前回からのつづきです。

 

たくさんのアクセス、「いいね」、コメント、メッセージありがとうございます。

死産を経験された方からのコメントやメッセージに心が痛みます。

つらい思いをされている人は本当に多いんですね。

こんな思いをする人はこれ以上増えてほしくないです。

 

妊娠中の女性の方、これから妊娠を考えている女性の方、そのパートナーの男性の方。

どうか妊娠中は体を大事にしてください。

少しでも異変を感じたら病院へ行ってください。

早めの行動を取ることで助けられる命があるはずです。

 

***

 

退院の許可が下りたのはぴよちゃんの火葬の翌々日でした。

会陰裂傷の縫合部分がくっついたこと、悪露の量が減ったことから、退院しても問題ないと判断されました。

 

退院にあたって下記の点に注意するよう説明がありました。

 

・無理をしない

→できれば横になって安静にする。

仕事はもちろんしてはいけない。

家事も周りを頼る。

外出も2週間後の健診まで控えて安静にする。

 

・栄養のある食事をとる

→食欲はないかもしれないができるだけ食べる。

悪露で貧血になりやすいので鉄分をとること。

 

・清潔にする

→産褥パッド(悪露のためのナプキンのようなもの)はこまめに交換。

トイレのあとはウォシュレットで縫合跡を洗う。

湯船につかるのは2週間は控えてシャワーだけにする。

 

・つらくなったら泣く、誰かに胸の内を話す

→泣きたいときは我慢せずに泣く。

話し相手は夫でも友達でも病院スタッフでもいい。

思い詰めると精神にも体にもよくない。

泣いたり話したりすることでストレス発散できる。

 

 

退院から2週間後に子宮と傷口の状態を見る健診をするとのことでした。

そこで問題がなければもう病院には来なくていいそうです。

 

病院へは夫が迎えに来てくれました。

「赤ちゃんを連れずに産科の受付を通ると目立ってしまうから」という配慮で、病院の裏口から帰らせてもらえることになりました。

お金の支払や手続きなどもすべて個室で済ませました。

産科の受付と会計カウンター付近には、赤ちゃんを連れて退院するご夫婦や、赤ちゃんの1ヶ月後健診に来ているお母さんがたくさんいるので、ありがたかったです。

 

退院の際、お産に立ち会ってくれた先生、ベテラン助産師さん、若い助産師さんが見送りにきてくれました。

全員が口々に私をなぐさめ、励まし、頭を下げます。

「お世話になりました。私たちの子を取り上げてくれてありがとうございました」と言って、私と夫も頭を下げました。

最後くらいは泣かないつもりだったのにまた泣いてしまう私…。

先生たちも涙を浮かべていました。

 

外に出ると太陽がまぶしかったです。

先生たちに見送られながらタクシーに乗り、港から定期便で島に帰りました。

 

 

島の港までは義父が車で迎えにきてくれていました。

家に帰ると義母がぴよちゃん用の小さな祭壇を作ってくれていました。

ローテーブルに薄い水色のクロスがかけられて、まんなかにぴよちゃんの骨壷が置かれています。

骨壷はたくさんのお花に囲まれていました。

お線香立てや仏器などの仏具は淡いブルーのもので統一されていて、なんだか男の子らしい祭壇になっていました。

 

「ぴよちゃんただいま!

すごいね、にぎやかだねー!」

 

涙をこらえて笑顔で言うことができました。

せっかくだから私もお花やおもちゃやお菓子を買ってくればよかったなと思いました。

お供えできるものが何もなかったんです。

 

せめて祭壇に何かお供えしたくて、母子手帳を置きました。

ぴよちゃんの手形と足形が入った宝物です。

 

「これでよかったかな?

ちょっとババくさいかな?

みやこちゃんの好きに変えていいからね!」

 

仏具は義母が見立てたものだったらしく、心配そうに言われました。

水色のクロスに淡いブルーの仏器はとても素敵でした。

義母は趣味でガーデニングやトールペイントやパッチワークをしているのでセンスがいいんです。

 

「とんでもない!

すごくかわいいです。

ぴよちゃん、よかったねー」

 

小さかったぴよちゃんが、もっともっと小さな骨壷におさまってしまった。

とても悲しかったです。

だけどそれ以上に、2日ぶりに会えた嬉しさがありました。

 

小さな骨壷をてのひらに乗せてみました。

すごく軽くて驚きました…お骨って軽いんですね。

赤ちゃんだからなおさらでしょうか?

 

なんだか骨壷さえ愛しくてぎゅーっと抱き締めたかったです。

でも本当に小さくて、抱きしめられるほど大きくないのがもどかしい。

ぴよちゃんを産んだあと、1回も抱っこしてあげられなかったので、骨壷でも自分の手で持ち上げられたのは嬉しかったです。

 

ぴよちゃんの骨壷を元に戻してお線香をあげました。

手をあわせて、たくさんたくさんお祈りしました。

 

ぴよちゃんごめんね。

火葬は熱かったかな?

1人で怖かったかな?

本当にごめんね。

だけど今日からまたいっしょだよ。

いつかまたお腹に戻ってきてね。

私のところにきてくれてありがとうね。

毎日お供えするからね。

おもちゃやお菓子もお供えするからね。

今は天国でいっぱい遊んでね。

 

 

我が子のお仏壇にお祈りなんて、私は何をしてるんだろう…

 

そんな気持ちになって、涙がボロボロ出てしまいました。

 

 

***

 

 

以上でぴよちゃんを死産した話は終わりです。

長い話にお付き合いいただいてありがとうございました。

 

 

ぴよちゃんを死産して3ヶ月がたちました。

5月に本来の出産予定日だった日を迎えました。

悪露は終わり、生理も再開しました。

体だけはすっかり元通りです。

 

でも気持ちはまだまだ前向きにはなりきれません。

それでも涙を流す日は少しずつ減ってきました。

 

前向きになれる日がくるのか?

前進できる日がくるのか?

不安はあります。

でもコメントやメッセージをいただいて、時間が癒やしてくれるのだと知りました。

 

ゆっくりでもいいから気持ちを整理していきたいです。

だけど、ぴよちゃんを忘れることはありません。

 

次回からは死産後の話や、現在の話を書いてきたいと思います。

お付き合いいただけたら嬉しいです。

 

みやこ