛かりそうなので断念。
暖かくなったのに・・・ごめんね。
生まれ変わってきたら、たくさん遊べるように・・・・・
お義母さんは悲しみを堪えていたのか、少し素っ気無かった。
お骨を動かす事をあまり良く思っていなかったのかもしれない。
気持ちを考えず、申し訳ないことをしたかな・・・ごめんなさい。
次に私の実家へ。
父も母も、にゃんちゃんとのお別れを悲しいものにしないようにと
涙を堪えていました。
祖母は、にゃんちゃんのお骨を前に
「もう、この前のお別れでたくさんだった!!それでなくても、27日の事を考えると苦しくてしょうがないのに!!!」
と、泣きながら悲しみをあらわにしていた。
「まぁ、そう言わないでよ。これで、お骨のにゃんちゃんは最後なんだから。もう、次に会うのはおはかだからさ」
と、私が言うと
「じゃあ、この子を置いて帰って!って言ったら、置いていってくれるの!!家に来たら、帰したくなくなるじゃない・・・・・」
そう言って、ずっとずっと骨箱を撫でて・・・・・
何か言葉を返そうと思ったけど、私も涙が溢れてきて
逃げるように別の部屋へ。
私が今、ここで泣いてはダメなんだ。
だって、両親が笑顔で孫を送り出そうとしているのが良く分かったから・・・
実家を出る前に最後、にゃんちゃんを抱いて
出産後、里帰りで過ごした部屋を覗いた。
いつも、二人で寝転がっていたベッド。
いつものようににゃんちゃんを私の左隣に置いて、寝転んだ。
目を瞑れば浮かび上がる、にゃんちゃんと過ごした日々。
一年前、新米ママでバタバタしていた私。
父が、毎日、沐浴の手伝いをしてくれて
風呂上りのミルクはじいじの担当だって・・・幸せそうな顔してた。
にゃんちゃんはお風呂に入るとうっとりとしてたなぁ。
にゃんちゃんは賑やかなのが大好きだから
実家で皆に囲まれていると、大はしゃぎで得意になって
みんなに話し掛けていたね・・・・・
自宅へ戻ってからも、時々遊びに来て泊まったこの部屋。
いっぱい遊んで、いっぱい笑って。
なんて・・・なんて楽しかったんだろう。
どこを見てもにゃんちゃんの面影ばかりだよ・・・・・
ママ、泣くのを我慢してたけど
今はにゃんちゃんと二人きりだから、泣いちゃってもいいかな。
ねぇ、にゃんちゃん。
また一からはじめよう。
ママはにゃんちゃんの体、また一から作るから。
このお部屋に戻って来よう。
みんな、みんな、にゃんちゃんの帰りを待っているよ。
にゃんちゃんが触りたくて仕方がなかったカーテン。
ばっちいから触っちゃダメよ、って触らせてあげなかったけど
今日は特別に触らせてあげる。
次に戻ってくる時には、綺麗にクリーニングしておいてもらおうね。
その時には、好きなだけ触らせてあげるから・・・・・
きっと戻ってくる
そう自分に言いきかせて、私は部屋のドアを閉めた。
にゃんちゃんと神様にこの願いが、届いていることを祈って。
おはかとか、のうこつとか
平仮名表記なのは気にしないで下さい・・・