前回からの続きです。

 

たくさんのアクセスありがとうございます。

まだまだ心の整理はできていません。

唐突に涙が出たり眠れなくなったり、ごはんが食べられなくなったりします。

ブログを書きながら涙が溢れてくることもあれば、自分で書いた記事を読み返して大泣きすることもあります。

文字に起こすことがつらいです。

でも、こうして多くの方に読んでいただくことで、少しでも私の息子のことを知ってもらえるのは嬉しいことです。

私と同じ思いをする妊婦さんが減ることを祈ります。

 

***

 

陣痛促進剤を打って30分ほどで生理痛のような痛みがやってきました。

最初のうちは夫に「痛くなってきた」とか「生理痛くらいだからそこまでじゃないけど」などと言う余裕がありました。

 

1時間が経過すると痛みは重めの生理痛のような感じに。

この時ベテラン助産師さんがいったん様子を見に来てくれました。

夫と話している私を見て「まだかかりそうね~」と言って、モニターをチェックして、すぐに出ていきました。

 

2時間がたつころには痛みはかなりきついものになっていました。

たとえるなら、腰の中に大きくて重い鉄球を入れられて、それがグルグル回っているような…。

「陣痛=お腹の痛み」だと思っていたのですが、お腹よりも腰がものすごく痛かったです。

声を出したくないのに「うぅ~…!」と唸ってしまうような痛さでした。

その痛みが15分おきくらいに繰り返し何回もやってきます。

 

夫は懸命に腰をさすってくれました。

でも、いまいちズレているんですよね…。

腰が痛いのに背中のあたりをさすったり、お尻の方だったり。

的確な位置をさすってくれないのでイライラしてしまいました。

振り返れば、夫だって未経験のことなので仕方ないのですが、痛みで夫を気遣う余裕がありませんでした。

 

「痛いぃ~…!うぅ~…っ!!」という声が止められません。

痛みが引いたら「はぁ…はぁ…」と息をするのに必死で喋る余裕もありません。

私があまりに痛がるので、見かねた夫がナースコールをしました。

 

「妻がすごく痛がってるんですけど…

こういうものなんですか?

まだ産まれないんですか?」

 

「うーん…まだ15分間隔くらいでしょ?

もっと間隔が縮まらないと産まれないね…。

旦那さんも大変だと思うけど、みやこさん頑張ってるから。

応援して励ましてあげてね」

 

ベテラン助産師さんはもう一度モニターをチェックしました。

ぴよちゃんの心拍はこの時はまだ変わっていませんでした。

 

ベテラン助産師さんはLDR室を出ていき、すぐに先生を連れて戻ってきました。

「ちょっと内診してみましょう」と先生。

入院着の下を脱いで陣痛用ベッドに乗ったまま内診。

入れていた棒(バルーンだったのかな?)がズルッと抜ける感触がしました。

 

妊娠初期の健診みたいに、何か器具を入れられるのかと思いきや…

先生の指がグリグリッ!と入ってきました。

そのまま子宮口に指を入れられて、ふたたびグリグリ

 

「いいぃーーーっ!!!」

 

絶叫しました。

棒を入れられた時の痛みより、陣痛の痛みより、ずっとずっと激しくて鋭い痛みでした。

体をナイフで刺されて、その傷口に指を突っ込まれて、さらにグリグリほじられるような…

「もう普通に大ケガでしょ!?」という痛さです。

 

「今、指で子宮口を開きましたから。

もう少し促進剤の速度も進めましょう」

 

↑の先生の説明はあとから夫が教えてくれました。

息も絶え絶えの私には周りの声なんて聞こえていなかったです。

それにしたって、「指で子宮口を開く」って…

この平成の時代だというのに、お産は原始的すぎると思いました。

 

「赤ちゃん頑張ってますからね。

また様子を見に来ますから、みやこさんも頑張りましょう」

 

内診を終えた先生は点滴の機械を操作してからLDR室を出ていきました。

ベテラン助産師さんは私が暴れたせいでずれたモニターを直しつつ、夫に陣痛が来た時にさする場所をアドバイスしてくれていました。

 

「みやこ、がんばれ…がんばれ…」

 

夫は涙目でした。

内診されて絶叫した私を見たのがショックだったんだと思います。

泣きたいのはこっちだよ!と思いましたが、そんなことを言う余裕はありません。

 

無理やり子宮口を開かれたからか、陣痛促進剤の速度が速められたからか、その後どんどん痛みの間隔が狭まりました。

15分間隔から10分間隔になり、7分間隔まで縮まりました。

 

ふと痛みの合間に時計を見ると、日付が変わっていました。

2月某日。

ぴよちゃんを死産した27週6日。

 

モニターに表示されるぴよちゃんの心拍は、この時はまだ、しっかりとありました。

 

つづく