めばちこ(ものもらい)は、まぶたの「ニキビ」と考えて下さい。まぶたからは他の皮膚と同じように分泌物が常に出てきています。ところが何らかの理由で出口が詰まってしまうことがあり、行き場を失った分泌物がまぶたの中に貯まりそこへ細菌が感染して炎症を起こすというものです。
 これに対して、まず抗生物質(細菌を殺す)と抗炎症剤(腫れを抑える)を使います。すると「めばちこ」の周囲にあった浮腫(腫れ)がひいて痛みが取れ多少大きさも小さくなります。ところが一番中心の「芯」に当たるしこり(膿)は、こういった薬ではなかなかひきません。これが小さくなるためには、人間に本来備わっている「膿を吸収していく能力」に頼るしかありませんので時間がかかるわけです。よって痛くはないけどもまぶたを触れば「しこり」が触れる状態がしばらく続きます。患者さん自身は気になってしかたないかも知れませんが、医学的には治療の必要がない状態と言えます。人によって異なりますが、しこりが消失するまで数ヶ月かかることも多いようです。