22週を過ぎたある日、トイレに行くと下着に微量の血がついていました。

 

鮮血ではなく、茶色っぽいおりもののような感じ。

あわててネットで検索してみると「妊娠中期の出血は病院に連絡を」という結果もあれば「慌てず様子を見て」という声も。

どうしていいかわからず、とりあえず夫に出血があったことを伝え、仕事を休んで安静にしていました。

 

次にトイレに行くと茶色っぽい血が鮮血に変わっていました。

量はそれほど多くないけど生理2日目のような真っ赤な血。

 

ほとんどパニック状態でした。

ぴよちゃんに何かあったんだ!と思い病院に電話すると「今から来られますか?」と言われました。

 

船の定期便は出発したばかりで次の船は2時間後。

本島まで船で30分かかって、港から病院まではさらにバスで40分。

「○○島に住んでいるので、早くても3時間以上かかります」と伝えると、「この時期の出血は問題ないことが多いですから、まずは落ち着いてください。慌てず気をつけていらしてください」と言われ、少し冷静になることができました。

 

とりあえず家族に連絡して出血の様子を見ながら船の時間を待ちました。

船とバスを乗り継いで病院へ。

予約なしの診察でしたが、出血があったことを伝えるとすぐに診てもらうことができました。

 

「出血があったんだってね。内診してみましょうか」

先生に促されて内診室へ。

しばらくは腹部エコーだったので、内診台も経膣エコーも久々です。

心臓がバクバクして手が震えました。

 

ぴよちゃんの心臓が止まっていたらどうしよう…。

 

頭の中はその考えでいっぱいでした。

 

「大丈夫。赤ちゃんは元気ですよ~」

先生がモニターの画面を見せてくれました。

ぴよちゃんは元気にピヨピヨ動いていて、心臓もパクパクと脈打っていました!

 

「ああよかった…!よかった、よかった…」

私はホッとして、そればかりを繰り返しました。

ぴよちゃんが無事でよかった。

ぴよちゃんが生きてくれていてよかった。

ぴよちゃんの心臓が止まっていなくて、本当によかった!

 

「出血は小さいポリープが原因みたいですね。

ここにあるの、わかるかな?」

 

先生がエコーを指して説明してくれましたが、よくわかりませんでした。

 

「小さいし、切るほどでもないので、縛って取っちゃいましょうか?」

「え?ポリープを縛るんですか?」

「細い紐みたいなものでポリープの根本を縛ると、血がいかなくなって自然に取れ落ちます。

放置すると妊娠に悪影響が出ることもあるから、取ってしまうことをおすすめします」

「そうなんですか。じゃあ、お願いします」

(※会話の内容は当時の記憶を頼りに書いているのでうろ覚えです…。

 間違ったことを書いていたらすみません)

 

「器具を入れますねー」

先生が何か器具を入れて膣を拡げ、中でカチャカチャと処置を始めました。

拡げられる違和感はあるものの痛みはほとんどなかったです。

処置は5分もかからずに終わったと思います。

 

「はい、終わりましたよ。

そのうち取れて勝手に排出されると思います。

念のため来週もう一度きてください」

「出血があったらどうすればいいですか?」

「今日くらいの出血がまたあるかもしれません。

でも、ポリープからのものなので、よほどお腹が張るなんて症状がなければ大丈夫です」

 

私は先生にお礼を言って診察室を出ました。

お会計を待っている間、看護師さんが声をかけてくれました。

「ポリープは妊娠中にできることもあって、珍しいことじゃないからね。

心配なことがあったらまた電話して聞いてね」

そう言っていただいて、とても安心感がありました。

 

お会計を済ませ、バスと船を乗り継いで帰島。

夫とお義母さんに「どうだったの!?」と詰め寄られました。

大騒ぎした後だったので「ただのポリープでした…お騒がせしました」と言うのが恥ずかしかったです。

 

翌週、再度病院へ。

ポリープは取れてなくなっていました。

自分でも気付かないうちにトイレで流れたようです。

 

このポリープ騒動があったので、なんというか…

「何かあっても大騒ぎしてはいけない」

「みんなに迷惑をかけてはいけない」

「大騒ぎしてなんともなかったら、また恥をかくし迷惑をかける」

という意識が私の中に出来上がってしまいました。

 

今思えば、そんなことは関係なく、異変を感じたらすぐに病院へ行くべきだったんです。

上記のような考えを持ってしまったばかりに、ぴよちゃんは亡くなってしまいました。

 

死産のことは次の記事に書きます。