夕暮れが迫ってくる時間
僕は日課の散歩をしている
コースは久しぶりのコースだ
そこの道路わきに小さな緑地がある
近くには柿木が橙色の実をつけている
日のあるころならメジロが
食べにくるのだろう
黄昏には早いが
辺りになぜか人気がなくなった
昼と夜の境界の時間
何か不思議なことが起こる時間
おや
小さなイスが並んでいるが
人の姿がない
イスの大きさからして
大人は座れないな
園児のものだ
僕にはもう見えなくなってしまったが
きっとそこには子供たちが座っている
ほら
青い服の男の子が立ち上がり
手を振って何か話している
赤いスカートの少女が
ほほを膨らませて怒っている
笑いあう声が・・・・・
楽しい時間がそこにある
子供のころには見えたことが
見えなくなって
もうずいぶん時間が流れた
知識は増えたが
忘れたことも多かったりする
夜の帳(とばり)がすっと幕を下ろした